著名人コラム

第三回:繋がるって宝 ~「ノー」と言わない選択とその先の繋がり~

第三回:繋がるって宝 ~「ノー」と言わない選択とその先の繋がり~

「どこに相談しても断られてしまって……」。うちに来られた利用者の保護者の方が、そうぽつりとおっしゃっていたことがありました。

断るというか、いろいろなことがマッチできないというか…。
でも、「ノー」と言ってしまうのは、とてつもない後悔と寂しさが残ります。
断った瞬間に、その方との繋がりも、その先にあるはずだった新しい出会いや可能性も、全部途絶えてしまうような気がします。

だから私たちは、どんなに難しそうな相談でも、必ず断ることはしないで「どうやっていく?」と、みんなで考えることから始めてきました。
最初は本当に手探りばかりで、「どうしたらいいのか?」と悩むことも沢山ありました。
けれど、「まずは受け止めてみよう」という気持ちを続けているうちに、スタッフみんなで自然と知恵を絞り合えるようになりました。「こうしてみよう」「地域の人にも相談してみようか。」私一人では思いつかないことも、みんなでアイデアを出し合うことで、少しずつ先が見えてきました。

「ノー」と言わない選択って、決して格好良いことでも、無理をすることでもないと思っています。
ただ目の前の方と向き合おうとジタバタしているうちに、いつの間にかスタッフ同士の絆や、地域との温かい繋がりが広がっていた…
そんな感じなのかもしれません。

そうやってみんなで繋いできた選択の先にあったのは、特別なことではなくて、利用者のみんなと過ごす、「ただいま」や「おかえり」や「おはよう」や「さよなら」といった、本当に何気ない当たり前の日常です。
断らないことで少しずつ広くなっていった手と手が、誰かの「ありふれた毎日」をそっと支えている。それって、とても大切なことなんじゃないかなぁと思います。ちょっといいすぎでしょうか…。

高校生のころ、友人に誘われて参加した障害児キャンプ。
そこから自分自身のライフワークとなっていって、今の法人事業所があります。
悩みながらも、出会ったすべての人たちと一緒にバタバタと走り回ってきたから、今の私たちがあります。

振り返ってみれば、人と繋がり、地域と繋がり、そして沢山の温かい想いと繋がってこられたからこそ、なんとか今日までやってこられたのだと思います。
これからも大それたことはできませんが、目の前の人にそっと寄り添いながら、一緒に笑い合える当たり前の日常をずっと繋いでいけたらと思っています。

この記事を書いた人

渡邉映子

プロフィール

渡邉 映子

NPO法人風楽 代表

■経歴■
都立東大和療育センター・とぶき育成園での勤務を経て、自分がかかわる中で違和感を感じる。
このゆびとまれ(富山型デイサービス)の惣万さんのコラムに出会い、これだ!と思い、仲間と一緒に縁のあった南伊豆町で共生型の事業所を始める。

1分で登録できる

まずは無料体験をお試しください!

お問い合わせはこちら