専門職に求められる介護の実勢事例

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髙橋 秀明 氏

はじめまして。特別養護老人ホーム裕和園髙橋秀明です。
本コラムでは「介護の質とは、支援者の質である」をテーマに3回に分けてお話しします。
第2回目は「専門職に求められる介護の実勢事例」です。

前回、私たちがやりたい介護ではなく求められる介護を展開する、求められる介護の本質は介護保険法及び運営基準の基本方針にあるとお話しさせていただきました。

以前私は介護老人保健施設(以下、「老健」)で仕事をしていました。入所部門の責任者をしていた私が、平成29年から通所(以下、「デイケア」)部門も担当することになりました。

担当し始めた当時のデイケアは、職員個々の介護観に基づいた支援が展開され、そのコンセプトは、
「何でも職員がやってさしあげる”おもてなし”」でした。
その当時、職員が慌ただしく動いている半面利用者は椅子に座りじっとしているデイケアの風景が目に留まりました。
デイケアの基本方針(目指すべき事業の姿)が運営基準にこう書かれています。

「(中略)その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活をことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し…(中略)、利用者の心身の機能の維持回復を図るものでなければならない。」

つまり、デイケアを利用することで、

  • 本人が今できていること、わかっていることを、これからもでき続けられるように、わかり続けられるように。
  • できなくなっていることは、本当にできなくなっているのか専門職が見極め検証し、取り戻すことができるように支援する。
  • 本当にできなくなっていることについては代行する。

ことがあるべき事業の姿イコール専門職に求められる支援と言えます。

先述したような、当時のデイケアの「おもてなし」も大事なことではありますが、何でもやって差し上げることに尽力していては、利用者が「活動しない→機能や能力を使わない→機能や能力が衰える」になり、ひいては基本方針に逆行してしまうのです。

第3回に続きます。

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