「自立生活型」支援は支援専門職だからできること

「いつか車椅子に乗る状態になることを目標にしている方はいますか?」
講演会でこんな問いかけをさせてもらうことがあります。
今のところ、手を挙げた人はいません。

しかし、この問いかけにはほとんどの方が手を挙げます。
「いつまでも 自分のことが自分でできる で、いたいと思いますか?」

自分のことが自分でできる
これは、第1回でご紹介した介護保険法の目的にある【有する能力に応じ自立した日常生活を営むこと】という一文に合致します。

そしてこの一文は【営むことができるよう】と続きます。そのことを踏まえこの法文を要約すると、
【自分のことが自分でできる=自立した日常生活を営む】ことが、様々な原因で【自力でできない状態=要介護状態】にある方が

  • できることを続けていけるように
  • できないと思われたことを取り戻せるように
  • その上でできないことは代わりに行う

という、【自立生活型】支援が介護保険法(制度)の目的であることがわかります。
であれば、第2回でお伝えした【お世話型】介護ではなく、【自立生活型】支援が支援専門職の仕事であり、質を追求していく”型”だといえます。

ちなみにお手伝いさん(化した介護職)は身の回りのお世話はできたとしても、自立生活型支援はできません。
自立生活型支援では、要介護状態にあるその方の【状態と状況】を知る”専門性”が必要だからです。

  • 状態・・・健康状態、身体能力、知的能力、心の動きや意欲、ライフスタイルや価値観等
  • 状況・・・本人を取り囲む環境(人・建物・福祉用具・公的制度等)

そして自分が知った【状態と状況】からすると、その方は日常生活に必要なあのこと・このことで、何が【できる・取り戻せる・できない】のかを見極め、どの見極め結果にも応じること(実行)できる”専門性”も必要になるからです。

多くの人が望んでいる【いつまでも自分のことが自分できる】ことを支援する専門性を有した者、支援専門職。人が活きて生きることを支えることができるスペシャリストなのです。

梅本 聡

連載コラム