【食材費対応策4選】高騰する介護施設の食材費の要因とは?対応策もあわせて解説 Posted on 2025年4月2日2025年4月2日 by kaida 【食材費対応策4選】高騰する介護施設の食材費の要因とは?対応策もあわせて解説 ICT活用資料 無料ダウンロード→ HOME > 食材費 介護施設の運営において、食事の提供は入居者の健康と生活の質を維持する上で最も重要なサービスの一つです。しかし、近年の物価高騰により、多くの介護施設が食材費の上昇に直面しています。厚生労働省の報告によると、2024年10月時点で食料品の消費者物価指数は前年同月比で3.5%上昇しました。この影響を受け、介護施設の食材費も増加し、施設運営における大きな負担や課題となっています。本記事では、介護施設における食材費高騰の背景と要因を分析し、具体的な対応策について解説します。 参考:介護サービス事業所・施設等への支援に関する 「重点支援地方交付金」等の更なる活用について|厚生労働省 介護施設における食材費高騰の現状 全国老人福祉施設協議会の調査によると、特別養護老人ホームにおける2024年6月時点の利用者一人一日あたりの食費は1,753.8円(食材費918.7円、調理員人件費835.1円)となっており、2022年6月と比較して91.0円の増加が報告されています。一方で、食費の基準費用額は2021年8月以降1,445円のまま据え置かれている状態です。しかし施設の54.2%が基準費用額と同額の1,445円に利用者負担を設定しており、増加分を価格転嫁できていないため、平均的な特養での試算では、給食関連の収支が月額約57万円の赤字となっているのが実態です。 引用:特養の食費に対する物価高騰の影響|公益社団法人全国老人福祉施設協議会 上図のように給食業務を委託する外部委託先からは値上げ要求が増加傾向にあり、多くの事業所で値上げ要求に応じています。ただ先述したように利用者負担は変わらないため、多くの事業所でコストのみが高くなっており、収支差率に影響を及ぼしています。栄養士からは「献立の幅が狭まっている」「栄養リスクを危惧する」との声が上がり、利用者からも食事の質の低下を指摘する声が寄せられています。 参考:食費の基準費用額の見直しにかかる要望|公益社団法人 全国老人福祉施設協議会 食材費高騰の要因 介護施設における食材費高騰の要因としては以下が考えられます。原材料物流費人件費介護施設における食材費高騰の背景には、複数の要因が重なっています。第一に、原材料価格の上昇が挙げられます。異常気象による農作物の不作や、国際情勢の悪化による小麦・油脂類の流通停滞により、基礎的な食材の価格が軒並み上昇しています。特に日本は食料自給率が低く、輸入に依存する食材が多いことも価格上昇に拍車をかけている原因となります。第二に、物流費・人件費の上昇です。輸送費は物流費全体の大きな割合を占めていますが、原油価格の高騰やドライバー不足による人件費増加により上昇を続けています。さらに、介護施設特有の課題として、きめ細かな食事対応による多品種小ロット化が進み、これも物流コストを押し上げる要因と考えられています。上記3つの要因により、2024年11月の消費者物価指数の食料では2021年と比較して約21%も増加しています。さらに下の図のように、食料にかかる費用は高騰しつづけており、今後も食材費の上昇が予想されています。 参考:介護サービス事業所・施設等への支援に関する 「重点支援地方交付金」等の更なる活用について|厚生労働省 食材費高騰対応策4選 高騰を続ける食材費に対して介護施設はどのような方策を実施するとよいでしょうか。多くの事業所では以下の図のような対応策が実施されています。 参考:介護サービス事業所・施設等への支援に関する 「重点支援地方交付金」等の更なる活用について|厚生労働省 補助金制度を活用する 最初に行うべき対応策としては、各自治体の窓口に相談し、補助金制度の積極的な活用がおすすめです。食材費高騰の影響を軽減することができ、食材の質を維持しながら、安定した食事サービスを提供することが可能です。現在、介護施設の食材費高騰に対して、重点支援地方交付金による支援策が強化されています。令和5年度の実績では、入所・居住系サービス施設において定員・利用者数あたり最大で約22,000円(1日あたり約60円)の補助、上位25%でも約9,000円の補助(1日あたり約25円)が行われており、具体的な支援効果が示されています。収益改善にもつながるため、ぜひ積極的な活用を検討してみましょう。現在の交付金の支援対象は入所・居住系ですが、今後通所系や多機能系サービス事業所にも拡大する可能性があります。 参考:介護サービス事業所・施設等への支援に関する「重点支援地方交付金」等の更なる活用について(食材料費への対応)|厚生労働省 介護事業の補助金制度について詳しくは、以下のコラムをご覧ください。 あわせて読みたい 【最新版】介護施設の補助金・助成金を紹介!開業や設備導入などさまざまなシーン別に解説 使用食材の仕入れ先の変更や品数の変更を検討する 次に、食材の仕入れや品数の変更が効果的です。