【2024年度介護報酬改定】人員配置基準の緩和の内容とは?それぞれ詳しく徹底解説!

【2024年度介護報酬改定】人員配置基準の緩和の内容とは?それぞれ詳しく徹底解説!

2024年度の介護報酬改定では、さまざまな介護保険サービスにおいて、人員配置基準が緩和される内容となりました。緩和の対象や内容が多岐にわたるため、自身の事業所にどの部分が影響するのか、どのように対応すればよいのか、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、2024年度の介護報酬改定のなかでも人員配置基準に焦点を当てて、詳しく解説していきます。

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2024年度の介護報酬改定についておさらいしよう

まずは、2024年度の介護報酬改定の基本について、簡単におさらいしておきましょう。今回の介護報酬改定では、人口構造や社会経済状況の変化を踏まえたうえで、次の4つを基本的な視点とし、改定が行われました。

地域包括ケアシステムの深化・推進

高齢者とひと口に言っても、元気に過ごしている人だけでなく、認知症を患っている人やひとり暮らしの人、医療ニーズが高い人など、それぞれの抱えている状況はさまざまです。介護保険では、多種多様な状況にある高齢者に対し、質の高いケアマネジメントや必要なサービスを滞りなく提供できる体制を整える必要があります。今回の介護報酬改定では、地域の実情に合わせ、柔軟かつ効率的な取り組みを進めることや、医療と介護の連携の推進などを行っていくことで、高齢者が自分らしく生活できるよう地域包括ケアシステムを深化・推進していきます。

自立支援・重度化防止に向けた対応

高齢者が自立した生活を送っていくためには、心身機能や持病等の症状を重度化させないことが大切です。介護報酬改定により、高齢者に関わる多職種が連携できる仕組みを取りつつ、LIFE等のデータの活用促進を図っていきます。

良質な介護サービスの効率的な提供のための働きやすい職場づくり

介護業界では、慢性的な介護人材不足に悩んでいます。介護人材が不足するなかでも、提供するサービスの質の向上は図り続けていかなければなりません。処遇改善や生産性向上を通じて、働きやすい職場環境づくりを行い、効率的なサービスが提供できる仕組みを推進しています。

制度の安定性・持続可能性の確保

評価の適正化や重点化、報酬の整理や簡素化を図ることで、介護保険制度の安定性や持続可能性を高め、すべての世代にとって安心できる制度の構築を目指していきます。
2024年度の介護報酬改定の全容については、「2024年介護保険法改正はどうなる?政府提言のポイントをわかりやすく解説」で詳しく解説していますので、ぜひお読みください。

2024年度介護報酬改定における人員配置基準の緩和内容

2024年度介護報酬改定では、人員配置基準の緩和に関わるものが多くあります。詳しく見ていきましょう。

外国人介護職員の人員配置基準緩和

2024年度の介護報酬改定では、外国人介護職員の人員配置基準が緩和されました。これまで、就労開始から6か月未満のEPA介護福祉士候補者と技能実習生は、日本語能力検定のN1もしくはN2の合格者だけが人員配置基準の対象となっていました。 しかし、今回の介護報酬改定では、就労から6か月未満の外国人介護職員であっても、日本語能力や指導の実施状況、管理者や指導職員等の意見等を考慮したうえで、以下の要件を満たしていれば、就労開始直後から人員配置基準に算入できます。
  • 事業所が当該外国人介護職員を人員配置基準に参入することについて意思表示を行っている
  • 一定の経験のある職員とチームでケアを行う体制である
  • 安全対策担当者の配置や指針の整備、研修の実施など、安全対策実施のための組織的な体制を整備している
ただし、外国人介護職員の受け入れについては、人員配置基準への参入の有無にかかわらず、受け入れ施設として適切な指導や支援体制の確保が必要です。例えば、研修または実習のための指導職員を配置したり、計画に基づいて技能等が習得できるようにしたりといった学習への配慮を行わなければなりません。

ローカルルールにおける人員基準緩和

2024年の介護報酬改定では、都道府県と市町村に対して、人員配置基準におけるローカルルールについては、「厚生労働省令に従う範囲内で地域の実情に応じた内容とする」と言及されました。そして、都道府県及び市町村は、事業者からローカルルールについての説明を求められたときには、そのルールの必要性について説明できるようにしておかなければなりません。

