【参考になる!】ケアプランの文例5選を紹介!さらにAIを活用した作成方法も詳しく紹介

【参考になる!】ケアプランの文例5選を紹介!さらにAIを活用した作成方法も詳しく紹介

ケアマネの業務の中でも、ケアプラン作成は特に時間と労力がかかる重要な仕事です。利用者一人ひとりの状態や希望に合わせて、適切な表現を考えながら文章を作成するのは、経験豊富なケアマネでも悩むことがあります。

特に、複数の利用者を担当していると、ケアプランの作成だけで一日が終わってしまうこともあるでしょう。「もっと効率的に作成できないだろうか」「適切な言い回しが思いつかない」と感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、実際の現場でよくあるケースを想定した具体的な文例を5選紹介します。これらの文例はそのままコピーして使うこともできますし、担当する利用者の状況に合わせてカスタマイズすることも可能です。また、記事の後半ではケアプラン作成のコツや注意点についても解説していますので、質の高いケアプランを効率的に作成するためにぜひ参考にしてください。

ケアプラン作成を効率化するためにはテンプレートが必要です。以下から介護業務に必要なテンプレートをまとめてダウンロードできます。ぜひご活用ください。

ケアプランとは

ケアプランとは「介護サービス計画書」とも呼ばれるもので、介護を必要とする利用者が適切な介護サービスを受けるために作成される計画書です。利用者の心身の状況や生活環境、本人や家族の希望を踏まえて、どのような目標を設定し、どのようなサービスを提供するかを具体的に記載します。

ケアプランの種類

ケアプランは対象者やサービスによって以下の3つに分けられます。

  • 居宅サービス計画書

要介護1~5の認定を受けた人が対象。主に訪問介護や通所サービス、短期入所サービスなどを利用するために必要です。

  • 施設サービス計画書

要介護1~5の認定(特養は要介護3以上)を受けた人が対象。施設サービスを利用するために必要です。

  • 介護予防サービス計画書

要支援1〜2の認定を受けた人が対象。介護予防サービスを利用するために必要です。

今回の記事では「居宅サービス計画書」について解説します。

ケアプラン作成の流れ

ケアプランの作成は、いくつかの段階を経て行われます。

アセスメント

最初に行うのがアセスメントです。アセスメントでは、利用者の心身の状態や生活環境、家族の状況、本人や家族の希望などを詳しく聞き取ります。このアセスメントが不十分だと、利用者のニーズに合わないケアプランになってしまうため、時間をかけて丁寧に行うことが重要です。

ケアプラン原案の作成

アセスメントが終わったら、その情報を基にケアプランの原案を作成します。利用者の課題を整理し、それを解決するための目標を設定し、目標達成に必要なサービスを計画します。この段階では、利用者や家族の意向を最優先に考えながら、専門職としての視点も加えてバランスの取れた計画を立てることが求められます。

担当者会議

原案が完成したら、サービス担当者会議を開催します。この会議には、利用者本人や家族、実際にサービスを提供する事業者の担当者、必要に応じて主治医などが参加します。ケアプランの内容について意見交換を行い、必要に応じて修正を加えます。全員が納得できる内容になれば、ケアプランを確定し、利用者に交付します。

ケアプランの作成は、交付して終わりではありません。サービスの提供が始まったら、定期的にモニタリングを行い、計画通りにサービスが提供されているか、利用者の状態に変化はないか、目標の達成状況はどうかなどを確認します。

もし利用者の状態が変化したり、サービスの効果が思うように出ていなかったりする場合は、再度アセスメントを行い、ケアプランを見直します。このようなサイクルを繰り返すことで、常に利用者にとって最適なケアプランを維持することができます。

ケアプランの書き方

居宅サービス計画書は第1表から第7表まで、合計7つの書類で構成されています。

名称
内容
第1表 居宅サービス計画書(1) 利用者の基本情報や総合的な援助の方針を記載する
第2表 居宅サービス計画書(2) 具体的な目標とサービス内容を記載する
第3表 週間サービス計画表 提供サービスの1週間のスケジュールを記載する
第4表 サービス担当者会議の要点 サービス担当者会議出席者や検討内容・要点を記載する
第5表 居宅介護支援経 日付と居宅介護支援サービスの提供結果を記載する
第6表 サービス利用票 提供サービスの月間スケジュールを記載する
第7表 サービス利用票別表 事業所ごとのサービス内容や利用負担額などを記載する

