私と支援機器

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橋本 紗貴 氏

熊本県立黒石原支援学校 教員

私は8年前、突然の病気の発症により、重度障害児になり、周囲から「何も出来ない子ども」と見られました。
しかし、家族は諦めず、私に必要な機器は何なのか、どんな支援が必要なのかを探りながら日々を過ごしました。
ある日、兄がパソコンであれば自分の見やすい大きさに文字を拡大することが出来ることに気づき、パソコンを試しに触らせてもらいました。
すると、四肢麻痺・視覚障害があってもスムーズに自分の思いを書くことが出来、消しゴムで消す必要もないのですごく楽でした。
そして今では、障害の程度が重くなるにつれて必要な支援機器が増えていっています。

また、私の身体は普段は、動かしにくいながらも左手で日常生活を送ることが出来、車いすに座ることが出来ます。
しかし、身体の緊張が強まったり弱まったりして、身体がまったく動かない時、声が出ない時、力が入りにくい時もあり、機器を導入するまではコミュニケーションに苦戦する日もありました。

しかし、今では、多くの方の支援機器の紹介により、miyasuku EyeConSW、iPad、レッツチャット、難聴者用スピーカーコミューン、指伝話などの支援機器やアプリを使用することで、生活の質がぐんと上がり、どんな状況であってもコミュニケーションに困ることなく、体調に左右されることなく学校の課題を行うことが可能になっています。

けれども、金銭面などですぐに機器の導入が難しい場合ももちろんあります。
しかし、今の私はテクノロジーの助けがあるからこそ、勉強を続けることが出来、社会と繋がることが出来ています。
機器の導入によって私の生活は大きく変わったので、積極的に機器を取り入れていって欲しいです。
テクノロジーの適用によって生活が大きく変わる人がいます。

パソコンの苦手な家族ですが、積極的にICTを導入してくれたことにより、見えにくい、聞こえにくい、動かしにくい、話しにくい状況でも、社会で活動する可能になりました。
パソコンやタブレットの機器が苦手ながらも導入を決意してくれた家族、そして、様々な支援機器の紹介をしてくださった関係者のみなさんに感謝しています。

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