介舟ファミリー
介護ソフト・障害者福祉ソフト
介護業界では、慢性的な人材不足に悩まされてきました。そこで、近年注目を浴びているのが、介護DXです。介護DXは人材不足の問題解決や、業務効率化にも役立つといわれています。しかし、介護DXという言葉を初めて聞いた人も多いのではないでしょうか。この記事では、DXとは何か、またDXが介護業界にもたらす影響やメリット・デメリットを詳しく解説します。
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DX(デジタルトランスフォーメーション)は、日本では一般的にデジタル技術を用いることで生活やビジネスそのものが変化することと解釈されています。経済産業省ではDX推進ガイドラインを発表しており、国も企業のDXを進めているのが現状です。
DXを語る際によく用いられる言葉に、ITやIoT、ICTがあります。ITはICTと同じ意味合いで、国際的にはITのことをICTと表現します。IoTは、モノがインターネットとつながる仕組みや技術のことを指し、ウェアラブルデバイスなどが該当します。
では、DXとIT化は何が違うのでしょうか。DXとIT化の違いは、デジタル技術を活用することで得られる変化の違いです。IT化とは、デジタル技術を使って既存のプロセスを効率化することです。つまりIT化とは、デジタル技術を手段として活用します。一方のDXは、デジタル技術を活用することで、サービスやビジネスモデルの変容を目指します。そのため、DXにとってデジタル技術の活用は目的であり、DXはIT化の先にあるものです。変化の違いでいえば、業務プロセスの効率化を目指すIT化は量的変化、サービスやビジネスモデルの変容を目指すDXは質的変化といえるでしょう。
介護現場にDXが求められる理由には、介護業界の深刻な人材不足があげられます。人材不足の原因となっているのが、加速する少子高齢化です。
生産活動の中心となる15歳以上65歳未満の生産年齢人口は、1995年の8,716万人をピークに減少し続け、2020年には7,509万人となりました。今後も減少は止まらず、2050年には5,275万人になると推測されています。一方、高齢化は急速に進んでおり、高齢化率(65歳以上人口が総人口に占める割合)が2005年に20%を超えて以降、日本は世界でもっとも高齢化率の高い国となりました。高齢者人口は今後も増加し、団塊世代が全員75歳以上になる2025年には3,677万人になると予想されています。
高齢者が増大するということは、介護需要が高まるということです。しかし、高齢者を支える現役世代人口はすでに減少の一途をたどっており、介護人口は圧倒的に不足しています。このまま人材不足が続けば、介護現場の職員は疲弊してしまうでしょう。そこで注目されているのが、介護現場のDXです。介護現場でDXを推進すれば、業務を効率化でき、現場職員の負担を軽減することが期待できます。
DXを推進することによってどのようなメリットや効果が期待できるのでしょうか。介護職員、そして経営者の立場から見てみましょう。
介護DXを進めることにより、煩雑な事務作業をペーパーレス化し、オンラインでの作業が可能となることで、業務を効率化できます。その結果、介護業務に専念できる時間が増え、サービスの質の向上が図れます。
職員がどこにいても利用者の情報共有が可能になります。例えば、インカムを導入することで、離れた場所にいる職員同士がリアルタイムで利用者の状況を伝えあうことができます。また、上述の介護ソフトの機能を活用して、外出先で記録をつけたり、オンラインで情報のやりとりをしたりすることも可能です。
LIFE(科学的介護情報システム)は入力が煩雑という声も上がっています。しかし、介護DXにおけるLIFEの活用は、高齢者の健康状態の把握と個別化されたケアの提供を効果的に行うための重要な手段です。データの活用により、効率的で質の高い介護が実現され、利用者の生活をより良く支えられることができます。 LIFEデータを、単なる加算取得のためだけに使用するのではなく、利用者により喜ばれるサービスに役立てましょう。
LIFEについて詳しく知りたい方は、「科学的介護情報システム(LIFE)とLIFE加算をわかりやすく解説!」のコラム参考にしてみてください。
業務が効率化した分のマンパワーが不要となるため、人材不足の解消につながります。例えば、レクリエーションに活用できる介護ロボットを導入して、介護職員の業務負荷を軽減することが可能です。また、介護にかかる事務作業を効率化する介護ソフトの導入により、多くの人手が必要ではなくなれば、既存の人材で介護業務を回すことができるようになります。
