「今、求められる介護リーダーの質」

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始めまして、私は介護事業運営のコンサルティング、研修講師派遣と従業員のメンタルヘルスなどを運営する会社を経営しております。

介護職員としてデビューしてから相談員、ケアマネージャー、複数のグループホームの統括経験等を経て福祉ビジネスの専門職修士を取得し、独立。早いもので22年です。
今、様々な介護事業所、施設にお伺いして、経営者、管理者、リーダー、スタッフから現状の問題についてご相談を受け現場に赴いております。
その中で私が求める質として選んだテーマは介護リーダーの質です。

 

さて、「質の高い料理」という言葉に皆さんは何を連想されますか?
「舌をうならせる味」「手の込んだ料理」「皿などの調度品を含んだ完成度」など、「質の高い料理」といっても、人のイメージには違いがありますし、求める人次第で質の評価は違うのだと私は思います。

従って、リーダーの「質」といっても様々な価値観により捉え方は違います。

私が求めるリーダーの質とは「ご利用者・ご家族様・地域の皆様・スタッフ・上司」といった利害関係者(ステークスホルダー)から求められる役割と機能を安全に快適に効率よく実践できるチームの完成度であり、その中身なのです。

従って、リーダーとは「まとめ役」のことです。
チームで効率よく働くためには、まとめ役の存在と、まとめられる側(フォロワー)の協力が必要です。

一方で、介護を必要とするクライアントは、人として自立(律)した生活を当たり前におくる権利を持っています。

介護リーダーとフォロワーは、クライアント自身が、「生きる」という活動意欲を高めることを支援するとともに、クライアントが自立した生活を送る上で生じる「生活のしづらさ」を知り、それを専門の知識や技術、人間力で分析し、当たり前の生活が出来るよう環境を整えたり、整えられるように手助けすることです。

次回は、介護リーダーを取り巻く難問と解決策について考えていきます。

井戸 和宏 氏

株式会社IDO 代表取締役

■経歴■

1993年より相模原市・横浜市の高齢者介護施設等に従事。
介護主任・相談員などを経て、横浜市の社会福祉法人、株式会社等で介護施設の統括責任者や施設長を歴任。
日本介護福祉学会・日本認知症ケア学会他、認知症ケアジャーナルなどにて実践事例研究を多数報告。
現在は、年間で延べ240事業所に対しての事業運営に関するコンサルタントとして、事業所に戦略・戦術を伝え、顧客満足度を高めるとともに定着率の改善に高い実績がある。
これらの実績に基づき、組織の健康状態を安定化させるためのオンラインシステムを開発(CAP)、社会に貢献できるよう尽力している。
講師としては認知症介護指導者養成講座、リーダー育成、その他セミナー講師などの実績多数。

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井戸 和宏

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