はじめまして。株式会社Qship(キューシップ)代表・介護福祉士の梅本聡です。
本コラムのテーマは「介護の質」ですが、質を考えるその前に、そもそも「介護」って何なんでしょうか。
質を問うにしろ、追求するにしろ、そこには「ものさし」が必要で、そのものさしは軸が定まっている必要があると僕は思っています。
ということで第1回の今回は、「介護とは何か?」を確認してみたいと思います。
ちなみに、僕が27年の実務のほとんどを経験させてもらっている高齢者介護には介護保険法や関連法が定められ、法に基づいた運営や実践が求められていますので、法を基に確認してみます。
国が定めた介護保険法は第一条に、「尊厳の保持」と「有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように」を目的として掲げています。
また、社会福祉法の基本的理念にも同じ法文が含まれています。
そこには、介護業界でよく耳にする「寄り添う(ケア)」や「その人らしく」といった響きが良く、介護施設・事業所の理念等にもよく使われる言葉たちは見当たりません。
いわば、「介護とは何か?」の問いの答えは、「寄り添う(ケア)」でも「その人らしく」でもなく、法に掲げられていることを踏まえれば、
- 「尊厳を保持する」こと
- 「有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう支援する」こと
であると考えるのが自然です。
さらに、社会福祉士及び介護福祉士法(第四十四条の二)と精神保健福祉士法(第三十八条の二)に規定される誠実義務にも「個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、常にその者の立場に立つて、誠実にその業務を行わなければならない」とあります。
私たち支援専門職の仕事の軸も、介護とは何か?の答えと同じであることがわかります。そして、支援のプロの仕事は、「お世話」ではないということも。
第2回に続きます。
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