フェースシートの書き方、注意するべきポイントを解説

フェースシートの書き方、注意するべきポイントを解説

介護事業所や介護施設では、サービス提供の開始前に、利用者にヒアリングしてフェースシートを作成します。フェースシートは利用者の氏名や連絡先だけでなく、家族構成や職歴などの個人的な情報を記録する書類です。作成する目的には大きく分けて、利用者情報の職員間での共有、ケアプラン作成の際の参考資料のふたつが挙げられます。目的を理解し活用するためには、フェースシートの書き方にも注意が必要です。また、フェースシートは個人情報のため、事業所では取り扱いに十分に気をつけなければいけません。
本記事では、フェースシートの書き方から適切な保管方法まで詳しく解説します。

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フェースシートとは

フェースシートとは、介護施設で作成するフェースシートとは、介護施設やサービスを利用する人のプロフィールを記載したシートのことです。
記入項目には特に決まりがなく、一般的には氏名、年齢、住所などの基本情報のほか、家族構成、職業、生活歴、かかりつけ医、既往歴などを記録します。
フェースシートとよく似たシートにアセスメントシートがあります。アセスメントシートは、利用者の情報だけでなく、利用者に「どのようなサービスが必要か」、「そのサービスは利用者に最適か」などを記入する書類です。
項目の指定がないフェースシートとは異なり、アセスメントシートには、厚生労働省が指定する23の課題分析標準項目を記載しなければいけません。
つまり、フェースシートとアセスメントシートでは、重複する記入項目もありますが、使用する目的が違うのです。

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フェースシートの目的

フェースシートの作成は義務化されていないにもかかわらず、なぜ作成の必要があるのでしょうか。フェースシートの目的について確認しておきましょう。

介護職員間の情報共有

利用者の家族構成や職歴などは、介護するうえで重要な情報です。利用者と介護者の間には信頼関係が必要不可欠であり、それを構築する際の手がかりとして、フェースシートの情報が大いに役立つからです。
また、信頼関係構築のためとはいえ、「以前はどんな仕事をされていたのですか?」や、「お子さんはいらっしゃいますか?」と同じ質問を何度もすると、利用者がストレスを感じる可能性があります。
介護職員があらかじめフェースシートを読み、利用者の職歴や家族関係を確認しておくと、会話がスムーズに進むでしょう。自分のことをきちんと認識している職員だとわかるため、利用者の安心感にもつながります。

ケアプラン作成の参考資料

フェースシートのもうひとつの目的は、ケアプラン作成の参考資料としての活用です。フェースシートの情報は、利用者にどのようなケアプランが必要か、どのようなサービスを本人は望んでいるのかを考える指針となります。
また、ケアマネジャーはフェースシートに記載されている家族構成をもとに、家族はどれくらいの割合で介護に携われるのかを把握できます。家族に無理のない介護サービスプランの提案につながるのです。

フェースシートの項目

フェースシートには利用者の経歴、生活歴などを記載したカルテや履歴書のような役割があります。先述のとおり、決まった様式はなく、必須記載項目もありません。
ここでは、一般的に多くの事業所でヒアリングする項目について紹介します。

  • 利用者の基本情報
    氏名、年齢、生年月日、住所、電話番号
  • 家族構成
    家族の氏名、年齢、生年月日、住所、電話番号
  • 緊急連絡先
    キーパーソン、2番目、3番目の緊急連絡先の電話番号、氏名、年齢、住所、続柄
  • 面談内容
    本人はどのような生活をしたいのか、家族はどのような介護を希望しているのか、困っていることや悩みなど
  • 利用者の経歴
    生活してきた場所、生活環境、家族との関係性、性格、職歴、健康状態、趣味
  • 介護保険証・要介護認定
    介護保険証の番号、要介護認定区分、利用者負担割合、有効期限
  • 後期高齢者医療保険(75歳以上)
    後期高齢者医療保険の一部負担金割合、高額介護サービスの利用者負担割合
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フェースシート作成の注意点

利用者に事業所のサービスを提供するうえでかかせないフェースシートですが、作成する際にはいくつかの注意点があります。

わかりやすい言葉で書く

フェースシートは介護職員だけでなく、医師、ケアマネジャーなど外部の人も閲覧します。施設内のみで通じる特有の用語、略称は使用せず、わかりやすい言葉で書きましょう。文字の羅列は読みにくいため、箇条書き、図、イラストを活用し、余白を意識してまとめると、見た目も読みやすく、わかりやすいフェースシートになります。

