放課後等デイサービスの2類型化とは?メリットやどのような影響があるのかを徹底解説

放課後等デイサービスの2類型化が2024年度から開始されるにあたり、利用者や事業者の間で大きな関心を集めています。これにより、放課後等デイサービスが「総合支援型」と「特定プログラム特化型」に分類されることになりました。
本記事では、2類型化の概要や目的、2類型の特徴、そしてこの変更がもたらす影響について詳しく解説します。

放課後等デイサービスの2類型化とは

放課後等デイサービスの2類型化とは、その支援内容によって、「総合支援型」と「特定プログラム特化型」の2つに分類することです。この2つの分類について詳しく見ていきましょう。

総合支援型

総合支援型は、以下の4つをすべて含めた総合的な支援を行うことが求められます。

  • 自立支援と日常生活の充実のための活動
  • 創作活動
  • 地域交流の機会の提供
  • 余暇の提供

ガイドラインには以下のような記載があります。

自立支援と日常生活の充実のための活動 子どもの発達に応じて必要となる基本的日常生活動作や自立生活を支援するための活動を行う。子どもが意欲的に関われるような遊びを通して、成功体験の積み増しを促し、自己肯定感を育めるようにする。将来の自立や地域生活を見据えた活動を行う場合には、子どもが通う学校で行われている教育活動を踏まえ、方針や役割分担等を共有できるように学校との連携を図りながら支援を行う。
創作活動 創作活動では、表現する喜びを体験できるようにする。日頃からできるだけ自然に触れる機会を設け、季節の変化に興味を持てるようにする等、豊かな感性を培う。
地域交流の機会の提供 障害があるがゆえに子どもの社会生活や経験の範囲が制限されてしまわないように、子どもの社会経験の幅を広げていく。他の社会福祉事業や地域において放課後等に行われている多様な学習・体験・交流活動等との連携、ボランティアの受入れ等により、積極的に地域との交流を図っていく。
余暇の提供 子どもが望む遊びや自分自身をリラックスさせる練習等の諸活動を自己選択して取り組む経験を積んでいくために、多彩な活動プログラム4を用意し、ゆったりとした雰囲気の中で行えるように工夫する。

具体的には、日常生活動作の訓練やコミュニケーション能力の向上、学習支援、創作活動などの基本活動を組み合わせたプログラムを作成します。

なぜ放課後等デイサービスの2類型化が行われるのか

放課後等デイサービスの2類型化が行われる背景には、以下のような背景があります。

サービスの質の向上を図るため

2012年に放課後等デイサービス制度が始まって以来、その需要の高さから事業所の数は飛躍的に伸びています。この事業所の運営には私たちの税金である公費が使用されており、正しく利用されているか確認する必要がありました。

多くの事業所が適正な運営を行っていますが、中には単なる預かりサービスにとどまっているケースや支援の専門性が不十分なケースも見られます。そこで、事業所の適正化とサービスの質の向上を図るために、2024年度の法改正で指定基準が見直され、2類型化が行われました。

2類型化でどのような影響がでるのか

この2類型化が進むことでどのような影響が出るのでしょうか。

児童のニーズに沿ったデイを選べる

2類型化の最大のメリットは、利用者が自身のニーズに合ったサービスを選択しやすくなることです。

総合支援型では、幅広い支援を受けることができる一方、特定プログラム特化型では、特定の課題に対して集中的な支援を受けることが可能になります。この選択肢により、個々の児童の発達段階や特性に合わせた、より効果的な支援を受けられるようになると期待されています。

サービスの質が向上する

2類型化に伴い、各事業所はより専門性の高いサービス提供が求められるようになります。今まで明確な基準がなかった分、しっかり基準に沿った明確な役割を持つようになりました。これにより、サービスの質も基準に沿ったものになるため、今まで以上に放課後等デイサービスの質が向上するでしょう。

例えば、それまで預かりだけのサービス内容だったものが、学習支援や創作活動のサポートなど児童の能力や感性の向上につながるサービス内容に変化することで、より児童にとって役立つものとなるでしょう。

事業所の運営が厳しくなる

一方で、2類型化によって事業所の運営がより厳しくなる可能性も考えられます。特にこれまで預かりサービスだけの事業所や基準に沿っていない事業所などは公費の対象外となってしまうため、運営できなくなってしまいます。また、小規模な事業所では、専門性の向上や設備の充実に伴うコスト増加が経営を圧迫する可能性も否めません。

今後放課後等デイサービスの事業を考えていくうえで、2類型化についてはさらなる理解が必要になりそうです。

今後の放課後等デイサービスの在り方

2類型化を踏まえた今後の放課後等デイサービスの在り方について、以下のような点が重要です。

  • サービス内容を見直す
  • ICTツールを活用する

まず、先述したように放課後等デイサービスでは2類型化により、基準が設けられるようになりました。そのため、各基準に沿ったサービス内容を提供する必要があります。これまでのサービス内容が基準に沿っていない場合、公費の対象外となってしまうため、必ず基準をクリアしたサービス内容にしましょう。そのうえで、利用者本位となるようなサービス内容が今まで以上に求められます。児童それぞれのニーズに適したサービスを考え、より効果的なプログラムを作成しましょう。このサービスの質を向上することで、他事業所との差別化を図り、今後も事業所が適切な運営を行えるようにしましょう。

さらに、ICTツールの活用を図ることで事業所の適切な運営に大きく貢献します。特に、障害福祉サービスに特化した福祉ソフトの導入がおすすめです。福祉ソフトを計画業務や請求業務に活用することで、人的ミスを軽減し、業務効率を向上させることができます。結果として、日々の業務がよりスムーズに進行し、事業所全体の運営も円滑になるでしょう。

2類型化により、さらにサービスの質を高められる事業所に

放課後等デイサービスの2類型化は、事業所のサービスの質を向上させるために2024年から行われました。総合支援型と特定プログラム特化型に分かれており、利用者はより自身に適したサービスを選択できるようになる一方、事業所にはさらなる専門性の向上やサービスの質の向上が求められます。

ガイドラインに沿っていない場合、事業所は公費打ち切りの可能性があるため、事業所はサービス内容を今一度見直して、基準に沿ったサービス内容に変更しましょう。またこの機会にICTツールを導入し、業務効率化にも取り組むことで、サービスの質も向上し円滑な事業所運営につながるでしょう。

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