高齢者住宅における提供サービスの質について考える~第3編~ Posted on 2020年10月14日2020年11月5日 by kaida HOME >コラム>佐藤 知良 氏 佐藤 知良 氏 さて、今後の介護業界について見てみると、5年後の2025年には団塊の世代(1947年~1949年生まれ)が75歳以上の後期高齢者となり、総人口の約20%弱を占めてくる。さらに65歳以上の高齢者と合わせると総人口の30%を超える。つまり、5年後には日本の総人口の約3人に1人が高齢者ということになる。一方で、働き手となる介護士の労働人口(15歳~64歳)は減少傾向にあり、すでに2020年現在で介護士が約13万人不足している。さらに5年後の2025年には約34万人の介護士が不足すると危惧されている。これからさらに少子高齢化が進み、高齢者住宅等の介護事業所においては需要(高齢者)と供給(働き手)のバランスが大きく崩れ、提供する介護サービスの質をどのように維持向上していくかが大きな課題となる。このような状況下でも、介護事業所各社は介護品質を保つため、協会や会社独自の事例検討会において新たな取り組みを発表したりしているが、今後はAIやIoTを活用した介護も取り入れ、介護ロボットを現場で導入したり、コミュニケーションツールとしてのロボット開発も進んでいくだろう。しかしながら、介護の仕事のほとんどは、人の動作や判断によるところが大きく、AIやIoTでも限界があると言わざるを得ない。少子高齢化による限られた人材の中で、提供する介護サービスの質を高めていくためには、スタッフ1人ひとりが“介護のプロ”として前編で述べたことを認識し働くことが大切だと思うが、何よりも1つのチームとして機能する組織づくりが大切だと思う。そのために、チームのコンダクター(管理者)は、スタッフ1人ひとりがチームプレーに徹しやすく働きやすい職場環境を築き、下支えすることが重要だと言えるだろう。~(完)~ 連載一覧高齢者住宅における提供サービスの質について考える~第3編~ 2020年10月14日 高齢者住宅における提供サービスの質について考える~第2編~ 2020年9月16日 高齢者住宅における提供サービスの質について考える 2020年8月13日 体験版申込 資料請求
高齢者住宅における提供サービスの質について考える~第2編~ Posted on 2020年9月16日2020年10月14日 by kaida HOME >コラム>佐藤 知良 氏 佐藤 知良 氏 『心地良さ』と一言でいっても、どのようなときに感じるか、またその感じ方も人それぞれ違うものである。例えば、気持ちが通じ合える家族といる時であったり、昔ながらの仲間と酒を酌み交わす時であったり、ひとりで趣味に没頭している時であったりと、十人十色である。同じように、多くのご入居者が住む場所である高齢者住宅では、提供するサービス1つをとっても、それを『心地良い』と感じるか否かは、ご入居者お一人おひとりによって違ってくる。高齢者住宅において『心地良さ』を保ち、高められるのは、建物(居室)の環境や設備、衛生面(清掃)、介護サービス、食事、アクティビティ等がある。特に、スタッフがお客様であるご入居者に直接提供する介護サービスや食事、アクティビティは、提供するサービスの質を高め、継続していくことで、どのご入居者にとっても『心地良さ』を大きく感じていただけるところである。提供するサービスの質を高めるためには、スタッフ一人ひとりが、その提供するサービスについての知識やスキルを身に付け、高めていくことが肝要であるが、その上で『気づき』が出来ることが、とても大切になってくる。そのためには、日々ご入居者と適切な距離感を保ちながらコミュニケーションをしっかり取り、相手のことを理解すること、そして相手からのデマンド(望むこと)に対してプラスアルファの対応ができること、その上で相手を『心地良く』する行動を取ることが、サービスの質を高めていくことに繋がっていく。すなわち、日々の中でスタッフ一人ひとりが『目配り、気配り、心配り』のスキルを持ってサービスを提供することで、ご入居者が心豊かに、そして『心地良い』生活を送ることができるのである。~続きは、(第3編)へ~ 連載一覧高齢者住宅における提供サービスの質について考える~第3編~ 2020年10月14日 高齢者住宅における提供サービスの質について考える~第2編~ 2020年9月16日 高齢者住宅における提供サービスの質について考える 2020年8月13日 体験版申込 資料請求
高齢者住宅における提供サービスの質について考える Posted on 2020年8月13日2020年9月16日 by kaida HOME >コラム>佐藤 知良 氏 佐藤 知良 氏 新型コロナウイルスの感染が広がりをみせ、まだまだ収束する見込みが見えず、本当に大変な時代になってきたなぁと痛感をしている。早く、ワクチンが開発され、以前のようにマスクをしなくても気軽に生活できるようになることを願うばかりである。さて、今回より3連載で、私が有料老人ホームの支配人を11年経験してきて感じたことを主に、「高齢者住宅における提供サービスの質について考える」というテーマで、僭越ながら筆をとらせていただきます。まず、私どもの事業は、業種からすれば「医療・福祉」分野となるが、大きな括りからすると「サービス業」ということになる。一般的にサービス業となると、飲食や理美容、ホテル等を想像するが、それらと「医療・介護」には大きな違いがあると思う。特に介護サービスとなると、その方の生活をサポートすることで、その日の暮らしを成立させなければならない。高齢者住宅であれば、それが24時間365日である。多様な形態がある高齢者住宅で共通して提供するサービスとしては、入浴や排泄介助等の介護サービスをはじめ、体調管理等の看護、食事提供、洗濯、アクティビティ、機能訓練などがあり多岐に渡る。このように高齢者住宅における提供サービスは幅広く、それぞれのサービスの質を維持していくことはそう簡単なことではない。ましてや、お住まいの高齢者住宅内においては、すべてのご入居者に公正・公平に対応することを原則として、一定のサービスを提供するが、それぞれのご入居者は、歩まれた人生が違えば、趣味や思考も違う。そう言った意味では、たとえ同じサービスを提供したとしても、同じように感じることもあれば、そうでない場合もある。では、その中で、サービスの質を維持していくために何に焦点を合わせて考えるべきか。それは、サービスを受けたその方にとって、いかに『心地の良さ』を感じていただけるかが、とても大切ではないかと思うのである。~続きは、(第2編)へ~ 連載一覧高齢者住宅における提供サービスの質について考える~第3編~ 2020年10月14日 高齢者住宅における提供サービスの質について考える~第2編~ 2020年9月16日 高齢者住宅における提供サービスの質について考える 2020年8月13日 体験版申込 資料請求