例えば、これまで対面で行っていた会議やヒアリングをオンライン化することで、移動時間をなくせます。その分の時間を使って業務を遂行すれば、残業を減らすことができます。また、日ごろからオンラインを活用していると、感染症が流行した際も、遠隔でのコミュニケーションがスムーズに行えるでしょう。オンライン化を進めた事業所は在宅勤務にも対応しているため、人材採用においても有利です。働きやすい環境づくりは職員の満足度を高め、離職率の低下にもつながるでしょう。
事業所内の文書を紙で管理している場合、過去の記録を探すためには大量の書類を見直す必要があり、時間的ロスが発生します。介護DXを進めることで、モニタリングシートやケース記録などは一度入力するだけでデータとして蓄積できます。しかも、パソコンで一元管理するため、過去の記録を検索するのも簡単です。入力時間の節約だけではなく、いつでも利用者の履歴を確認できるため、利用者のサービスを見直す際、過去のサービス内容と比較検討して最適なサービスを提案できるようになります。利用者の満足度が向上するとともに、事業所の評判も向上することが期待できます。
介護ソフトを導入すると、タブレットやスマートフォンを使って介護記録を現場で入力できます。管理者が、現場の状況をほぼリアルタイムで確認できるため、トラブルが発生した際にもすぐに対応が可能です。その結果、「緊急事態にもすぐに対応してくれる事業所」と認知され、利用者の家族からの信頼も高まるでしょう。また、ケアマネジャーや医師から問い合わせがあった場合も、迅速に正確な情報を伝達できます。
そんな方は、介護ソフトを選ぶときのポイントを、特徴とともに解説している以下資料を参考にしてみてください。
介護業界では、すでに介護DXを推進している事業所もあります。どのような推進方法があるのか、具体例を見てみましょう。
介護ソフトは、記録作成やレセプト業務を効率化できます。また、通所サービスの送迎管理や職員のスケジュール管理、給与管理を一括管理できるソフトもあり、煩雑な事務作業に割く時間を短縮できるでしょう。LIFEに関するデータ作成や提出書類の作成が簡単にでき、制度改正への対応が早いソフトもあります。
介護現場はチームプレイが重要ですが、実際には人手が足りず、ひとりで動かざるをえない状況も少なくありません。その結果、職員間のコミュニケーションが不足し、情報共有がうまくいかないケースもあるでしょう。インカムを導入すれば、離れた場所にいる職員とも会話できるため、コミュニケーション不足による齟齬(そご)を減らすことができます。
入居施設では、入居者の見守りが大きな負担となっています。人感センサーを活用した見守り機器を導入すれば、離床回数やトイレの利用回数などを記録できます。利用者の動きを感知して、床に足が付く前に通知するセンサーもあり、転倒予防に有効でしょう。また、カメラとセットで利用できるセンサーであれば、室内の状況を画面越しで確認できるため、安否確認のための巡視回数を見直せます。さらに、通知を柔軟に変更できるセンサーであれば、利用者の自由な行動を阻害せずに見守ることができ、職員の巡視回数を減らすこともできます。特に夜間の見守り回数を削減することは、職員の負担軽減に大いに役立つでしょう。
実際にDXを進めた事業所の成功事例を紹介します。
介護・障がい者サービスの両方を運営している事業所の事例です。同事業所では、一括購入タイプの介護ソフトをすでに導入していましたが、サポート体制が十分ではなく、アップデートに大きな負担があったことから、クラウド型の介護ソフトにリプレイスしました。障害者自立支援、訪問介護を一元管理できる介護ソフトを導入した結果、月初10日間は毎日のように発生していた約4時間の残業がほぼゼロになりました。それだけではなく、毎月発生していた請求エラーが数か月に1件あるかないかに減り、業務効率向上の効果が目に見えるかたちで表れています。
ICT補助金を利用して、8カ所の事業所に介護ソフトを同時導入した社会福祉法人の事例です。事業所ごとの入金管理で、本部と連携できていないがための業務負担と、多くの手作業による業務負荷が課題でした。介護ソフト導入により、手作業で行っていた介護保険の伝送、結果取り込みが自動化されただけではなく、本部と各事業所の経理部門の円滑な連携が実現しました。事務作業や入金管理業務の負担が大幅に軽減されています。
訪問介護サービスを提供する事業所の事例です。同事業所では、画面のわかりやすさや操作性の良さを重視した介護ソフトを選択したことで、約3か月で全員が使いこなせるようになりました。パソコンやタブレットなどの端末に慣れていない職員が多い事業所において、画面のわかりやすさや操作性の良さを重視した介護ソフトを選択したことで、約3か月で全員が使いこなせるようになりました。その結果、手書きの実施記録とファイリング作業などの事務作業の時間が大幅に短縮されました。より多くの時間を、施設のイベント計画や、定期的なカンファレンス実施に費やすことで、介護の質が向上しました。特定事業所加算を取得し、売上の10%アップを達成しています。
