『「時刻」と「時間」のバランス』 Posted on 2015年6月11日2025年2月18日 by 管理者 HOME >コラム>溝呂木 大介 氏 我々は普段の仕事を時刻との戦いにしてはいないだろうか?食事・排泄・入浴・レクリエーション・更衣・整容……。始まる時刻と終わる時刻。一日の勤務の中で、何回時計をみているだろうか?時刻を守れる介護が「できる介護」になってはいないか?私たちは利用者と時間を共にしている。その時間は介護士の都合でコントロールされてはいないか?私には忘れられない出来事がある。そしてそれが私の介護観の一部を形成している。 私は祖父にとにかくかわいがってもらっていた。私もそんな祖父のことが大好きだった。その祖父が亡くなる時の出来事。癌に侵されていた祖父は最期の時を病院で迎えようとしていた。危篤の知らせが届いたのは夜間であったが、家族一同で病院に駆けつけた。ところが、そこからの祖父の生命力には驚かされた。祖父が病と闘う一方で、家族一同は病室待機を強いられた。当時まだ高校生であった私は、始めこそ祖父との思い出を回想していたが、待機が長時間に及ぶことで、眠気と疲れに襲われてきてしまっていた。だんだんと時計を見る回数が増えてくる。ふとした瞬間に気がつく。「私は祖父が亡くなるのを待っていないか」。別れの「時刻」までに必要だった、寄り添う「時間」のために駆け付けたはずだったのに。時刻とは区切りである。時刻と時刻の間に流れているものが時間である。時刻は利用者の生活や健康を守るために、介護する側が定めたものである。時刻を守ることは必要なことであるが、我々はともするとその間に流れる時間を疎かにしていないだろうか。介護士として利用者に寄り添えるのは、時刻ではなく時間なのである。祖父との出来事によって私が気付かされたのはこのことだった。どちらも大事な時刻と時間。この二つの「時」の適切なバランスを状況に応じて取る力が、我々に必要な力であり、それを高めることが介護の質を高めることになる。そのことを忘れないようにしたい。 溝呂木 大介 氏 連載一覧 『なんで泣いちゃいけないの』 2015年7月13日 『「時刻」と「時間」のバランス』 2015年6月11日 今こそ介護としての組織力を高めよう 2015年5月11日 プロフィール (株)喜咲 代表取締役■経歴■普通科高校3年時に退学。通信制高校に通学の傍ら重症心身障がい者施設にて介護キャリアが始まる。2000年 老人保健施設ヒルトップロマン入職後、同法人である老人保健施設デンマークイン新宿の立ち上げに携わる(介護主任)。2010年 (株)ライフサイクロペディア ローズ療養通所介護の開設をし、現在に至る。介護福祉士の専門性の確立に力を入れており、『専門性を確立する会』の立ち上げで行った研究「専門性を確立するために 介護福祉士の仕事の根拠」を発表。2015年より、東京都介護福祉士会にて介護研究の方法の講師を務める。 関連コラム 潜在的なニーズこそ 2024年4月9日 これからの令和な時代の“福祉・介護”とは 2023年4月10日 新年度が始まりました 2023年5月10日 他のコラムを探す テーマで探す 介護の質介護職食事組織ケアシステム機器 職種で探す 大学教授経営者施設管理者専門職介護関係 \「介舟ファミリー」のお問合せはこちら/ お問合せはこちら 無料体験はこちら 資料ダウンロード