『「時刻」と「時間」のバランス』 Posted on 2015年6月11日2020年2月17日 by 管理者 HOME >コラム>溝呂木 大介 氏 溝呂木 大介 氏 我々は普段の仕事を時刻との戦いにしてはいないだろうか? 食事・排泄・入浴・レクリエーション・更衣・整容……。 始まる時刻と終わる時刻。 一日の勤務の中で、何回時計をみているだろうか? 時刻を守れる介護が「できる介護」になってはいないか? 私たちは利用者と時間を共にしている。その時間は介護士の都合でコントロールされてはいないか? 私には忘れられない出来事がある。そしてそれが私の介護観の一部を形成している。 私は祖父にとにかくかわいがってもらっていた。 私もそんな祖父のことが大好きだった。 その祖父が亡くなる時の出来事。 癌に侵されていた祖父は最期の時を病院で迎えようとしていた。 危篤の知らせが届いたのは夜間であったが、家族一同で病院に駆けつけた。 ところが、そこからの祖父の生命力には驚かされた。 祖父が病と闘う一方で、家族一同は病室待機を強いられた。 当時まだ高校生であった私は、始めこそ祖父との思い出を回想していたが、待機が長時間に及ぶことで、眠気と疲れに襲われてきてしまっていた。 だんだんと時計を見る回数が増えてくる。 ふとした瞬間に気がつく。 「私は祖父が亡くなるのを待っていないか」。 別れの「時刻」までに必要だった、寄り添う「時間」のために駆け付けたはずだったのに。 時刻とは区切りである。 時刻と時刻の間に流れているものが時間である。 時刻は利用者の生活や健康を守るために、介護する側が定めたものである。 時刻を守ることは必要なことであるが、我々はともするとその間に流れる時間を疎かにしていないだろうか。 介護士として利用者に寄り添えるのは、時刻ではなく時間なのである。 祖父との出来事によって私が気付かされたのはこのことだった。 どちらも大事な時刻と時間。 この二つの「時」の適切なバランスを状況に応じて取る力が、我々に必要な力であり、それを高めることが介護の質を高めることになる。そのことを忘れないようにしたい。 連載一覧『CareTEX名古屋』 沢山のご来場ありがとうございました 2021年1月19日 自立した姿とは。これからも人にかかわろうとしている皆さんに考えてほしいこと 2021年1月13日 CareTEX福岡 出展のご案内 2021年1月4日 年末年始休業のお知らせ 2020年12月28日 無料オンラインセミナーのご案内(訪問介護事業所向け) 2020年12月17日 「第2回目」連載コラムを公開しました 2020年12月11日 これまでの生き方、人との繋がりを知り、地域で最期を迎えられるために 2020年12月11日 CareTEX名古屋 出展のご案内 2020年12月10日 成田エコハウス株式会社 様 2020年11月26日 新型コロナウィルスに負けない~地域とつながり続けていくために~ 2020年11月11日 123456...15>> 体験版申込 資料請求