【具体策あり】訪問介護事業所の人手不足が深刻化しているのはなぜ?原因と人材確保のための解決策などを詳しく解説!

【具体策あり】訪問介護事業所の人手不足が深刻化しているのはなぜ?原因と人材確保のための解決策などを詳しく解説!

2024年度の介護報酬改定後、訪問介護業界は未曾有の危機に直面しています。厚生労働省の調査によると、 6割近くの訪問介護事業所が減収となり、その主要因として深刻な人手不足が挙げられています。人手不足により、利用者からの依頼があってもサービス提供を断らざるを得ない事業所が急増し、結果として訪問回数の減少と収益悪化の悪循環に陥っています。
特に中山間・離島地域では58.7%もの事業所が減収を経験し、運営継続に問題なしと回答した事業所はわずか1割を下回る状況です。本記事では、この深刻な人手不足問題の現状を詳しく分析し、具体的な解決策と今後の展望について解説します。

訪問介護の人手不足が深刻化している現状

厚生労働省が2024年9月に実施した調査では、全国の訪問介護事業所約3,300ヶ所を対象としており、 5割から6割弱の事業所が減収となっていることが明らかになりました。特に深刻なのは地方部で、中山間・離島地域では58.7%の事業所が前年同月比で5%以上の減収を記録しています。都市部においても同様の傾向が見られ、介護保険収入の減少が全国的な問題となっています。

 

一方で、基本報酬の引き下げによる減収と併せて問題視されているのが、利用者からの依頼があってもサービス提供を断らざるを得ない状況の増加です。都市部・地方部を問わず、6割を超える事業所で利用者宅への訪問回数が減少しており、これは単に需要の減少ではなく、対応可能な職員数の不足が主要因となっています。


さらに事業所の休止・廃止数が前年度比で約1割増加しています。やはりその主要因も「人員の不足」であり、「運営継続に問題なし」と回答した介護事業所は1割を切る状況となっています。この深刻化する人手不足の状況は、介護サービス提供体制そのものを脅かし、事業所の職員だけでなく、利用者とその家族に大きな不安をもたらしています。

訪問介護で人手不足が進む根本的な理由

ではなぜここまで人手不足が深刻化しているのでしょうか。主に以下のような理由が考えられます。

介護報酬改定で訪問介護はマイナス改定になった

2024年度の介護報酬改定では、訪問介護の基本報酬が引き下げられており、これが人手不足を加速させる重要な要因と考えられています。 基本報酬の減額により、事業所の収益基盤が悪化し、職員への処遇改善が困難になったためです。特に小規模事業所では、この影響が顕著に現れており、優秀な人材の確保や既存職員の定着が一層困難になっています。
報酬改定により、事業所は以前よりも限られた予算の中である程度の質は確保したサービスを提供する必要がありますが、一方で深刻化する人手不足によりさらに職員一人あたりの負担が増加する結果となっています。この状況は職員のモチベーション低下を招き、さらに人手不足を悪化させることにつながります。この構造的な問題が解決されない限り、人手不足の根本的な改善は困難な状況が続くと予想されます。

処遇改善・適切な報酬体系の構築がなされていない

処遇改善加算を取得している訪問介護職員の平均給与は、調査した前年より約1万円以上増額になっていますが、それでも人手不足は止まっていません。訪問介護員の処遇はほかの施設系サービスと比較して中程度の位置にあるといえますが、「 身体的・精神的負担が大きい業務内容に対して、報酬が見合わない」という現実が、新規参入者の確保を困難にし、既存職員の離職率を高めています。
このように処遇改善加算などの制度はあるものの、その効果は限定的であり、根本的な賃金改善には至っていません。また、昇進や昇格の機会が少ないことも、長期的なキャリア形成を困難にし、優秀な人材の流出を招いています。労働に見合った適正な報酬体系の構築が、人手不足解決の急務となっています。

労働環境が良くないケースが多い

訪問介護特有の労働環境は、多くの労働者にとって働きにくい条件となっています。よくある課題としては、 利用者宅間の移動時間が長時間に及ぶにも関わらず、この時間が十分に評価されていないことです。特に地方部では移動距離が長く、一日の大部分を移動に費やすケースも少なくありません。

 

また、基本的に一人で利用者宅を訪問するため、緊急時の対応や判断を一人で行わなければならない責任の重さも、精神的な負担となっています。夜間や休日の対応についても、オンコール体制などにより職員の負担が増加し、プライベートな時間の確保が困難になっています。


さらに、天候に左右される屋外での移動や、各家庭の異なる環境への適応など、身体的・精神的なストレスが多い職場環境が、人材の定着を妨げる要因となっています。働き方改革が求められる中、これらの課題への対処が急務となっています。

