「生活」という言葉を聞いて思い描くもの。
私の父は、よく「衣・食・住」という言葉を使っていたことを思い出す。
また、私の尊敬する専門職の大先輩は「意・医・食・職・住・遊・友」を合言葉に、ご自身の地域で障がいのある方々へすばらしい生活支援を展開されている。
私にとっての「生活」を表現しようとすると、例えば、生きるための諸活動、多様なつながり、好む好まざるに関係なく起きる様々な出来事、四季折々の風景、通り過ぎていく景色、ちょっとした希望と、思うようになり難い現実。
そしてそれらに伴う感情などなど。そもそも何のことであったかわからなくなる程に広がっていく。
障がい福祉の世界に携わることで、私の経験できることの幅はそうではない人生よりも明らかに広がったと感じる。
これまでに出会った数多くの方々との関わりを通して、「人の生活」とは本当に驚くほどに多様だということも知った。
人が多様なのだから、当然といえばそうなのだが、同時に知ったこととして、「人の生活の多様性」は、その人の周りを取り巻く状況や環境によって大きく影響を受けるということの実際である。
ある人は、「その方らしく多様」で在り得、またある人は本来の多様さを押しとどめて適応を優先せざるを得ない。
多様さの形が同じであっても、それが許容されるかどうかは全く別の話である。
何らかの支援を受ける方にとっての「生活」も、環境としての「支援の内容や質」に影響を受けることは明らかだろう。
その方にとっての、一分一秒、一日一日が本来多様な「その方らしさ」も内包した形で、安心でき充実した時間や空間となることで生活が潤うこと。
そうした生活支援をできる可能性があると考えると、大変なことも少なくないが、なかなかに素敵な仕事なのではないかと感じ入る。
全国に数多くいる対人援助職の仲間の皆様と共に、私もまだまだよりよい生活支援の在り様を模索し続けていきたい。
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