夜間の人員配置における緩和

夜間帯の人員については、介護老人保健施設とグループホーム、特定施設で人員配置基準が緩和されました。 まず、ユニット型を除く介護保険施設では、以下の要件を満たした場合、1日当たりの配置人員数が現行の2人以上から1.6人以上に緩和されることとなります。
  • 全利用者に見守りセンサーを導入すること
  • 夜間職員全員がインカム等のICTを使用すること
  • 職員の負担軽減等への配慮と委員会の設置や安全体制等の確保を行うこと
ただし、常時1人以上の人員配置は必要ですので、注意しましょう。また、利用者40人以下で緊急時の連絡体制を常時整備している場合には、現行通り1人以上の配置が必要です。 次に、グループホームの夜間の人員配置を見ていきましょう。グループホームの夜間支援体制加算では、現行の常勤換算方法で事業所ごとに1人以上の夜勤職員又は宿直職員を加配するという要件とは別に、要件が新設されました。新たな要件では、利用者に対する見守り機器の導入割合が10%あり、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保と、職員負担軽減のための方策を検討する委員会が設置してあり、必要な検討が行われている場合には、事業所ごとに常勤換算方法で0.9人以上の夜勤職員でも算定が可能となりました。
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居宅介護支援における人員配置基準の緩和

居宅介護支援では、基本報酬における取扱件数との整合性を図るため、常勤の介護支援専門員の人員配置基準が変更となりました。まず、利用者の数のうち、要支援者の数については、従来は要支援者の人数×2分の1で換算していましたが、改定後は3分の1での換算となっています。そのうえで、介護支援専門員1人当たりの取り扱い件数が、これまでの35から44に変わります。 さらに、指定居宅介護事業所がケアプランデータ連携システムを利用したうえで事務職員を配置している場合には、介護支援専門員1人当たりの利用者数は49までとなりました。要支援者の数が2分の1から3分の1換算になり、取り扱い件数の上限が44に増えたことで、実際に介護支援専門員が担当する件数はより多くなることでしょう。

個別機能訓練加算の人員配置要件の緩和

通所介護と地域密着型通所介護では、個別機能訓練加算における人員配置要件が一部緩和となります。今回の介護報酬改定では、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロについて、85単位から76単位に下がる代わりに、通所介護の提供時間を通じて専従1名以上の配置から、配置時間の定めなしに変更となりました。この改正により、専従の個別機能訓練指導員は、別の職務に配置することや、別事業所で機能訓練指導員として従事することができるようになります。

両立支援への配慮に伴う人員配置基準の緩和

介護現場では、子育て中の人や家族の介護をしている人、持病を持っている人など、さまざまな人が働いています。これまで、育児と仕事の両立については、育児・介護休業法による短時間勤務制度や母性健康管理措置による短時間勤務を行っている人の場合、一定条件の下で常勤換算の計算上1として取り扱うことが可能でした。 今回の改定では、上記に加え、治療と仕事の両立ガイドラインに沿って事業者が自主的に設ける短時間勤務制度を利用している人がいる場合、週30時間以上勤務していれば、常勤換算での計算上も1として扱うことが認められるようになります。

兼務範囲とテレワークに関する人員配置基準緩和

今回の改定では、管理者の責務と兼務範囲、テレワークに関する人員配置基準の緩和も明言されています。 まず、管理者がその責務を果たせる場合には、同一敷地内にあるほかの事業所や施設等ではない事業所であっても、兼務して差し支えないとの通達が出ました。ただし、利用者へのサービス提供の場面等で起こる事柄をしっかりと把握し、職員や業務の一元的な管理や指揮命令を行うことが責務であることを、明確化しておかなければなりません。 テレワークについては、人員配置基準等で具体的な必要数を定めている職種については、個人情報を適切に管理し、利用者の処遇に支障が生じないことを前提としたうえで取り扱いを明確化し、職種や業務ごとに具体的な考え方を示すこととなりました。ただし、居宅療養管理指導はテレワークの取り扱いの対象ではありません。

人員配置基準の緩和に対応するためICT化を進めよう

今回の介護報酬改定における人員配置基準の緩和では、介護ロボットやICT等のテクノロジー導入といったツール活用が要件となっているケースが散見されます。介護を担う人材不足が慢性化しているなか、今ある人材を守り活かすためには、テクノロジーの活用が必要不可欠となってきています。
今後、ますますICT化の流れは広がると予想され、近い将来には介護ロボットやICT等が介護現場に欠かせないものとなってくることでしょう。この流れに乗り遅れないためには、介護ソフトなどのツール導入が重要となります。

介舟ファミリーなら、操作方法から制度に関することまで、専任スタッフからサポートが受けられるので、改正時にもスムーズな対応ができます。今回の介護報酬改定を機に、使い勝手の良い介護ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

介舟ファミリーは、介護と障害者福祉の両制度に対応し、事業所が必要な機能を標準で提供しています。包括的なサポート体制があり、初めての利用でも安心して導入できます。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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