介舟ファミリー
介護ソフト・障害者福祉ソフト
私は子供の頃から絵を描くことが好きでした。これまでも変わらず描き続けてきた結果、今では多くの皆さんにご覧いただけるようになりました。絵を描くことは自分を表現すること、つまり自分の「らしさ」をみつけることでもあります。らしさを発揮した絵は、ご覧いただく方の日常に彩りを添えます。こうして、らしさは社会に好循環を与えていくのだと思います。では、いま、介護の現場ではどうでしょうか?個人と集団ではまた別の話、そう思われるかもしれませんが、私は介護現場でもそこで働く皆さんのらしさはみつけることができると考えます。
私は長年多くの方から介護を受けてきました。その現場でらしさを強く感じられたのが、「ちいさなイベント」でした。私が子供の頃過ごした療養所でも毎年12月になるとクリスマス会が行われました。そこでは、患者、職員(看護師、保育士、生活指導員)がグループを作り、それぞれが余興を披露しあい、楽しい時間を過ごす貴重な場となっていました。特に患者の生活の全てを支える看護師さんは普段、医療や介護で精一杯で、患者は、らしさを窺い知ることはほとんどありません。ですが、このクリスマス会だけは、普段、みることのできない「らしさ」に満ち溢れていました。また、この会の一番の魅力は、そこに用意された料理やケーキが看護師さんたちの手作りという点です。手料理を作る看護師さん同士も会話が弾み、それを美味しくいただく患者は心から笑顔で喜びを表現していました。そして、会の終わりには、互いに一年の感謝を伝え合い、みんなで聖歌を合唱する、その時、部屋の明かりは消され、患者一人ひとりの前にはキャンドルの優しい火が灯される、それを見つめる患者仲間や職員たちの生き生きとした姿は今でも私の心から離れません。このように、ちいさなイベントは、日常を離れ、そこに集う人たちの「らしさ」を感じるとることのできる年に一度の大切な習慣なのです。
私は人々の全ての活動は自己表現だと思っています。趣味や芸術活動に限らず、子育て、仕事、介護など、あらゆる活動は、すべて自分らしさをみつけるためにあると信じるからです。
1973年宮崎県生まれ。宮城県仙台市在住。幼少に進行性筋ジストロフィーを発症し、1999年(26歳)人工呼吸器を使用する。幼い頃から画家を目指し、2000年にCG作品の創作に取り組み始める。また2007年よりIT企業で在宅勤務をしている。2015年より(一社)障がい者アート協会を通じて多くの企業に作品が採用され、’21年より京都芸術大学芸術教養学科(通信制)に在学中。現在も日々、就労、学修、創作と幅広く活動を続けている。
自立した姿とは。これからも人にかかわろうとしている皆さんに考えてほしいこと
新年度が始まりました
いわゆる困難事例の“困難”の意味とは
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