特に記載する順番は決まっていませんが、一般的にケアプランを記載する順番としては以下の通りです。

第2表
利用者の課題やニーズ、目標、援助内容

第3表
1週間のサービス提供のスケジュール

第1表
総合的な援助方針

このように、第2表の利用者の具体的な目標や援助内容を記載した後に第1表の全体方針を書くことで、全体方針と提供サービスにずれがなくなるため効率的です。 ここでは居宅サービス計画書の中でも特に重要な第1表と第2表について詳しく解説します。

居宅サービス計画書 第1表

第1表では以下のような様式で全体方針を記載します。

初回・紹介・継続

担当ケアマネが所属する居宅介護支援事業所で初めて作成する場合は「初回」、他事業所または介護保険施設からの紹介は「紹介」、それ以外は「継続」を選択します。

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果

「利用者の意向」と「家族の意向」は明確に分けて記載します。家族内で意見が分かれる場合は、続柄ごとに区別して記入します。意向は要約せず、できるだけ本人の言葉そのままを記載しましょう

次に、これらの意向を踏まえたケアマネの課題分析結果を記載します。ここでは今後の支援の方向性を明示することが重要です。

認定審査会の意見及びサービスの種類の指定

利用者の被保険者証を確認し、該当欄に記載があれば転記、なければ「なし」と記入します。

総合的な援助の方針

利用者と家族の意向で把握した課題に対し、利用者・家族・ケアマネ・サービス事業者がチームとしてどう支援するかを記載します。第2表の各ニーズを集約した内容となります。

緊急時の対応機関と連絡先も併せて記載しましょう。

生活援助中心型の算定理由

 以下のいずれかに該当する場合、生活援助中心型の訪問介護を位置づけられます。

  • (1)利用者が一人暮らし
  • (2)家族等に障害や疾病がある
  • (3)その他やむを得ない理由(具体的理由を記載)

居宅サービス計画書 第2表

第2表は以下のような様式で利用者の課題やニーズ、目標、援助内容を記載します。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ)

アセスメント結果から導き出されたニーズを、優先順位が高い順に記載します。特に健康・安全に関する課題は優先度を高くしましょう

また、「現在困っている課題」だけを記載するのではなく、課題を解決したその先を記載しておくとより明確な目標を設定しやすいです。そのため「解決した状態・目指す生活」までを含めて記載します。

×「腰痛で思うように家事ができず困る」

○「腰痛で思うように家事ができないが、自分でできることを増やしたい」

介護保険サービスに限らず、地域資源・制度・私的援助で解決可能なニーズも含め、幅広い視点で記載しましょう。

目標(長期目標・短期目標)

課題をどのように解決し、最終的に利用者にはどのような状態になっていてほしいかを長期・短期ごとに目標として設定しましょう。ここでは専門用語や抽象的表現を避け、誰が読んでも明確で評価のしやすい内容が好ましいです。

  • 長期目標

最終的に目指す状態を記載します。「自宅内をひとりで安全に移動できる」「食事の準備・片付けを担当する」など、「〜できる」「〜する」の表現が望ましいです。

  • 短期目標

上記の長期目標の達成のために段階的に目指すべき状態を記載します。「1日5回以上ひとりでトイレに行く」「配膳の手伝いをする」など、達成度を評価しやすい表現にしましょう。

目標の期間

第2表には「長期目標」「短期目標」「サービス」の3つの期間があり、基本的に以下の関係となります。

長期目標の期間 > 短期目標の期間 = サービスの期間

ただし、目標によっては上記の関係が異なる場合もあります。利用者の状態などを見て適切な目標の期間を設定しましょう。

援助内容

短期目標達成のための最適なサービス・方針・事業所を選定し、いつまでに、誰が、何を、どのように行うかを明確に記載します。

選定はケアマネが行いますが、最終的に選択するのは利用者です。選定理由や他事業所との違いをわかりやすく説明し、利用者の意思決定を支援しましょう。

【すぐ使える】ケアプランの文例5選

それでは実際に使えるケアプランの文例を5選紹介します。

ケース例1 脳梗塞後に在宅復帰したケース(要介護2・男性)

