【2024年度介護保険法改正】一体的計画書とは?一体的計画書について詳しく解説

2024年度介護保険法改正における大きな見直しの一つに、一体的計画書があります。どこがどのように変わるのか、そもそも一体的計画書とは?と気になる方も多いでしょう。
この記事では一体的計画書の概要や見直しポイントを紹介します。改正実施後に通常業務が滞らないよう、今から準備しておきましょう。

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2024年度の介護保険法改正とは

2024年に予定されている介護保険法の改正は、医療保険や障害者総合支援法と同時に行われるため、多くの介護関係者が注目しています。 まずは、介護保険法改正の概要と、なぜ介護保険法の改正が行われるのかという改正の目的を確認しておきましょう。

介護保険法改正とは

介護保険制度は、高齢化が進み、従来の老人福祉や老人医療制度で高齢者を支えていくのが難しくなったことから生まれたサービスです。 1997年に介護保険法が成立、2000年に施行され、現在に至っています。厚生労働省の「介護保険制度の概要(令和3年5月)」によると、介護サービス利用者は3.3倍に増加する一方で、現役の世代は減少しているのが現状です。そのような背景を鑑みながら、 高齢者の現状や社会ニーズに合わせるために介護保険制度の改正が約3年に一度、行われています。

介護保険法改正の進め方

介護保険制度を改正する際には、まず、介護保険制度や介護保険サービスの現状の調査を行います。そこから見えた問題に沿ってテーマが決定。さらに厚生労働省、財務省の部会で意見交換が行われます。その際には、財源からの支出を抑えたい財務省と、社会的ニーズや現場の現状に合わせた施策を取りたい厚生労働省が、それぞれの立場から議論し、すり合わせが行われます。

2024年度に行われる介護保険法改正の概要

団塊の世代が75歳以上となる2025年が目前に迫り、介護保険法は大きな転換期を迎えるのではないかと推測している人も多いようです。そのため、国は地域包括ケアシステムの推進を図ってきましたが、今回は社会環境の変化を優先とした改正になるのではないかとも言われてきました。 また、高齢者人口がピークを迎える2040年を鑑み、2024年の改正では、政府のひとつの大きな指針が示されるという見方をしている人もいるようです。そのような2024年の改正のなかで、これからご紹介する介護保険法改正の一体的計画書の見直しは大きな柱のひとつとなります。 詳しくは「2024年介護保険法改正はどうなる?政府提言のポイントをわかりやすく解説」をご覧ください。

2024年度の介護保険法改正における一体的計画書の見直し

介護保険法の改正にともない、一体的計画書が見直しとなりました。リハビリ、口腔管理、栄養管理の一体提供を推し進めることを前提に、リハビリに力を入れて上質なサービスを行う事業所を高く評価する方針です。

一体的計画書とは

一体的計画書とは、要介護者、要支援者をともに、状態を重度化させることのないように、また改善することを目的として作成する計画書のことです。計画書にはリハビリ機能訓練・栄養管理・口腔管理の項目があり、解決すべき課題や長短期目標、具体的なケアのプランなどを記載します。口腔や栄養の評価と、リハビリ計画や口腔管理、栄養管理の情報を、職種や担当を越えて共有することで、利用者の状態を少しでも改善に導くことを目指しています。 計画書について、厚生労働省の様式は介護報酬改定に伴って見直される予定ですが、現在は2021年度介護報酬改定時のものが以下のサイトからダウンロードが可能です。

現在、ダウンロードが可能な別紙様式1-1「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養管理、口腔管理に係る実施計画書」は以下のとおりです。

一体的計画書で注目されているリハビリテーションマネジメント加算

一体的計画書を作成することで、リハビリテーションマネジメント加算を受けることが可能となります。質の高いリハビリを提供した事業者には加算するという内容ですが、訪問・通所でそれぞれ算定要件が異なるため、注意が必要です。変更箇所は以下のとおりです。

訪問リハビリテーション

リハビリテーションマネジメント加算(B)が廃止になります。その代わり、 医師が、利用者や家族に対して説明し、同意が得られると加算されるという要件が新設されます。

通所リハビリテーション

リハビリテーションマネジメント加算(B)の廃止は、訪問リハビリテーションと同じです。それに代わり、口腔アセスメント、栄養アセスメントの加算区分が新設されます。また、医師が、利用者や家族に対して説明し、同意があれば加算されるという要件もプラスされます。
加算要件はさまざまですが、政府がメインとして推進したい部分を抜き出してみると、以下のとおりとなるでしょう。

  • 口腔アセスメント、栄養アセスメントの実施
  • リハビリテーション・個別機能訓練内容(必要に応じてLIFEに提出した情報活用)
  • リハビリ計画を見直し、その内容を関係職種で共有

また、介護老人保健施設、介護医療院、介護老人福祉施設等でも関係加算については、新たな区分が設けられています。こちらの施設に該当する事業所は、しっかりと確認しておきましょう。

通所リハビリテーションの事業所規模別基本報酬の見直し

一体的計画書の見直しに伴い、事業所規模別の基本報酬についても見直されています。

基本報酬

現行の3段階から以下の2段階に変更となります。

  • 通常規模型
  • 大規模型

ただし、大規模型事業所であっても、以下の条件を満たす際は、通常規模型と同等の評価となります。

  • 利用者全体の80%以上が、リハビリテーションマネジメント加算を算定
  • リハビリ専門職の配置が10:1以上
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運動器機能向上加算の基本報酬への包括化

改定事項としては、予防の対象も変更点がいくつかあります。運動器機能向上加算が廃止され、基本報酬へ包括化されます。
さらに、選択的サービス複数実施加算も、一体的サービス提供加算となります。

リハビリの質の向上に向けた評価

予防に関するリハビリについては、さらに見直されるポイントがあります。
  • 利用開始から12か月が経過したあとの減算が拡大となります。ただし、定期的なリハビリ会議によるリハビリ計画の見直しを行い、LIFEへデータを提出し、フィードバックを受けPDCAサイクルを推進する場合には減算となりません。
  • 事業所評価加算は廃止となります。

豪雪地帯等においての所要時間の明確化

現行の所要時間による区分の取り扱いは、実際の時間ではなく、標準的な時間で評価しています。そのため、豪雪地帯等では積雪や天候悪化によって、通所介護費等の所要時間が短くなってしまうこともありましたが、見直しが入り、やむを得ない事情の際は考慮すると明確化されました。

業務をスムーズにするなら介護ソフトの活用が有効

介護保険法改正により、一体的計画書の見直しが入ります。変更点は業種の事業所によってそれぞれ異なりますが、 政府としてはLIFEをさらに活用し、ICTの導入を広めたいということのようです。
事業所としては、そのための対策を十分に立てておく必要があります。そのひとつに、介護ソフトの導入があります。
例えば、介舟ファミリーの介護ソフトなら、トータルサポートで見直し期間もスムーズな業務遂行が可能です。2024年度の介護保険法改正に備えて、介護ソフトの新規導入、あるいは、より効率的な業務遂行が可能なソフトへのリプレイスをおすすめします。

介舟ファミリーは、介護と障害者福祉の両制度に対応し、事業所が必要な機能を標準で提供しています。包括的なサポート体制があり、初めての利用でも安心して導入できます。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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