プライドが持てる介護福祉士になろう

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昭和62年、社会福祉士及び介護福祉士法が制定され、わが国に介護福祉士(Certified Care Worker)という国家資格が生まれました。
介護現場で働いてきた人が、働きながら学び、介護の国家資格が取得できるようになりました。
当初は、各都道府県等の自治体や職能団体が各地で研修会が開かれ、現場の能力向上を担ってきましたが、予算が削られ、研修会も激減し、現場の人手不足を理由に、自己研鑽から目をそむける者も増えてきました。
このままでは喀痰や吸引行為を行える新課程の介護福祉士、認定介護士の登場とともに、現場から退場せねばならないかも知れません。

 

介護職を取り巻く環境・改革はさらに厳しくなります。
平成25年度、ホームヘルパー2級は初任者研修へ。介護職員基礎研修とホームヘルパー1級は実務者研修に変わります。今までとの違いは、研修受講後に筆記試験が行われることでしょう。
介護福祉士受験資格も平成28年の1月以降より、介護経験者でも経験年数と所有資格に応じて実務者研修受講が必須。介護福祉士養成校も新カリキュラムに変更し、卒業と同時に介護福祉士国家試験を受けることになったのです。
平成28年度の合格者から、医療行為でグレーゾーンであった喀痰吸引行為等ができるようになりました。現在の介護福祉士はこのような潮流の中でこのままで良いのでしょうか。

現在働いている資格取得者が、この25年間介護業界を支えてきたのです。
新カリキュラムを学んで飛び込んでくる新介護福祉士に負けないためには、現在の自分の技術に欠点があれば修正・向上を図ることが必要です。
また、これからは、今までの現場経験を活かして自分の所属施設や外部で、積極的に研修会講師や、指導者になるなども選択肢になるでしょう。
まずは自分に自信を持つこと。人に教える前に自身が学ぶこと。
介護福祉士はすでに国家資格であるはず。プライドを持ち、自分磨きに挑戦してみましょう。

佐藤 ちよみ 氏

一般社団法人TSK 代表

■経歴■

介護支援専門員・介護福祉士。
交流分析インストラクター・東京都福祉サービス第三者評価者・介護技術講習主任指導者でもある。
ケアマネジャー・介護職の研修を中心に、居宅サービス計画・施設サービス計画・訪問介護計画等の作成法の指導や介護技術等の現場技術の指導も行っている。
その他の研修テーマに「介護記録のノウハウ」「対人援助技術」「介護職のための医療知識」「アセスメント力の向上法」「介護職のための交流分析」など、居宅の介護職・介護施設の職員育成に欠かせない様々なテーマで講師を務めている。
ブログでは、介護現場の紹介・取材、日本の古代史・民俗学・美術・音楽などなど、介護・福祉業界にとどまらず、幅広いテーマでの記事を発信し続けている。
【主な執筆活動】
《単行本》
○『よくわかり、すぐ使える 新訪問介護計画書のつくりかた』日本医療企画(単著)
○『サービス提供責任者の業務実践マニュアル』中央法規出版(単著)
○『ポケット判 介護の○と×シリーズ 記録の書き方○と×』中央法規出版(単著)
○『ケアマネジャー最強のアセスメント力養成講座』エクスナレッジ(単著)
○『図解でよくわかる介護記録の書き方・活かし方』秀和システム(単著)
○『図解分かりやすい新・介護保険ガイド』保健同人社(共著)
ほか多数。
《連載》
○「達人ケアマネ」(隔月刊)日総研
○「おはよう21」(月刊)中央法規出版
○「介護ビジョン」(月刊)日本医療企画
○「シルバー新報」(週刊)環境新聞社
ほか連載多数。

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