質ってなんだろう?

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石井 理絵 氏

埼玉日産自動車(株)営業

「質」という言葉を耳にしますが、品質や材質だけでなく、私の生活のなかにはどんな「質」があるのかを改めて考えていきます。

私は自動車ディーラーの販売員です。
現在の自動車販売業界ではCS(Customer Satisfaction)顧客満足に力を注いでいます。
CSとは、商品やサービスを得るときに抱いていた「期待」と実際に獲得した「結果」の差です。
その差が大きいほど満足度は高くなります。

私が入社した15年前に比べると、明らかにCSに対する取り組み方が変化しています。
その背景には車離れの加速に加え、価格競争の激化があります。

単なる値下げだけでは顧客の確保や利益を維持することが難しい状況にあるからです。
例えば、売り手市場であった以前ならばお客様自身が進んで自動車を購入するためにご来店頂けました。
しかし、買い手市場の現在は選択肢も多様化しており、以前のような「待ちの営業」というようなスタイルは通用しません。
こちらから積極的に購買意欲を駆り立たせるようなマーケティング戦略に加え、ご購入に導くエンディングストーリーの構築を個人だけでなくチーム単位で行わなければなりません。

そこで激変する市場のなか、私は「質」=「顧客満足」を高めることが大切であると考えています。

お客様が自動車の購入を考えた時、どんな車があるのか、何色があるのか、機能面はどうなのかと、様々な要素を熟考したうえでご来店されることでしょう。
しかし、お客様のプランニングに添えるかどうかは営業員の対応次第です。
対応に不備があれば店舗だけでなく、日産というブランドに対するイメージも悪くなってしまいます。

そこで初対面のお客様には、商談に入る前に趣味の話やご家族の話など、他愛もない世間話をするようにしています。
すぐにセールストークに入ってしまってはお客様の気分を害してしまうからです。
そうすることで警戒心を取り払い、フラットな感情で商談に入ることができます。

お客様のご要望を引き出し、寄り添った提案をすることが質を高めることにつながるのではないでしょうか。

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