  • 脳梗塞発症後、リハビリ病院入院を経て自宅療養
  • 要介護2の男性。妻、長女家族と同居
  • 左半身に軽度麻痺。認知機能に問題なし
  • 多点杖や手すりを使用し見守りのもと移動可能
  • 入浴・排泄は一部介助が必要
  • 利用サービス:デイケア、福祉用具貸与

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果(第1表)

利用者:家族に迷惑をかけたくない。少しでも自分でできることは自分でしたい。

家族:リハビリをして、今の状態を維持してほしい。

【課題分析結果】

利用者及び家族の意向を踏まえ、リハビリを継続することで心身機能の低下を予防し、日常生活動作が維持できるようにしていく。

総合的な援助の方針(第1表)

リハビリを継続しながらご自身でできることを増やし、身体の状態を維持していきましょう。また、適切な福祉用具を活用することで、安全に生活できるようにしていきましょう。

【緊急連絡先】

主治医:○○クリニック ○○先生(TEL:○○○-○○○○-○○○○)

緊急連絡先:○○ ○○様(長女)(TEL:○○○-○○○○-○○○○)

ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容(第2表)

生活全般の解決すべき課題
(ニーズ)
長期目標
短期目標
トイレで排泄したい 手すりを活用しトイレで排泄できるようになる(6ヶ月) 見守りのもとトイレで排泄できるようになる(3ヶ月)
家の中を自分の足で移動したい 家の中を自分の足で歩けるようになる(6ヶ月) 見守りのもと多点杖で歩けるようになる(3ヶ月)
安全に入浴したい 安全な環境のもと入浴できる(6ヶ月) 身体に合った入浴動作を身につける(3ヶ月)
他人と交流し、話をしたい 家族以外の他人と話す機会を作る(6ヶ月) 他人と交流する場所へ行く(3ヶ月)

ケース例2 認知症の独居高齢者(要介護1・女性)

  • 要介護1の女性。一人暮らし
  • 半年前にアルツハイマー型認知症と診断
  • 長男家族は車で30分のところに居住
  • 買い物で同じものを購入、服薬忘れあり
  • その他の日常生活動作はおおむね自立
  • 利用サービス:デイサービス、訪問看護、訪問介護

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果(第1表)

利用者:絵手紙や手芸をすることが楽しみ。みなさんにとてもよくしてもらっているので、これからもよろしくお願いします。

家族:家での生活が難しくなれば施設入所も検討しています。それまで、皆様に助けていただきたいです。

【課題分析結果】

利用者及び家族の意向を踏まえ、好きなことを続けながら、安心して在宅生活を送っていけるようにする。

総合的な援助の方針(第1表)

絵手紙や手芸などの楽しみを続けながら、安心して自宅での生活を続けていきましょう。医療・介護の専門職と連携し、服薬管理や生活支援を行います。

【緊急連絡先】

主治医:○○クリニック ○○先生(TEL:○○○-○○○○-○○○○)

緊急連絡先:○○ ○○様(長男)(TEL:○○○-○○○○-○○○○)

ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容(第2表)

生活全般の解決すべき課題
(ニーズ)
長期目標
短期目標
絵手紙や手芸をしたい 絵手紙や手芸を楽しむ(6ヶ月) 絵手紙や手芸を安全に行うことができる(3ヶ月)
薬を忘れずに飲みたい 薬を忘れずに飲む(6ヶ月) 専門職による声かけのもと服薬確認を行い、飲み忘れを防ぐことができる(3ヶ月)
清潔な環境で生活したい 定期的に掃除する(6ヶ月) ヘルパーと一緒に掃除する(3ヶ月)
昔からの友人と会いたい 長年行っている老人会へ参加し友人と会い交流する(6ヶ月) 老人会に参加する(3ヶ月)

