「まずは人生ありき、でしょう」
新卒、東大和療育センターで働き始めたばかりのころ、私は周囲にそんな生意気な強気発言をしていました。
良かれと思って行うリハビリであっても、それが利用者さんにとって意味を感じられないものなら、意味がみつけられるのかな?まずはその人の人生が真ん中にあって、その上で必要なものをサポートしていくことこそが大切なことなのではないのかな…。
今振り返れば若気の至りとも言える青さでしたが、当時の私は本気でそう信じ、現場の矛盾(と思っていた)に目を尖らせていました。
そんな時期に出会ったのが、利用者さんのKさん、そしてそのご家族でした。 Kさんは、言葉で自分の想いをすべて語れるわけではなく、だからこそと、私は毎日アホみたいに「Kさんは今、何をおもっているのだろう。」、「何を見ているのだろう。」、「日々の生活の中で、楽しいって思っている瞬間はどこにあるんだろう」なんて偉そうなことを考えていました。
ケース会議でも、「Kさんの気持ちは」を繰り返していました。
スタッフの中には大賛成してくれる人もいれば、そこに固執しては何も進んでいかない、と話す人もいました。
そして、その答えを探すプロセスの中に、いつもご家族の存在がありました。
ご家族がKさんに向ける眼差し、小さな変化に気づく瞬間の表情。
それらすべてが私に多くのことを教えてくれました。
Kさんやご家族と深く関わる中で、私の独りよがりだった「人生ありき」という言葉は、少しずつ形を変えていきました。
福祉とは、支援者が上から目線で「正しい答え」をプロデュースすることではない。
目の前の人が今何を求めているのかを必死に考え、ワクワクしながらその人の世界に一歩でも近づこうともがくこと。なのかもしれないと教えてもらった様に思います。
今は、自分の居場所は変わりましたが、Kさんやご家族との縁は切れることなく、今も大切な繋がりとして続いています。
あの頃、東大和療育センターで働けたこと、スタッフとの切磋琢磨、そしてKさんとご家族との出会いが今の私の福祉の土台を作っているように思います。
人との出会いで今がある。どんな時もどんな場所でも素敵な人はいる。
その人と出会えるのもその人と繋がっていけるのも、自分次第。
そんな繋がりが福祉の仕事をしていく中でのかけがえのない財産だなぁ。
と思っています。
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