個別援助技術はアート(芸術)である

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藤野 雅一 氏

もちろん介護・福祉の質を上げるためには介護の技術や専門知識は必須です。
理論無き実践は蛮行を招き、実践無き理論は空虚であるからです。

「個別援助技術はアート(芸術)である。」
これは、社会福祉学者S.バワーズの言葉です。
バワーズは「個別援助技術は、利用者とその環境の全体またはその一部との間によりよい適応をもたらすのに役立つような個人の内的な力及び社会資源を動員するために、人間関係についての科学的知識と対人関係における技能を活用するアート(芸術)」としました。 
バワーズは「個別援助技術はアートか、方法か、プロセスか」と問題提起し、
結論として「個別援助技術には過程と方法を含むが、それ以上の何ものかがある。」と示唆しました。
バワーズはそれを「創造的なもの」と捉え、それにふさわしい言葉としてアートを使ったのです。

私たちの携わっている仕事は、世間一般的には排せつや入浴、食事のお世話をしたり困りごとの相談にのったりと多岐にわたります。
勤務先を聞かれて「介護業界で働いている」と返答した時に「えらいわねぇ…」と、いろいろな含みを持たせているんだろうなと言ったリアクションが返ってきた、というような体験をしている人が、少なからずいるのではないでしょうか。
それはきっと、私たちの仕事が高い専門性を持って対応する専門職として世間に認知されていないことからであると考えています。
直接介護にせよ相談業務にせよ、私たちの仕事は対象者の快適で豊かな生活のために様々な技術や技法を活用して対応する極めて専門性の高い職種なのです。

より良い信頼関係を築き、良い援助関係を構築する為に私たちは日ごろ様々な創意工夫をしているはずです。
それはまさに創造でありアートなのです。
私たちが私たちの仕事の本質がアートであるという自負を持ちそれを広く一般に知らしめる様活動することが介護・福祉の質の向上につながると思うのです。

藤野 雅一

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