ケース例3 糖尿病のある在宅療養者(要介護2・男性)

  • 要介護2の男性。妻と二人暮らし
  • 糖尿病があり、インスリン注射が必要
  • 食事管理と血糖値のコントロールが課題
  • 妻も高齢で介護負担が大きい
  • 利用サービス:訪問看護、訪問介護、デイサービス

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果(第1表)

利用者:糖尿病を悪化させたくない。できるだけ自宅で生活したい。

家族(妻):インスリン注射や食事管理が不安。専門職に支援してもらいたい。

【課題分析結果】

医療・介護の専門職と連携し、血糖値を安定させながら、安心して在宅生活を継続できるようにする。

総合的な援助の方針(第1表)

訪問看護によるインスリン注射の管理と血糖値測定を行い、糖尿病の悪化を防ぎます。また、適切な食事管理とデイサービスでの運動により、健康状態の維持を図りましょう。

【緊急連絡先】

主治医:○○内科 ○○先生(TEL:○○○-○○○○-○○○○)

緊急連絡先:○○ ○○様(妻)(TEL:○○○-○○○○-○○○○)

ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容(第2表)

生活全般の解決すべき課題
(ニーズ)
長期目標
短期目標
血糖値を安定させたい 血糖値をコントロールし糖尿病の悪化を防ぐ(6ヶ月) 訪問看護の支援で適切にインスリン注射ができる(3ヶ月)
糖尿病に適した食事をとりたい 糖尿病食を継続して摂取できる(6ヶ月) 訪問介護の支援で糖尿病食を準備できる(3ヶ月)
適度な運動をしたい 定期的に運動し体力を維持する(6ヶ月) デイサービスで週2回運動する(3ヶ月)

ケース例4 転倒リスクのある高齢者(要介護1・女性)

  • 要介護1の女性。一人暮らし
  • 腰痛と膝痛があり、歩行が不安定
  • 過去に自宅で転倒し、骨折の既往あり
  • 息子家族が近隣に居住
  • 利用サービス:デイサービス、福祉用具貸与

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果(第1表)

利用者:また転んでしまわないか不安。安全に歩けるようになりたい。

家族(息子):転倒して骨折すると大変なので、安全な環境を整えたい。

【課題分析結果】

転倒リスクを軽減し、安全に生活できる環境を整える。また、筋力向上により歩行の安定を図る。

総合的な援助の方針(第1表)

福祉用具を活用し、自宅内の安全な環境を整えます。デイサービスでの運動により筋力を向上させ、転倒リスクを減らしましょう。

【緊急連絡先】 主治医:○○整形外科 ○○先生(TEL:○○○-○○○○-○○○○) 緊急連絡先:○○ ○○様(息子)(TEL:○○○-○○○○-○○○○)

ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容(第2表)

生活全般の解決すべき課題
(ニーズ)
長期目標
短期目標
安全に歩きたい 転倒せずに自宅内を歩ける(6ヶ月) 手すりや歩行器を使用し安全に移動できる(3ヶ月)
筋力をつけたい 下肢筋力を向上させ歩行を安定させる(6ヶ月) デイサービスで週2回運動する(3ヶ月)
転倒の不安を減らしたい 転倒の不安なく生活できる(6ヶ月) 自宅の段差を解消し安全な環境を作る(3ヶ月)

ケース例5 パーキンソン病の療養者(要介護3・男性)

  • 要介護3の男性。妻と二人暮らし
  • パーキンソン病により動作緩慢、手の震えあり
  • 服薬管理と転倒予防が課題
  • 妻の介護負担軽減も必要
  • 利用サービス:デイケア、訪問看護、訪問介護、ショートステイ

利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果(第1表)

利用者:できることは自分でしたい。リハビリをして今の状態を維持したい。

家族(妻):介護が大変だが、できるだけ自宅で過ごしてほしい。私の休息も必要。

【課題分析結果】

パーキンソン病の進行を遅らせながら、本人の自立を支援する。また、妻の介護負担軽減も図る。

総合的な援助の方針(第1表)