空欄項目を残さない

フェースシートに規定する、すべての項目についてもれなく記載する必要があります。未記入欄があると、必要なときに必要な情報を確認できないかもしれません。
そのため、すべての項目を埋めておかないと、必要なときに必要な情報が確認できず、結局、意味のないものになってしまいます。
担当者は本人や家族からしっかりヒアリングし、すべての項目を丁寧に埋めましょう。運営管理者も、フェースシートを作成するための面談の際は、時間に余裕を持ったスケジュールを組み、「時間はかかってもいいので、すべての項目を丁寧に埋めるようしてください」と指示を出しましょう。
フェースシートは利用者のことを知るための大切な書類です。フェースシートをきちんと作成すれば、事業所が提供するサービスを適切に選ぶことができるため、利用者の顧客満足度の向上にもつながります。

家族構成はジェノグラムを使う

利用者を支える家族構成は、介護やケアプランを考えるうえで大切なポイントです。多くの施設では、ジェノグラムという方法で家族構成を記載しています。この方法を使うと家族構成が可視化できるので、以下の見本を参考にしてみてください。
ジェノグラムでは一般的に□は男性、〇は女性を表します。また、●は死亡した人を指します。利用者本人は二重線で描き、図形内の数字は年齢を記載するというルールです。 上の図を解説すると、「利用者は78歳の男性、妻は死亡、50歳の娘がいる」となります。

聞きにくいことも確認しておく

フェースシート作成時、利用者に離婚歴がある、子どもが疎遠など、事業所としてはかなりプライベートな部分にまで踏み込んだ質問をしないといけない場面があります。本人や家族は介護にどれくらいの費用をかけることが可能なのかを把握するために、家族の年収、経済状態などをヒアリングすることもあるでしょう。利用者や家族にとって話したくない内容、話しにくいことも、フェースシート作成時にはきちんとヒアリングし、記録として残しておく必要があります。その際にはセンシティブな質問となるため、細心の注意を払い、言葉選びや態度には注意しましょう。

最新の情報を書く

フェースシートの情報は常に最新の状態にしておくことが重要です。サービス提供の開始後も定期的に見直し、内容に変更が生じた場合は、速やかに情報を更新できる体制を構築しましょう。特に家族の連絡先や主治医の情報は重要です。緊急時に最新情報ではないと、すぐに連絡がつかず大変な事態になりかねません。このふたつは特に変更があった場合に速やかに連絡してもらうよう、利用者や家族に依頼しましょう。

フェースシートの管理方法

フェースシートは個人情報が記載されている重要書類となるため、取り扱いには注意しなければなりません。事業所の運営管理者はこの点を考慮し、フェースシートを利用する際の手順や注意点などを職員に周知徹底しましょう。情報漏えいがないように注意喚起するメールや、口頭での注意を定期的に行うことも大切です。
情報漏えいが発覚すれば、事業所として社会的責任が問われ、施設の信用にかかわる問題に発展します。運営者は常に意識し、管理を徹底しなければいけません。
また、フェースシートは介護サービス終了後も2年間の保管が義務づけられています。以下、フェースシートを管理する際に注意するべきポイントをまとめてみました。

施錠

フェースシートが紙の書類の場合、施錠できるキャビネットに保管します。電子管理している場合は、パスワードをかけてセキュリティを強化することが大切です。運営責任者は施錠後の鍵の保管方法や、パスワードの定期的変更などの管理を徹底しましょう。

施設外持ち出し禁止

原則、フェースシートは施設外への持ち出しは禁止です。持ち出す必要がある場合は、上長の承認を受けてから、該当する利用者のフェースシートだけを持ち出すようにしましょう。

メール送信時のパスワード

ケアマネジャー、医師などに添付ファイルとしてフェースシートを送信する際は、必ずファイルにパスワードをかけて送りましょう。フェースシートを添付するメールと、パスワードを知らせるメールは別々に送信することが大原則です。

上記の注意点を踏まえ、介護職員がフェースシートを扱う際には上長に許可を取る、持ち出し用のノートに名前や時間を記載するなど、事業所のルールを規定し運用するとよいでしょう。

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フェースシートを活用して利用者や家族が満足できるサービスを提供

利用者の情報が記載されているフェースシートは、利用者や家族が満足できるサービスを提供する際の大切な情報源です。これらのデータを有効活用するためには、正確な情報をしっかり記録しておくことが重要です。また、フェースシートには個人情報が記載されているため、運営責任者は管理体制の強化を常に心がけましょう。

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