就労支援A型事業所が閉鎖する原因とは?倒産しないための方法も徹底解説

就労支援A型事業所が閉鎖する原因とは?倒産しないための方法も徹底解説

近年、就労支援A型事業所の閉鎖や倒産が増加しており、利用者や従業員、そして事業所運営者にとって深刻な問題となっています。本記事では、就労支援A型事業所が直面している課題を詳しく分析し、閉鎖や倒産を回避するための具体的な方策を提案します。
さらに、事業所の運営効率を向上させるためのツールの一つとして、介護ソフトの活用事例も紹介します。厳しい経営環境の中で、どのように事業を継続し、発展させていくべきか、その道筋を探っていきましょう。

就労支援事業所の現状

就労支援事業所、特にA型事業所を取り巻く環境は厳しさを増しています。共同通信の調査によると、2024年の3月~7月までに全国329カ所の事業所が閉鎖となり、働いていた障害者の方が少なくとも5,000人以上は解雇・退職を余儀なくされています。

この329カ所のうち約4割強の事業所は最低賃金が反映されないB型事業所に移行したと報道されました。

この背景には、制度の変更や事業所運営の難しさなどが複合的に絡み合っています。多くの事業所が経営の継続に苦心する中、サービスの質を維持しながら安定した運営を行うことが喫緊の課題となっています。

2024年度の報酬改定が要因

2024年度に実施された障害福祉サービス等報酬改定により、就労支援A型事業所では、連続で生産活動収支がマイナスの場合は-10点~-20点と評価されてしまうなど、基本報酬に関わる部分が厳格化されています。

この改定により、生産性を確保できない多くの事業所では、安定的な収入が減少してしまい経営を圧迫しています。特に、小規模な事業所や地方の事業所にとっては、この変更が致命的な打撃となりかねません。

このような基本報酬厳格化に対応するため、事業所は業務効率の向上や新たな収益源の確保を迫られており、従来のビジネスモデルの見直しが急務となっています。

就労支援事業所の倒産・閉鎖理由

就労支援事業所、特にA型事業所の倒産や閉鎖には、複数の要因が絡み合っています。主な理由として、上述したような加算状況の悪化や人材不足、利用者の獲得難などが挙げられます。これらの問題は密接に関連しており、一つの問題が他の問題を引き起こす悪循環に陥りやすい構造となっています。事業所の持続可能な運営のためには、これらの課題に総合的に取り組む必要があります。

加算状況の悪化

加算の取得状況は、就労支援A型事業所の収益に大きな影響を与えるため、今回の報酬改定のように、加算状況が悪化した結果、倒産が相次ぎました。

多くの加算を取得するためには、生産活動の収支の黒字化や労働時間の長時間化など、事業所によっては厳しい基準を満たす必要があります。しかし、これらの基準を達成することは、事業所の努力だけでなく、経済状況や地域の雇用環境にも左右されるため、安定的な加算の確保がより一層難しくなっています。

従業員の人材不足

就労支援A型事業所において、質の高い支援員や職業指導員の確保は重要な課題です。福祉医療機構の調査によると、障害福祉サービス事業所のうち職員の充足状況について「不足している」と答えた事業所は52.6%だったことがわかりました。これにより多くの事業所では人材不足に陥っていることが予想されます。

人材不足は、サービスの質の低下や既存スタッフの負担増加につながり、最終的には事業所の運営に深刻な影響を与えかねません。

また、人員配置基準の観点からも定められた人数を雇用する必要があるため、一定以上の人員がいなければ事業所として運営が難しくなってしまいます。さらに専門知識を持つ人材の育成には時間とコストがかかるため、人材確保と育成のバランスを取ることが経営上の大きな課題となっています。

利用者が集まらない

人材不足に加えて利用者の獲得難は、多くの就労支援A型事業所が直面している重大な問題です。

利用者が集まらないことは、事業所の収入減少に直結し、固定費を賄えなくなるなどのリスクを高めてしまいます。

A型事業所はその数も多く、定員に達している事業所も多くはありません。

この背景には、地域ごとの需給バランスの偏りや、利用者のニーズと事業所が提供するサービスのミスマッチがあると考えられます。

就労支援事業所の倒産・閉鎖を回避する方法

就労支援A型事業所の倒産や閉鎖を回避するためには、多角的なアプローチが必要です。ここでは、業務内容の見直し、事業形態の変更、積極的な集客活動、そして介護ソフトの活用という4つの方策を詳しく解説します。これらの方法を組み合わせることで、事業の継続性を高め、サービスの質を向上させることが可能となります。

業務内容を見直す

業務内容の見直しは、就労支援A型事業所の生産性向上と利用者満足度、人材不足の改善につながる重要な施策です。

具体的には、以下のような取り組みが効果的です。

高付加価値な業務への転換(例:データ入力からWebデザインへ)