リハビリを継続し、身体機能の維持を図ります。訪問看護による服薬管理と健康管理を行い、病状の悪化を防ぎましょう。また、定期的なショートステイでご家族の休息も確保します。

【緊急連絡先】

主治医:○○神経内科 ○○先生(TEL:○○○-○○○○-○○○○)

緊急連絡先:○○ ○○様(妻)(TEL:○○○-○○○○-○○○○)

ニーズ・長期目標・短期目標・サービス内容(第2表)

生活全般の解決すべき課題
(ニーズ)
長期目標
短期目標
身体機能を維持したい パーキンソン病の進行を遅らせ、日常生活動作を維持する(6ヶ月) デイケアで週2回リハビリを行う(3ヶ月)
薬を正しく飲みたい 服薬を適切に管理し、病状を安定させる(6ヶ月) 訪問看護の支援で服薬管理ができる(3ヶ月)
妻の負担を減らしたい 介護サービスを活用し妻の負担を軽減する(6ヶ月) 月1回ショートステイを利用し妻の休息を確保する(3ヶ月)

ケアプラン作成のポイント

ケアプランを作成する際には、いくつかの重要なポイントがあります。これらを押さえることで、利用者にとって本当に役立つケアプランを作成でき、モニタリングもスムーズに行えるようになります。

具体的で測定可能な目標を設定する

先述したとおりケアプランの目標は、できるだけ具体的に記載することが大切です。「安全に歩行できる」という曖昧な表現ではなく、「手すりを使って10メートル歩ける」「見守りのもとトイレまで歩ける」など、具体的な状態を示すことで、達成度を客観的に評価できます。これにより、モニタリングの際に「目標が達成できているか」を明確に判断できるようになります。

また、利用者本人や家族にとっても、何を目指しているのかがわかりやすくなり、リハビリや日常生活での取り組みに対するモチベーションも高まります。

長期目標と短期目標のズレをなくす

長期目標と短期目標を設定する際はズレがないようにしましょう。短期目標は長期目標を達成するためのステップであり短期目標を積み重ねることで長期目標に到達するという流れを意識しておくと整合性を保てます。例えば、長期目標が「自宅内を自分の足で歩けるようになる」であれば、短期目標は「見守りのもと多点杖で歩けるようになる」といった具体的なステップになります。

期間設定も重要で、一般的には短期目標を3ヶ月、長期目標を6ヶ月で設定することが多いですが、利用者の状態や回復の見込みに応じて柔軟に調整することも必要です。

定期的な見直しとモニタリングを実施する

ケアプランは作成して終わりではなく、定期的なモニタリングと見直しが欠かせません。少なくとも6ヶ月に1回はモニタリングを実施し、目標の達成状況やサービスの適切性を確認しましょう。利用者の状態が変化した場合や、サービスの効果が思うように出ていない場合は、期間を待たずに随時見直し・変更を行い、常に最適なサービスを提供できるように心掛けましょう

このPDCAサイクルを回すことで、利用者にとって最適なケアプランを維持でき、より質の高い日常を送ることができます。

テンプレートやツールを活用して効率化を図る

ケアプランの作成は記載項目が多いため業務負担になりやすいです。そこでケアプランの作成時間を減らし効率化を図るには、テンプレートや専用ツールの活用がおすすめです。

まずはテンプレートを使用してみましょう。テンプレートを使用することで、必要項目があらかじめ設定されているため記載漏れを防げます。また、よく使われる表現や適切な記載例を参考にできるため、特に新人ケアマネの学習にも役立ちます。毎回ゼロから書く必要がなくなり、利用者個別の内容記載に集中できるため、作成時間を大幅に短縮できます。以下からテンプレートを無料でダウンロードできます。ぜひご活用ください。

また、専用の作成ソフトやツールを導入することで、さらなる効率化が可能です。例えば人気の介護・福祉ソフト「介舟ファミリー」では、文例や過去の作成例を複写して簡単に作成することができます。この機能を利用して「作成時間を短縮できた!」という声を多くいただいています。詳しくはこちらをご覧ください。