介護職全般に対する社会的なイメージが良くない・認知度が低い

介護職全般に対する社会的なイメージの問題も人手不足の一因となっています。 「きつい、汚い、危険」という3Kのイメージや、専門性に対する社会的認知の低さが、若年層の職業選択において介護分野を敬遠させる要因となっています。

 

さらに、日本全体で少子高齢化が進んでおり、他業種での人手不足も深刻化しているため、より条件の良い職場への人材流出も続いています。地域によっては公共交通機関の減便や廃止により、訪問介護職員の移動手段が限られるという物理的な制約も生じています。

訪問介護の人手不足を解決する具体策

人手不足が深刻化する中でどのような対策に力を入れるべきでしょうか。主に以下の対策が有効です。

処遇改善加算・特定事業所加算の活用

先述した処遇改善加算や特定事業所加算などの各種加算の積極的な取得は、事業所の収益改善だけでなく 職員の処遇改善と人材確保の重要な手段となります。

 

例えば処遇改善加算を取得することで職員一人当たり最大月額37,000円も受け取ることができます。特定事業所加算では、サービス提供体制の強化により基本報酬の最大20%の加算が得られ、安定した収益基盤の構築が可能です。


これらの加算を取得するためには、職員の資質向上や環境整備が必要ですが、結果として組織全体のレベルアップにもつながります。加算取得により増加した収益を職員の給与アップや労働環境改善に還元することで、職員満足度の向上と定着率の改善が期待できます。また、処遇改善の実績は求人活動においても大きなアピールポイントとなり、新規人材の確保にも効果を発揮します。

ICT化による業務効率化

ICT化の推進は、限られた人材で効率的なサービス提供を実現する鍵となります。訪問スケジュールを管理できるシステムを導入することで、移動時間の最適化と無駄な時間の削減が可能になり、一日あたりの訪問件数を増加させることができます。

 

また、介護ソフト導入による記録業務のデジタル化では、手書きの介護記録をタブレットやスマートフォンで入力でき、記録時間の短縮と正確性の向上が実現できます。リアルタイムでの情報共有が可能となり、チーム間の連携も向上するでしょう。


ほかにも移動ルートを最適化できるシステムを導入することで、GPS機能を活用して最短経路を提案し、移動時間とコストの削減を図れます。さらに、バイタルサインの自動測定機器や見守りセンサーの活用により、職員の業務負担軽減と利用者の安全確保を両立できます。これらのICT化により、 職員は本来の介護業務により集中でき、やりがいの向上、ひいては人材不足解消に貢献します。

働きやすい環境づくり

職員が長期的に働き続けられる環境の整備は、人手不足解決の重要な要素です。フレキシブルな勤務体系を導入することで、パートタイムやフルタイム、短時間正社員など多様な働き方が可能となり、 子育て世代や高齢者などさまざまなライフステージの人材を活用できます。加えてチームケア体制を構築することで、一人の職員にかかる負担を分散し、緊急時のサポート体制も強化できます。
また、スキルアップのための研修制度の充実や、資格取得支援制度の導入により、職員のキャリア形成をサポートすることで働きやすい環境づくりにつながります。ほかにも職場内のコミュニケーション向上のための取り組みや、職員同士の交流促進することも重要です。さらに、適切な休暇制度の確立や、有給休暇の取得促進により、ワークライフバランスの改善を図ります。
これらの取り組みにより、職員満足度を向上させ、離職率の低下と新規採用の促進を実現しましょう。

人材確保・育成の取り組み

多様な人材の確保と効果的な育成プログラムの実施に取り組むことで、人手不足解消を目指せます。外国人材の活用では、EPA(経済連携協定)やSSW(特定技能)制度を活用し、海外からの人材受け入れを推進します。言語サポートや文化的な配慮を含む受け入れ体制の整備により、外国人職員の定着率向上を図ります。
また、未経験者向けの研修プログラムでは、基礎的な介護技術から実践的なスキルまで 段階的に学べるカリキュラムを構築し、安心して業務に取り組める環境を提供しましょう。一方で他業種からの転職支援では、これまでの経験やスキルを活かせる職場環境を整備し、キャリアチェンジを促進します。
さらに地域の教育機関との連携により、介護職を目指す学生の実習受け入れや就職支援を行いましょう。職場体験や見学会の実施により、介護職の魅力を広く発信でき、潜在的な人材を発掘できる可能性があります。ほかにも既存職員の紹介制度や地域のハローワークとの連携により、効果的な人材確保を推進しましょう。

