今こそ介護としての組織力を高めよう Posted on 2015年5月11日2025年2月18日 by 管理者 HOME >コラム>溝呂木 大介 氏 日本の介護は捨てたもんじゃない。よく、北欧が福祉先進国だと取り上げられたりするけれど、それはあくまでその国の文化の中で、その国に住み慣れた人たちが、その国でしてきた生活を、年老いても、障がいを負っても継続できるということである。日本には日本の文化があって、日本でしてきた生活を継続するための福祉サービスがたくさんあるのだ。グループホーム・小規模多機能サービス・施設系サービス・在宅系サービス・どのサービスを覗いても、どの研修会に参加しても、芯のある、しっかりとした介護観を持ち合わせた介護士に必ず出会う。 そう、日本の介護はすごいのだ。もっともっと日本の介護士は福祉を支える存在として評価されるべきだし、自信を持って良い存在なのである。では、過小評価される原因は何だろうか。介護は組織力が弱すぎるのだ。東京都に限って言えば、約10万人の介護福祉士で、介護福祉士会に加入している人は約1600人。職業倫理や原則もしっかりあるのに、みんなが個人の努力だけで何とかしようとし、自分の頭と体をすり減らしながら毎日毎日踏ん張っている。本当にすり切れちゃう人だっている。今こそ介護としての組織力を高めよう。介護福祉士を対象としたある意識調査では、専門性に対する不安の要素は経験値の低さとの相関が高い事がわかっている。経験年数が上がるほどに多くの事例と向き合う機会が増え、その対応方法もより確立されるのである。我々はこの高めた経験値を次世代に受け渡さなくてはならない。たくさんの事例を積み重ね、我々が介護を始めた時よりも、明日から始める人の方がたくさんの参考事例を参照できる、そんな組織が今後求められる。今日までの自分の努力と経験の蓄積が、明日からの介護の世界全体の質を向上させる。介護にはそんな魅力もあるのだ。組織的に情報を共有することで進化し続ける本当の専門職集団として日本の介護の未来を支えよう。いつの日か、子供たちが憧れる職業に介護福祉士をランクインさせる事が私の夢である。 溝呂木 大介 氏 連載一覧 『なんで泣いちゃいけないの』 2015年7月13日 『「時刻」と「時間」のバランス』 2015年6月11日 今こそ介護としての組織力を高めよう 2015年5月11日 プロフィール (株)喜咲 代表取締役■経歴■普通科高校3年時に退学。通信制高校に通学の傍ら重症心身障がい者施設にて介護キャリアが始まる。2000年 老人保健施設ヒルトップロマン入職後、同法人である老人保健施設デンマークイン新宿の立ち上げに携わる(介護主任)。2010年 (株)ライフサイクロペディア ローズ療養通所介護の開設をし、現在に至る。介護福祉士の専門性の確立に力を入れており、『専門性を確立する会』の立ち上げで行った研究「専門性を確立するために 介護福祉士の仕事の根拠」を発表。2015年より、東京都介護福祉士会にて介護研究の方法の講師を務める。 関連コラム 芋の時代 2024年9月2日 ~ ヘルパーは「家族と同じ」 ~ に込められた利用者からのメッセージ 2012年8月10日 「サービスの質」は証明して初めて成り立つ理念 2014年7月18日 他のコラムを探す テーマで探す 介護の質介護職食事組織ケアシステム機器 職種で探す 大学教授経営者施設管理者専門職介護関係 \「介舟ファミリー」のお問合せはこちら/ お問合せはこちら 無料体験はこちら 資料ダウンロード