「クレームから学ぶサービスの質」 Posted on 2013年8月19日2025年2月17日 by kaida HOME >コラム>本松 洋一 氏 クレームはサービスの質のバロメーターです。出て当たり前。もし出ないなら、誰かが我慢しているか、誰かが、隠しているぐらい考えた方がよいでしょう。私はクレームが出て眉をひそめる前に嬉しがるタイプです。これも製造業で教えられた事ですが、クレーム一つ一つに真摯に対応し、それらを分析し、その原因を探り、改善することは事業所の質の向上に繋がります。(製造業で不良品が出ないことはあり得ないのです。だから原因を探って減らす努力をするのです。)クレームを未然に防ぐための考察はもちろん大切ですが、重要なのは、一度出たクレームを再発させないことです。クレーム処理は火事と一緒で、初期動作が最も重要です。迅速に行動に移さないと傷口は開く一方です。まずはお客様の元に向かい傾聴することが第一。その為の管理者だと思ってます。 1つのクレームが発生した場合、それがどこに起因するものかをまず調査します。①ケアプランに問題がある場合・・・・ 仕事量に対する時間数に無理はなかったか?逆に多く取りすぎて無駄がなかったか?訪問回数は的確だったか?利用者の求めるサービス内容であったか?利用者のADLに見当違いはなかったか?事前訪問時に見落とした事柄はなかったか?②スタッフに問題がある場合・・・・ サービス内容に対する介護者のスキルは十分だったか?利用者の希望する人材だったか?社内教育は十分だったか?連絡引継ぎは正確だったか?体調に問題はなかったか?③利用者に問題がある場合・・・・ 事前訪問時と話が食い違っていないか?決められた事以外の要求はなかったか?サービスを遂行する上で家屋状況等で問題はなかったか?このような色々な視点からそのクレームを見なければいけません。例えば「ヘルパーの掃除が雑だ」と言うクレームが出たとします。それはヘルパーの質が悪いからでしょうか?必ずしもそうとは限りません。仕事量に対する時間数に無理があったのかもしれません。掃除の要求に変更があったかもしれません。時間内に終わらせる事ができない箇所が出たとも考えられます。このようにそのクレームを十分に分析しないと原因も判りません。例えヘルパーを変えても状況は変らず、結果再発防止には繋がりません。こういった品質管理を行なうことはクレーム数を減らし、スタッフの質を高め、顧客満足度を高めることになるでしょう。クレームはサービスの質を向上する大事な情報源です。 本松 洋一 氏 連載一覧 本当のQOLとは 2013年9月24日 「クレームから学ぶサービスの質」 2013年8月19日 「まだまだ素人です」 2013年7月18日 プロフィール デイサービスららら 施設長 ■経歴■東海大学工学部機械科卒。自動車製造会社入社後建築設備会社に転職。そこで異業種として医療、福祉業界に参入すると言う社命を受け、訪問介護事業の立ち上げの責任者となる。以後16年間在宅介護事業にどっぷりはまる。管理責任者、ケアマネ、ヘルパーさんの兼務の他、住宅改修ではコーディネーターだけでなく、自ら手すりの取り付けなどの工事も行う。何事も現場で経験しないと気がすまない現場至上主義。現在福岡県太宰府にて医療法人健成会鹿子生整形外科整形医院。「デイサービス ららら」施設長。ホームヘルパー2級、福祉住環境コーディネーター、介護福祉士、介護支援専門員、管工事2級技能者。 関連コラム 権利意識の強い高齢者が増えている! 2022年7月11日 一人ひとりの物語に寄り添う 2024年12月9日 『代弁者』というプロフェッショナル 2018年2月13日 他のコラムを探す テーマで探す 介護の質介護職食事組織ケアシステム機器 職種で探す 大学教授経営者施設管理者専門職介護関係 \「介舟ファミリー」のお問合せはこちら/ お問合せはこちら 無料体験はこちら 資料ダウンロード