情報社会の現代における医食同源~貝原益軒は今、何と言うか?

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介護コラム

林 久仁則 氏

身体教育家・
東京藝術大学非常勤講師

~ 「私のこだわる食による健康づくり(事業として・個人として)」 ~

情報社会の現代、健康番組などの情報が絶えない。
確かに家族形態の変化、食文化の多様化により、先人の知恵に習う風習や昔ながらの食の在り方など、生活に根差して知恵を学ぶ機会は減ってきている。
当然、外部の情報に頼ることが多くなる。
一方で、大手企業の健康情報まとめWebサイトにおける、不適切な医療関連コンテンツについて問題があったことは読者の記憶にも新しいと思われる。
サイトの内容が薬機法、医療法に違反する可能性がありながら、安易にまかり通ってしまう。まさに健康情報そのものがただただ消費されてしまう時代に我々は生きている自覚を持たねばならない。

健康の羅針盤は他者ではなく、自らに求めるべきである。
弊社の食事業では、食事制限を課せられた患者様が多く、安心・安全の食を第一に求められるお客様が多い。
すなわち、
この食材はどこで育ち、どの様に育てられたのか?
への注目である。
弊社の仕入れをする野菜は、農薬不使用数十年の畑で有機栽培、昔ながらの発酵たい肥の方法によって育てられる野菜を主に使用させて頂いている。(※1)
その、土づくりへの考えや発想に学ばせて頂く機会がなんとも楽しく、味があるのだ。
先の農園では、自然の微生物の働きや畑全体の環境づくりの視点、作物への尊敬が根底に流れている。
自然の土や、土壌を活かすことが、結果的に私たちを健康に導く丈夫で健やかな野菜を育てる秘訣であると。
「いただきます」の語源である、命を頂くことを思い知らされる。

江戸時代、貝原益軒は「養生訓」で国民への健康教育を提唱した人物で、彼もまた自らの70年以上の経験から養生訓を上梓した。
今、時代に必要なのは国民の自助努力による本当の暮らしに根付いた健康の在り方であり、そうしたこだわりを大切にした生活習慣の見直しや、環境づくりそのものではないだろうか。

貝原益軒が情報社会に生きる現代人に対し、何と言葉を伝えるか。静かに耳を澄ませてみたい。

(※1)Bagrass Farmars(バグラスファーマーズ)様:「発酵たい肥農法」「農薬不使用」にこだわった有機栽培の収穫野菜を販売する店舗様。土づくりにこだわった農作物は安心して素材のまま食べられる、有機野菜や果物が豊富。

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