必要なのは、世話型介護からの切り替え

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梅本 聡 氏

僕が10年半、ホーム長を務めていた認知症対応型共同生活介護(以下「グループホーム」)では、認知症の状態にある入居者の方たちが介護職員のサポートを受けながら、食事、排せつ、入浴、整容、着替えなどの日常生活行為や、生活を営むために必要な掃除、炊事、洗濯などの家事において、
「自分でできることは自分で行う」「他人と助け合いながら行う」
ことを基本としていました。
また、入居者の方たちはほぼ毎日買い物に出かけ、食材や生活用品を購入するなど、「地域社会とつながって生活する」ことを心がけていました。

そんな実践に対し入居者のご家族からは、
「生き生きしている」、「症状がよくなったみたいだ」などと言っていただけました。

しかし、法人の経営層(梅本の上司)からは、
「お年寄りにご飯を作らせるなんてかわいそうだ」、「認知症なのに掃除をさせるなんてひどい」といった非難の声ばかり。
経営層は、高齢者・要介護者・お客様なのだから、「何でもやってあげる・やってさしあげるのが介護」という考えを持っていたため、受け入れられない実践だったのです。

僕が介護業界に入った27年前の現場も同じでした。
意識しなくても日々行っている日常生活行為=私たちが普通にやっている当たり前のことを、本人の意思や状態は関係なく、介護職員が画一的に何でもやってあげる(やってしまう)「お世話型」介護。
今の介護現場の根っこも、これかなと思います。

しかしお世話型介護は、前回のコラムで確認した「ものさし(介護とは何か?)」からかけ離れています。
また、お世話型介護を主流とするのであれば、介護現場に必要な人材はお手伝いさん(化した介護職)で、支援専門職はいらない、ということになります。支援専門職は不要(だからロボット?)となったら、処遇改善どころの話しではありません。

そうならないためには、支援専門職自らが自分で自分の価値や必要性を下げる仕事をしない・・・、お世話型介護からの切り替えが必要です。
そしてそれが、質を追求していく介護の❝型❞だと僕は考えます。

梅本 聡

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