特に食材の仕入れ先の変更は、2024年度に食材費高騰の対応策として多くの事業所で行われています。できるだけ安価で品質の良い取引業者に変更することで食材費を抑えつつサービスの質を維持できます。また、品数の変更を検討することも有効です。朝食の副菜を3品から2品に減らす、あるいは季節の食材を活かしたメニュー構成に変更することで、提供する料理の総数は維持しながらも食材の無駄を減らせます。さらに食材費が高くなりがちな生鮮食品の頻度を抑え、比較的安価な冷凍食品などに変更することもおすすめです。下の図における、全国老施協の2023年度と2024年度の比較調査によると、果物や魚類、野菜など生鮮食品関連の使用頻度が下がっており、冷凍食品・野菜などの頻度が上がっていることがわかります。しかし、食事の質や利用者の満足度を維持するため、行事食などでメリハリをつけた食材選びを心がけることが重要です。ほかにもまとめ買いによるボリュームディスカウントの活用や、値上がり前の一括購入、取引業者との価格交渉などを通じて食材費を抑制することができます。 参考:介護サービス事業所・施設等への支援に関する「重点支援地方交付金」等の更なる活用について(食材料費への対応)|厚生労働省 発注管理を厳格にする 食材費高騰に対応するため、発注・在庫管理の厳格化が重要です。多くの施設が発注数管理や在庫管理の徹底を通じてコスト削減に取り組んでいます。具体的には、使用量の正確な把握と適切な発注量の設定、在庫の消費期限管理の徹底、食材の使い切りの工夫などが挙げられます。また、栄養士や調理員だけでなく、介護職員とも価格情報を共有し、施設全体で節約意識を高めることで、より効果的な発注管理が可能となります。こうした取り組みは、食材のロスを減らし、コスト削減につながる重要な対策となっています。 事業所全体にかかるコストを見直す 最後に食材費高騰への対応策として、食材関連コストだけでなく、事業所全体の業務フローを見直すことでさらなるコスト削減が可能です。まず、重複している業務プロセスや非効率な作業手順を洗い出し、効率化を図ることで人件費や時間的コストを削減できます。特に、従来の紙ベースの記録や申請手続きをデジタル化することで、印刷費や保管スペースの削減、作業時間の短縮が期待できます。また、定期的に契約している各種サービスやリース契約の見直しを行い、不要なものや重複しているものを整理することで、固定費の削減にもつながります。このような包括的なコスト見直しは、食材費高騰の影響を緩和する有効な対策となります。介護施設の効率化について詳しくは以下のコラムをご覧ください。 あわせて読みたい 介護現場の効率化を図る重要性とメリット、具体的な手法について徹底解説 介護施設にかかる食材費の今後 食材費の高騰は一時的な現象ではなく、国際情勢や円安の影響により、今後も継続する可能性が高いと予測されています。この状況を受けて、全国老人福祉施設協議会は2025年1月、厚生労働省老健局長へ要望書を提出し、食費の基準費用額を次期報酬改定を待たずに309円引き上げることや、賃金・物価スライドの仕組みの導入を求めています。しかし、制度改正には時間を要することから、各施設では引き続き独自の対策が必要となります。例えば仕入れ方法の工夫、発注管理の徹底、調理方法の見直しなど、できることから着実に取り組むことが重要です。ただし、これらのコスト削減は食事の質や利用者の満足度を損なわないよう、バランスを取りながら進める必要があります。今後は補助金の活用や業務効率化など、総合的な経営改善策と組み合わせることで、持続可能な食事サービスの提供を目指すことが求められます。 高騰し続ける食材費に対応するべくコスト削減に取り組もう 介護施設における食材費高騰は、さまざまな要因により今後も継続する可能性が高いです。そこで、食材費高騰に対して本記事で述べたように補助金の活用、仕入れ方法の見直し、発注管理の徹底など、さまざまな対策に取り組みましょう。さらに、業務フローの見直しや不要なコストの削減など、事業所全体での経営改善も重要です。食事の質を維持しながら持続可能な運営を実現するには、現場レベルでの創意工夫と、経営レベルでの包括的な改善策の両方が必要となります。この機会を活用して、施設全体のコスト構造を見直し、より効率的な運営体制の構築を目指しましょう。 介舟ファミリーは、介護と障害者福祉の両制度に対応し、事業所が必要な機能を標準で提供しています。包括的なサポート体制があり、初めての利用でも安心して導入できます。どうぞお気軽にお問い合わせください。 無料体験はこちら 資料ダウンロード 関連コラム 【参考になる!】介護職員の個人目標の具体例を紹介!目標設定の手順やコツも詳しく解説 2025年1月7日 障害者支援におけるモニタリングの重要性と正しい書き方を徹底解説! 2023年4月27日 介護施設の夜勤体制とは?現状と業務軽減のための対策について解説 2024年4月24日 他のコラムを探す カテゴリーで探す 介護職 介護の質 関連法・制度 機器 組織 \「介舟ファミリー」にご興味がある方はこちら/ お問合せはこちら 無料体験はこちら 資料ダウンロード