介舟ファミリー
介護ソフト・障害者福祉ソフト
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、子どもの育ちや子育ての基盤である「人との関わり」を断つことを、私たちに強いました。誰もが不安と恐怖の中で日々を過ごし、子育て支援の場であった子育てひろば(地域子育て支援拠点)も、約80日の閉館を余儀なくされました。
当たり前だった子育て支援は、人と人が関わることで成り立っていたのだと、あらためて気づかされました。子育てひろばで、少し休んだり、誰かに話したりすることで、孤立を防ぎ、子どもとの距離を保てていた親たち。子どもたちは子ども同士で関わること、多様な人と関わることで得られる成長や、体を動かしたくてたまらない子どもたちが、家に閉じ込められたとき苛立ちが生まれ、その連鎖が家庭に及ぶ様子は想像に難くありませんでした。
唯一続けていた相談電話も、ほとんど鳴ることはありませんでした。私たちは問い直しました。どうすれば支援を届けられるのか。必要なのは、閉塞感の中にほっとできる風が吹き抜けるような支援。子どもの成長や保護者の気持ち、生活に寄り添う支援でした。
そこで始めたのが、生活リズムツールになること。子どもの気持ちの切り替えの一つになればと、SNSにて子育てひろばで決まった時間に行っている、手遊びを同じ時間にいつものスタッフがlive配信。保護者には、くすっと笑って“ほっと”出来たらとスタッフによる面白動画。そして、家庭で簡単に遊べる手作りの工作キットの送付と、ドライブスルーでの手渡しです。キットは子どもの月齢に応じて内容を変え、保護者が子どもと遊べるものから、お買い物ごっこや魚釣り遊びなど、親子で関われる工夫を凝らしました。
いよいよドライブスルー当日。車の中からスタッフの顔を見るなり、涙を流す保護者の姿に、私たちも胸がいっぱいになりました。それをきっかけに、少しずつ相談電話が鳴るようになりました。最初の声は「みんな頑張っとるのに、私だけ相談してすみません」でした。
福祉とは、支援とは、必要なときに、必要な人に、必要な形で届けられること。それが高価なものでなくても、たとえ新聞紙で作ったおもちゃであっても、今を支え、明日へつなげるものであれば、それでいい。制度の狭間にしなやかに機能する支援こそが、生活を支える福祉の本質だと、私たちは感じました。
そして今、あの時間が子どもたちと家庭に与えた影響を受け止め、次に生かす支援の在り方が問われています。人を支えるのは、人。私たちはその原点に、再び立ち返っています。
人は老計10号のみにて生くるにあらず
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介護を自分のこととしてどう受け止めるか
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