人材シェアリングとワークシェアリングの活用

人材シェアリングとは、複数の訪問介護事業所間で職員を共有・融通し合う仕組みで、従来の「1つの事業所で1人の職員が勤務する」という雇用形態から、「複数の事業所で1人の職員が働く」という新しい働き方を実現します。具体的には、送迎、入浴介助、食事介助などの業務ごとに専門スタッフを配置し、これらの 人材を複数の事業所間で共有することで、限られた人材を効率的に活用できます。
一方、ワークシェアリングは事業所内で一つの業務を複数人で分担し、労働時間の短縮や雇用機会の創出を目指す制度です。育児中の主婦、学生、定年退職したアクティブシニアなど、フルタイム勤務が困難な多様な人材層を取り込むことが可能となり、慢性的な人材不足の緩和につながります。実際に官民一体となって人材シェアリング・ワークシェアリングがすでに活用されています。

人手不足解消に役立つ訪問介護×ICT活用事例

訪問介護や通所介護などさまざまな介護サービスを展開されている株式会社ミストラルサービス様では、人手不足にも役立つICTを活用されています。

導入前の課題・きっかけ

利用者の実施記録を紙で管理していたため、ヘルパー間での情報共有に偏りが生じていました。請求業務も別ソフトを使用しており、作業工数が多く、契約から請求管理・入金管理まで一元管理できるソフトが必要でした。

介護ソフト「介舟ファミリー」を選ばれたポイント

そこで、上記の課題解決のために介護ソフト「介舟ファミリー」を選択されました。帳票のExcel出力対応や国保連だけでなく役所提出書類への対応、国保連請求から支払決定取込まで一貫して対応できる点などを評価されています。

導入後の変化

クラウド化によりタブレット対応となり、ケアマネが訪問先で直接登録できるようになったことで、転記が必要なくなったため、事務作業が激減しました。またCare-wing連携により現場と事務の記録管理が容易になり、利用者様の状況観察も常に最新データが確認できるようになりました。さらに複数サービス利用者の一元管理が行いやすくなったことや情報共有内容が手厚くなったこと、事務員でも操作しやすくなったため、管理者やサ責はその分他業務に時間を割けるようになりました。
上記のように訪問介護の現場でも ICTを活用することで間接業務が大幅に削減され、限られた人数でも事業所をスムーズに運営できるようになっています。

訪問介護業界の今後の展望と対策

2024年度の報酬改定を経て、訪問介護業界は大きな転換点を迎えています。団塊の世代が後期高齢者となることで、介護需要は今後爆発的に増加する一方、人材不足はさらに加速することが考えられます。

 

この状況を乗り切るため、 業界全体でのICT化が加速しており、先端技術を活用したケアプランの最適化や、IoT機器による見守りシステムの普及などが進んでいます。政府もこの動きを重点政策として位置づけ、補助金制度の拡充や規制緩和を進めています。


また、外国人材の活用拡大やロボット技術の導入、テレワーク可能な業務の切り分けなど、従来の枠組みを超えた革新的な取り組みがすでに広がりつつあります。持続可能な事業運営のためには、こうしたICT活用による生産性向上を目指した取り組みが今後ますます重要性を増していくでしょう。

訪問介護事業所の収益改善には多様な人材確保策を講じる必要がある

訪問介護の人手不足問題は、単なる労働力不足ではなく、処遇改善・適切な報酬体系の構築の遅れ、基本報酬の減額、労働環境の課題など複合的な要因により生じている構造的な問題です。

この問題を解決するためには、各種加算の積極的な取得、ICT化の推進や働きやすい環境づくり、多様な人材確保策を組み合わせた総合的なアプローチが必要です。特に、 限られた人材で最大限の効果を発揮するための業務効率化は急務であり、介護ソフト導入による記録業務の簡素化、スケジュール管理の最適化、チーム間の情報共有強化などが有効な解決策となります。

数ある介護ソフトの中でもイマ話題の介護ソフト「介舟ファミリー」は、シェア増加率188%・継続率95%・導入事業所数17,000以上と豊富な実績や役立つ機能、丁寧なサポート体制により多くの介護事業所様に選ばれています。介舟ファミリー導入で業務効率化を実現し、人手不足対策に活用しましょう。まずは、以下のお役立ち資料をご覧ください。

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障害者福祉サービスの人手不足の原因とは?具体的な対策をわかりやすく解説

