「頑張り過ぎない」介護サービスを Posted on 2021年2月10日2025年2月20日 by kaida HOME >コラム>馬場 博 氏 介護サービスの質と私の専門である経営マネジメントの関係性をテーマに全3回掲載させていただきたいと思います。介護サービスの質とは何かを定義するのは難しいですが、あえてするならば●複数の顧客(利用者・家族等)が満足する●個別の価値観に見合ったサービスを(在宅の場合「様々な場所と環境で」)、 多職種のチーム連携のもとに、安全・安心に提供できることとなり、他のサービスと比較して非常に難易度ことを改めて自覚させられます。特に「個別の価値観に見合ったサービスを」は、介護保険の理念である「尊厳の保持」に関わる重要な点であり、決して疎かには出来ません。 しかし、このことを意識し過ぎて過剰なサービスになってしまっている場面はないでしょうか?以前、利用者の方にヒアリングをした際に言われた言葉でとても印象的なものがあります『皆さんが思っているほど、(この施設のサービスは)良くもなければ悪くもないですよ』ハッとさせられました。そっけない言葉に聞こえますが、この方の満足度が低いとは感じませんでした。ニーズに沿って、特色や強みをもったサービスを作ることは大切ですが、そのことが過剰な利用者ニーズを創り上げてしまっている面もあります。ほとんどの利用者にとって満足のいくサービスとは、<生活に必要なことを普通にきちんとやってくれる>ことであり、本来それで十分満足度の高いサービスとなるのではないでしょうか。このコロナ禍で行われたサービスの見直しや利用控えを通じて<本当に必要なサービスとは何か>を改めて考えさせられた方も多いと思います。「頑張り過ぎない介護」は家族にだけ言えることではなく、介護従事者にとっても同じです。プロである以上、満足度の高いサービスを安心・安全に提供することは義務ですが、頑張り過ぎて心身を疲弊させ、仕事ができなくなっては元も子もありませんし、地域としても大切な資源を失うことになります。介護従事者が頑張り過ぎずに仕事を続けられるようするためには、介護サービスを<必要十分な質と量>にマネジメントしなくてはなりません。残り2回でその具体策・留意事項に触れていきたいと思います。 馬場 博 氏 連載一覧 プレイングマネジャーのマネジメント実践 2021年4月8日 ”必要な”から、”必要十分な(事足りる)” 介護サービスへ 2021年3月3日 「頑張り過ぎない」介護サービスを 2021年2月10日 プロフィール 一般社団法人C.C.Net 専務理事■経歴■1970年生まれ。専修大学経営学部経営学科卒。10年間の音楽関連小売業での店舗マネジメント・統括本部の経験を経て、2002年から横浜市の居宅介護サービス事業者で、取締役企画開発室室長として、主に新規事業・施策開発を担当。新サービス開発、事業所開設、研修・セミナー事業など行う。2003年に有限会社コレクティブエーシーを設立。2012年8月より、介護経営をワンストップでサポートをコンセプトにした一般社団法人C.C.Netの設立に参画、専務理事に就任。介護事業者での実践経験を活かし、全国各地で介護経営コンサルティング (開業支援・事業戦略立案・人事システム構築・社内研修企画実施等)、研修・セミナー講師、書籍執筆など、介護事業の経営サポート活動を行っている。2018年4月より、有限会社青空、有限会社神奈川ケア・サービス執行役員・スーパーバイザーに就任。 関連コラム 介護の「質」は職場の人間関係次第! 2022年5月10日 『私が求める「質」を語る! ~訪問看護リハビリ~』 その2 2017年11月15日 1人ひとりに自分らしく生きてきた時代がある 2011年10月27日 他のコラムを探す テーマで探す 介護の質介護職食事組織ケアシステム機器 職種で探す 大学教授経営者施設管理者専門職介護関係 \「介舟ファミリー」のお問合せはこちら/ お問合せはこちら 無料体験はこちら 資料ダウンロード