DXを導入すると、業務効率化を図れる一方で、課題もあります。
経営サイドが保守的な考え方を持っている場合、DXが進まないことはよくあります。経営層がDXに反対する理由としては、DXを導入したことで介護請求が間に合わなかったら困る、利用者の情報漏えい対策が不安などが挙げられます。また、DXという考え方そのものが理解できず、反対している経営陣もいます。このような経営層の事業所では、現場からDXの必要性を訴えたとしても、「いやなら辞めてくれていい」という対応をされることが多く、導入にはなかなか至らないようです。
DXを進めるためには初期費用がかかります。ネットワークの構築、パソコンやタブレットの購入のほか、月々の通信費、セミナーや勉強会などの参加費用、交通費が必要でしょう。また、職員がDXを推進する際に、その担当者が抜ける現場をカバーする人件費も計上しておかなければいけません。予算ギリギリでDX導入を進めると、途中で経費が足りなくなり、最悪の場合、断念することもあるでしょう。介護のDXを行う際は、補助金制度を活用して、できるだけ予算に余裕を持たせておかなければいけません。
補助金制度の詳細は、「介護業界のICT導入補助金制度!内容、金額、導入後の効果を紹介」をご参照ください。
DXは効果が出るまでに時間がかかる場合があるため、長期的視点が必要です。また、効果が数字には表れにくいという特徴があります。
費用対効果が目に見えないということは成果を実感しにくいということであり、経営者も現場職員も不安に感じることが多いかもしれません。成果を実感できない期間が長くなるほど、経営者は現場にしっかり運用することを求めざるをえなくなります。一方、現場職員は過度な要求に対応して負担を感じることとなり、現場から導入に否定的な意見が上がることも考えられます。
職員のなかには、パソコンやタブレットに触ることに抵抗がない人もいれば、触ったことがないので苦手と感じている人もいるものです。職員間でITスキルにばらつきがあり、その差が埋められないと、情報の一元化が難航することもよくあります。そのような問題を解消するためには、職員のITリテラシーやスキルのばらつきを考慮して、使いやすいシステムやサポートが手厚いシステム提供会社を選ぶことが大切です。また、スキルのある職員が不慣れな職員をフォローしていける環境を整えておくことも必要です。
DX導入を成功させるためには、次の3つのステップが大切です。各ステップの内容と注意するべきポイントを紹介します。
経営層がDXを決定する際には、以下の事項を確認しましょう
上記のことを理解したうえで、ゴーサインを出します。始動した後は、現場に任せて見守る姿勢で臨むことが成功の秘訣です。
経営層からのゴーサインが出たら、すぐにDXを進めたいところですが、その前に現場でやらなければいけない準備があります。現在、どのような問題があり、どのようなことに困っているのかを洗い出す作業です。課題を分析し、業務がスムーズに流れるためには、どの部分をDXするのがよいのかを検討します。この段階を踏まずにDXを進めると、費用がばく大にかかるだけでなく、結局、導入前のほうが作業が楽だったということにもなりかねません。導入前の準備にも時間をしっかりかけるのがDX成功のカギとなります。
繰り返しになりますが、DXの導入には時間がかかり、初期費用を含め、費用もかかります。見積書の金額を見て「予算内だな」と思うのではなく、トラブルが起きた際に対処できる予算も別途必要なことを考えておきましょう。
団塊世代が後期高齢者になる2025年に向けて、介護業界は大きく変容していくと考えられます。これからの介護業界を生き残っていくためには、介護DXに対応していくことが必須となります。なかでも介護ソフトは、介護DXのなかでも導入しやすいツールのひとつといえるでしょう。「介舟ファミリー」なら、利用者管理や記録・請求業務に加え、LIFEにも対応しており、サポート体制も整っています。介護DXを進める際には、ぜひ介舟ファミリーの導入を検討してはいかがでしょうか。
介舟ファミリーは、介護と障害者福祉の両制度に対応し、事業所が必要な機能を標準で提供しています。包括的なサポート体制があり、初めての利用でも安心して導入できます。どうぞお気軽にお問い合わせください。
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