『代弁者』というプロフェッショナル

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介護コラム

島 香織 氏

シンガーソングライター

~ 第二話 ~

アーティストというのは自分の世界観を貫き、その世界観を好きになった人がファンになり、成り立っていくものと思います。
そして、シンガーソングライターは作詞作曲歌唱の自作自演の世界です。
しかし、施設で歌う時には、自己表現よりも、お一人お一人の表情やしぐさをとても気にかけています。
「今、どんな気持ちなのかな」
「どんな歌が聞きたいかな」
「どうやって緊張をほぐしてあげたらいいかな」
と、選曲やMCにもすごく気をつけ、曲の長さも配慮しています。

歌手も十人十色なポリシーやスタンスがありますが、

「今、目の前にいる人に喜んでもらう」

ということが私にとっての最高のプロフェッショナルだと思います。
施設ライブに行かせていただくときは、スタッフさんと一緒にどうやったら楽しんでもらえるかなど、事前に打ち合わせをしたり、ライブ中にサポートしていただいたりしている中で、

「利用者さんの笑顔が見たい」

という共通の思いを感じています。
同じ思いがあるからこそ、社会福祉施設出張ライブが成り立っている今があります。

私は ライブだけではなく、曲作りにおいても『相手の思い』を大切にしています。
特に応援ソングや、社歌、イメージソングなど、依頼があって制作するものは、自分の思いや想像ではなく『クライアント様の思い』が一番大切だからです。
クライアント様の『代弁者』であることが最高のプロフェッショナルだと思っています。

介護の世界においても同様に、利用者さんの思いを受け止め

「どうしたいか、どうなりたいか」

の気持ちを汲み取るために、一つ一つの言動をとても大切にされていると思います。
その思いを叶えるため、実現できるよう共に頑張っている姿を拝見し、施設スタッフの方々も、利用者さんの『代弁者』だと思いました。
そこに仕事を超えた心あるプロフェッショナルが生まれているように感じています。

ジャンルは違いますが、社会福祉の世界に笑顔が生まれる活動『笑顔のバトンをつなぐプロジェクト』をどんどん企画していきたい。

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