ケアプラン作成をAIで効率化する方法

ケアマネの業務負担を軽減する手段として、専用ツールのほかにも近年普及されつつあるAIを活用してみてはいかがでしょうか。AIが人間の代わりにケアプランの文章を考えてくれるため、作成にかかる時間を大幅に短縮できます。ここでは、AIを活用してケアプラン作成を効率化する具体的な方法と、注意すべきポイントについて解説します。

AIの基本的な使い方

AIにケアプラン文例を生成させる際は、具体的な情報を入力することが重要です。「脳梗塞後の利用者のケアプランを作って」という曖昧な指示ではなく、「要介護2、75歳男性、脳梗塞後で左半身に軽度麻痺、妻と同居、デイケアとリハビリを希望」など、できるだけ詳細な情報を伝えます。

指示内容
悪い例
良い例
ケアプランの文章を作成したい 「ケアプランを作って」 「要介護2、75歳男性、脳梗塞後で左半身に軽度麻痺あり、妻と長女家族と同居。デイケアでリハビリを希望している方の、第1表の総合的な援助の方針を作成してください」
利用者の意向を書きたい 「認知症の人の意向を書いて」 「アルツハイマー型認知症の80歳女性。本人は『絵手紙が好き。これからも続けたい』と話している。家族は『できるだけ自宅で過ごしてほしい』と希望。この内容をもとに第1表の利用者及び家族の意向を踏まえた課題分析の結果を作成してください」
サービス内容を書きたい 「デイサービスのサービス内容を書いて」 「週2回デイサービスを利用する利用者の、第2表のサービス内容欄に記載する文章を作成してください。目的はリハビリと入浴、社会交流です」

AIは万能ではありません指示された内容からしか推測・作成できないため、情報が曖昧だと返ってくるアウトプットも良いものではない可能性が高いです。そのため、利用者の年齢、性別、要介護度、疾患名、身体状態、家族構成、希望するサービスなどを明確に示すことで、AIはより適切な文例を生成できます。

アセスメント情報をAIに整理させる

上記のようにAIに文例を作成させる際に、具体的な利用者の情報が必要となりますが、利用者のアセスメント情報も膨大なことが多く、それらを逐一AIに入力するのも非常に手間になります。そこでそれらもAIにまとめさせることで作成時間の短縮につながります。

チャットにアセスメント情報を入力・または資料を添付し、「この情報をもとに、第1表の利用者及び家族の意向を踏まえた課題分析の結果をまとめてください」と依頼することで、散在していた情報を整理された文章にしてもらえます例えば、面談時のメモや聞き取り内容をAIに入力し、「利用者の発言」「家族の発言」「課題分析結果」の3つに分けて文章化してもらうことができます。

ただし、AIが生成した文章が利用者の真意を正しく反映しているか、必ず確認が必要です。

文章の言い回しや表現をAIに改善させる

自分で書いた文章が硬すぎる、わかりにくい、専門用語が多すぎるなどの場合、AIに改善させましょう。「この文章をもっとわかりやすく書き直してください」「利用者や家族が読んでも理解しやすい表現にしてください」「専門用語を減らしてわかりやすい表現にしてください」などと指示することで、より読みやすい文章に修正してもらえます。

また、「この文章をより具体的な表現にしてください」と依頼すれば、曖昧だった表現を明確にすることもできます。ただし、AIが修正した文章でも、利用者の意向やニュアンスが変わっていないか、必ず確認することが重要です。

ケアプランの作成業務を効率化して、業務負担へ

ケアプランの作成業務はケアマネの業務の中でも時間がかかる重要な業務です。利用者一人一人の方に適したケアプランを作成する必要がありますが、限られた時間の中でいかに効率よく作成できるかも考えなければなりません。そこで本記事で紹介したような文例5選やポイントを参考に、ケアプランを作成してみましょう。

また、AI技術を活用することで、ケアプランの作成業務をさらに効率化することができます。まずはAIを使って文例を提案させてみてください。思ったより簡単に操作でき、高度な作業をサポートしてくれます。この機会にぜひ使ってみてはいかがでしょうか。

そしてさらにケアマネの業務負担の軽減を図りたい方はこちらのガイドブックもご一読ください。

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