『私が求める「質」を語る! ~訪問看護リハビリ~』 その3

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多江 和晃 氏

2回目のラストに記したサービスの質について言及して行きます。

2回目で、精神論と言うかプライドが大切だと言う事を伝えましたが、質にもプライドが非常に大きく関わるのは間違いない

昔にこんな事があった。

大病院勤務のある看護師から「訪問看護は医療の第一線ではないから大病院勤め(都内の1000床規模の病院)の看護師に気安く就職の声を掛けないで」と言われたことがある。
医療においては大病院は、たしかに大病院は最先端だが、「肝心の看護について」は訪問看護の方が最先端だ!と言ってもおかしくない。

どちらが患者様の素の姿をとらえていて、素の姿に対してケアしているか考えたことがこの看護師はあるのだろうか?
病院という閉鎖された環境では、本来の患者様の生活している姿や思い・言葉を感じられるはずがなく、そこにアプローチもできていないくせに何が第一線の看護????だと伝えた。

そもそも看護師は医師ではない。
医療を極めてどうするといいたい。
看護を極めてこそ看護師だろ?
と、これから病院潰しが始まり、さらに看護師が病院から130万人いらなくなるという時代が到来しようとしている。
その時代が来てもまだ「第一線ではないから気軽に声を掛けないで」と言えるだろうか????
その看護師は「そうね、そういう考え方もあるのね」返答した。

上記の例で伝えたいのが、自分達の仕事への誇りを持って行くことの大切さである。
それが語られている組織に属した方がいいと言うことでもある。
こういう誇りがないと日々自分達がしている仕事に不安を覚えすぐに転職してしまう。
質も何もあったもんじゃないし、すぐに転職してしまえば、サービスの質は悪くなる。
その為、サービスの質を保つ為にもプライドを教えられ、それを実践していくことが大切である。

 

業務の質を取り巻く環境も変化して来ている。

訪問看護は
「一人だと不安、、、、いろいろ一人で判断できないから怖い、、、、」
「夜間緊急で呼ばれたくない」
というセリフを面接でよく聞く。
私たちの先輩が訪問看護は「十分な経験がないとやってはいけません」と伝えてきたことが原因であるが、そもそも私たちの先輩の年齢を考えてほしい。
おそらく携帯でグーグルマップも使えない人もいるだろう。
スマートフォンにしている人の割合も少ないと思えるような年代の人たちが「訪問看護は経験がないと」といってももはや説得力はない。
時代はICTである。

一人では不安ならムービーや写真を携帯で撮ったり、ステーションの管理者に電話で相談したり、テレビ電話だって可能だ。
昔とは違う。現に私たちのような若手が活躍していることが証拠だ。

時代とともに価値観は変化してくる。その価値観にあわせたサービスの質を今後も追求して行きたい

『私が求める「質」を語る! ~訪問看護リハビリ~』 その2

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多江 和晃 氏

身に付けるべき能力も病院と在宅とでは大きく異なる。技術のようなケアに関する専門知識や、豊かな人間性はフィールドを問わず必要だが、在宅ではさらに、訪問数の管理といったマネジメント力や自身の給料までコントロールする能力、そして必要に応じて自分たちの活動を地域に宣伝していく「アピール力」が求められる。
私はスタッフに、アピール力を身に付けて初めて、「地域専門職」と名乗ることができると話している。
この意識や必要能力への理解が質に大きく影響していると断言できる。

もっとも、病院の専門職がこうした能力を身に付けるチャンスはなかなかない。
病院に勤めていると、自らアピールしなくても患者さんは来てくれるからだ。
一方、在宅では、待っていても、地域の人々に認知されることはない。
「僕は/私はこういう人間ですよ」
「こんな資格を持っています」
「こんなことができますよ」
と自分自身をアピールしなければならない。
これができなければ患者さんを看させてもらえないので、どんなに優れた専門知識を持っていても活かしようがないのだ。

その肝心のアピール力については、最初はみんな苦手だ。
おそらくこれまでの学校でも、人生で教えられていないし、やったことないからだ。
弊社では病院しか経験がない新入職員には、たとえ入職時には十分な能力がなくても、OJTをしながら身につけていけばいい。
LEに入職するとアピール力が「なぜ必要なのか」及び実践研修などを通じて、アピール力を磨いている。

また、質の中で最も大切なのは人間力である。
人間力=相手の気持ちが理解できる思いやりの心を持ち、相手に配慮しながら行動できる人だと理解するようにしている。

そもそもこれが欠如している人は、病院・地域を問わずサービス業には向かないだろう。
人当たりのいい人間に向いているかもしれないが、【面白いもので万人受けする人間はいない。】
「利用者のAさんには受けが悪いが、Bさんには気に入られている」
といったことが往々にしてある。

私の考える質とは、技術や知識も大切であるが、人間としての共存共栄の志の高さがもっとも影響するのではないかと考える。

次回は、サービスとしての質について記していきたいと思う。

『私が求める「質」を語る! ~訪問看護リハビリ~』 その1

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多江 和晃 氏

私には、この連載のテーマである「私が求める質」ということで、訪問看護リハビリの質に関して持論を記載していきます。

訪問看護リハビリの質!
それは、まず意識改革から始まると考えている。精神論になるが、志や信念がない人、仕事に意味を持たないだけで、質は大きく下がると考えている。

その意識改革とは!
地域の専門職として、病院勤務とは180度異なる意識で仕事をしなければならないということだ。
地域に出ると、専門職の果たす役割は大きく変化することを理解する必要がある。

病院では治療を最優先にケアに当たる。一方、在宅において看護師は、「生活を支える専門職」としての役割を担わなければならない。

「生活を支える」と口で言うのは簡単だが、行動に表すことは容易ではない。
当社では、専門職は自らを「地域専門職」と名乗り、病院とはフィールドの異なる、「地域」に根ざした専門職であることを、スタッフに意識してもらいたいからだ。

そうした意識のないまま、在宅の世界に飛び込んで病院でのやり方をあてはめようとすれば、即クレーム「もう来なくていい」といった事態に陥る。
残念ながら、私はこれまでこのような専門職を何人も見てきた。

例えば、糖尿病で針を何回も同じ針を使用していた方がいたが、病院しか経験がない専門職はどう反応するだろうか?

おそらく、「あー不潔!感染対策がなってない!」と大声を上げる方も多からず少なからずあるだろう。
でも、正解な対応は「そういうやり方もあるんですね」という受容する対応が基本である。
その方の生活のあるがままを受け入れて、ラポールを築いていき、その後に初めて専門性を出したアドバイスをしていく。
これが「今までと意識を変える」という具体的なエピソードである。