生産活動の収支を黒字化するには、販売する製品やサービスの単価を従来よりも引き上げた高単価商品の開発が求められます。そのため、高付加価値な業務への転換も倒産・閉鎖を回避する方法の一手です。

作業工程の効率化とマニュアル化

作業工程の効率化やマニュアル化することで、より少ない作業で多くの利益を生み出すことにつながります。また、業務効率化を行うことで作業負担の軽減を図ることができ、従業員や利用者の満足度向上につながりやすいため、人材不足の解消につながるでしょう。

このように業務内容を見直すことで、高収益・人員確保につながるため、早急に対応しましょう。

B型に移行する

A型事業所からB型事業所への移行は、経営難を打開するための一つの選択肢です。B型事業所は、A型と比較して運営基準が緩和されており、以下のようなメリットがあります。

  • 最低賃金支払いの義務がない
  • 利用者の障害特性に合わせた柔軟な支援が可能

B型に移行することで、利用者に支払うコストを軽減できるため、生産活動を黒字化しやすく経営状況を改善しやすいでしょう。ただし、移行に際しては利用者や関係機関との十分な協議が必要であり、サービスの質を維持しながら段階的に進めるこが求められるため、安易な移行はお勧めしません。

集客活動に力を入れる

効果的な集客活動は、利用者数の増加や人員確保、事業所の安定運営につながります。

以下のようなポイントを意識しましょう。

  • SNSやホームページを活用した情報発信
  • 地域の特別支援学校や医療機関との連携強化
  • 体験利用の積極的な受け入れ
  • 利用者やその家族向けのセミナーや見学会の開催

ただし、単に集客活動を行うのではなく、事業所の特色や強みを明確に打ち出し、適切なマッチングを行うことが重要です。

介護ソフトを活用する

介護ソフトを導入することで、業務効率化を図ることができます。煩雑な勤怠管理や工賃の計算、ほかにもさまざまな報告書などの作成を効率的に作成でき、業務負担の軽減につながります。このように業務効率化を図ることで、従業員や利用者の満足度向上も期待でき、人材不足の解消につながります。また、業務効率化による生産性の向上により、事業所の価値向上にもつながるでしょう。

介護ソフトを導入した事業所では、業務効率化を実現でき、さまざまなメリットを享受できた事例があります。

介護ソフトの活用事例

介護ソフトを活用することで、業務効率化を実現できた事例を紹介します。

株式会社千歳 様

居宅介護支援や訪問介護のほか、就労継続支援事業も行う株式会社千歳様では、2008年の会社体制変更に伴い、”介舟ファミリー”を採用しました。

介舟ファミリーを導入した結果、請求業務での残業がほとんどなくなり、業務効率が50%もアップしました。月初の請求業務は、平均4時間の残業をしても、10日の締め切りまでかかっていましたが、 介舟ファミリーを導入したことで、5日ぐらいで終わるようになりました。

一般社団法人あいのて 様

放課後等デイサービス・児童発達支援や就労継続支援B型・生活介護などの事業を行う一般社団法人あいのて様では、もともとは他社の介護ソフトを使用されていましたが。固定されたPCでしか使えないことや、アップデートが頻繁にあり、乗り換えを決意。クラウドで管理できて、機能面でも使いやすく入力がしやすいという介舟ファミリーに魅力を感じ、導入しました。

介舟ファミリーを導入した結果、場所を選ばす作業が出来るようになったことと、PCも限定されないため複数のPCで同時に作業ができるようになり、大幅に作業効率がUPしました。介護ソフトの機能面や使いやすさに加え、サポートセンターへのつながりやすさや、営業担当の方が手厚くサポートしてくれることにも、さらに魅力を感じておられます。

介護ソフトを活用して働きやすい環境を整えよう

就労支援A型事業所を取り巻く環境は厳しさを増していますが、適切な対策を講じることで倒産や閉鎖のリスクを軽減し、持続可能な運営を実現することが可能です。本記事で紹介した、業務内容の見直しやB型への意向、積極的な集客活動、そして介護ソフトの活用を、各事業所の状況に応じて適切に組み合わせることが重要です。

特に、介護ソフトを活用することで、大幅な業務効率化を図ることができ、人員確保や事業所の競争力強化にもつながるでしょう。

介舟ファミリーでは、障害福祉サービスの計画業務や請求業務などあらゆる業務の効率化をサポートします。また、直感的で使いやすく、サポートも充実しているため安心して利用できます。ぜひ、一度ご相談ください。

介舟ファミリーは、介護と障害者福祉の両制度に対応し、事業所が必要な機能を標準で提供しています。包括的なサポート体制があり、初めての利用でも安心して導入できます。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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