介舟ファミリー
介護ソフト・障害者福祉ソフト
ある晴れた日の出来事。
お日様のさんさんと降り注ぐ陽光の中で、皆、手に焼き芋を持ち、美味しそうにほおばりながら想い出を口にする。
「芋には種類があるんだよ。クラガー百号、いなよう芋。あんた知ってるか?昔、畑で一生懸命栽培したよ。」と、90代の方が懐かしそうに若い職員に語りかける。
それから「美味い!」と呟いて焼き芋をもう一本手に持った。
南の島、「ありあけの里デイサービスゆいぽーと」での焼き芋会の一場面です。
事業所内で焼き上げる焼き芋がとても人気で、食の細い女性もどんどん手が伸びます。
「懐かしいね。昔はお米よりお芋が当たり前だった。今は焼き芋の方が高いんでしょう?いい世の中になったねえ。」
口数の少ない方も、芋を片手に、お隣さんと会話が弾みます。農作業の大変さ。
この辺りは昔、畑しかなかったこと。子供の頃は大きな鍋にお芋を炊いて、そこから手で取っておやつにしたこと。懐かしそうな目で話は続きます。
1605年、野國総監は中国からサツマイイモの苗を持ち帰り沖縄で試作したと言われています。
悪天候に左右されない芋は土地によく根付き、農民によって広められ、多くの村人の命を飢餓から救ったそうです。
戦時中は唯一といって良い貴重な食糧でした。荒れた大地にたくましく育つ芋は、芋と共に時代を生き抜いてきた沖縄の人々の生き様そのものです。
時代の激流にもまれながら皆、一生懸命に生きてきた…そんな時代背景を共にする方々が一緒に焼き芋をほおばりながら、青春時代や変わりゆく地域の景色に想いを馳せます。
昔の経験や想い出を語り合うことで、精神的な安定がもたらされ、うつ症状の予防・改善にもつながるとされる回想法のアプローチの一つとして、定期的にこの焼き芋会を開催しています。焼き芋が味覚・嗅覚に働きかけ、懐かしい想い出をくっきり浮かび上がらせる。想い出を語る方々の表情はとても生き生きとしている。
誰かが歌い始めた。「芋の時代」という曲だ。
戦中戦後の貧しい時代にあって、子供たちにひもじい思いをさせまいと一生懸命働いた両親に対する感謝の歌だ。
職員の心も癒される。
お日様のさんさんと降り注ぐ陽光の中。ある晴れた日の出来事。
南の島沖縄のデイサービスありあけの里に介護福祉士として勤務して24年。
沖縄の土着の楽器三線やギターを使って沖縄民謡、古典、童謡・唱歌、懐メロなどをお年寄りの皆さんと合唱して楽しむ音楽利用をメインに日々泣き笑いの日々を送っています。
いわゆる困難事例の“困難”の意味とは
『後悔』から希望の光へ
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