障害者福祉サービスの人手不足の原因とは?具体的な対策をわかりやすく解説

障害者福祉サービスの現場では、深刻な人手不足が続いています。この問題は、事業所のサービスの質の低下や職員の負担増加につながり、利用者の生活にも直接影響を及ぼす重大な課題となっています。
本記事では、人手不足の現状と原因を詳しく分析し、具体的な対策を提案します。さらに、業務効率化によって人手不足を解消した事例も紹介します。

障害者福祉業界における人手不足の現状

障害者福祉業界の人手不足は年々深刻化しています。

独立行政法人福祉医療機構 経営サポートセンター リサーチグループの2023年の調査によると、障害福祉サービス事業所の約52%が「職員が不足している」と回答しており、特に居住系では夜勤、児童系では送迎に不足感が強いと感じている事業所もありました。

このように障害福祉サービス業界における人手不足は、サービスの質の低下や既存職員の負担増加、さらには施設の閉鎖にまでつながる可能性があり、業界全体の大きな課題となっています。実際、職員不足により通所サービスを制限している事業所も多くあり、その数は2020年よりも増加しています。

障害者福祉業界における人手不足の原因

障害者福祉業界における人手不足の主な原因は以下の通りです。

低水準の給与

障害者福祉業界の給与水準は、他業種と比較すると低い傾向にあります。令和4年9月時点における平均給与額は315,350円であり、徐々に平均給与額は増加傾向にあるものの、上記の人材確保に関する調査では、「他産業より低い賃金水準」と約68%もの回答者が答えています。この低賃金の状態が、新規人材の確保を難しくし、既存職員の離職率を高める一因となっています。

また、同調査では「高いスキルを求められるのに相談支援の報酬額が低い」といった内容もあり、仕事内容に対し賃金が見合っていないことも労働に対するモチベーションの低下を招き、人手不足の要因として挙げられます。

精神的・身体的な疲労

障害者福祉の現場では、利用者の多様なニーズに応えるため、職員は常に高い集中力と体力を要求されます。

特に精神障害を抱えている利用者とのコミュニケーションが取りにくい場合もあり、うまくコミュニケーションが取れないと怒って暴力・暴言を振るってしまう利用者もいるため、精神的・身体的な疲労を抱えてしまう人も少なくありません。

職員の高齢化

現在、日本は少子高齢化が進んでおり、障害福祉業界も職員の高齢化により人手不足が起きてしまっています。この高齢化に伴い、経験豊富な職員は退職する一方で、安定的に若手人材を確保できていないため技術やノウハウの継承が滞っている事業所も少なくありません。

実際、障害者支援事業所の労働条件を調査した結果、平均年齢は46歳で最高齢は89歳でした。また勤続年数は5年未満が半数以上を占めており、次いで5~10年未満が25%でした。このように20~30代の若手人材が十分育っているとはいえず、5年未満で退職する従業員も多いため技術やノウハウの引継ぎが困難な状況に陥っていることがわかります。

障害福祉サービスへの認識

一般社会における障害福祉サービスの認知度は依然として低く、その重要性や魅力が十分に理解されていないことが多いでしょう。少子高齢化のため介護業界については理解が広がりを見せていますが、いまだ障害福祉サービスの認識は進んでいないのが現状です。

多くの人々が、障害者福祉の仕事を単純な介護や支援と捉えがちですが、実際には利用者の自立支援や社会参加の促進など、やりがいのある専門性の高い仕事です。この認識のギャップが、新規人材の参入を妨げる一因となっています。

従業員への研修・教育不足

障害者福祉の現場では、専門的な知識やスキルが求められますが、人手不足のため十分な研修や教育の時間を確保できていない施設も少なくありません。適切な研修が行われなければ、うまく仕事に定着できずにモチベーション低下や離職につながる可能性があります。

業務効率の低さ

現在、いまだに紙ベースの記録や手作業による事務処理が主流な事業所も多く、これらの非効率な業務プロセスが、職員の負担を増大させ、本来注力すべき利用者支援の時間が少なくしてしまいます。また、デジタル化の遅れにより、情報共有やデータ分析が十分に行えず、サービスの質の向上や業務改善に活かせていない現状があります。ITツールの導入や業務プロセスの見直しによる効率化は、人手不足解消の大きな鍵となるでしょう。

人手不足の解決策

人手不足解消にはどのような方策が考えられるでしょうか。

給与や福利厚生の見直し

障害者福祉業界の人材確保・定着のためには、給与水準の引き上げが不可欠です。まずは給与に上乗せされる処遇改善加算などのさまざまな加算をできるだけ多く取得できるようにしましょう。また加算だけに取り組むのではなく、事業所の給与体系も見直し、より従業員が働きたいと思えるような制度を導入しましょう。例えば、経験や資格に応じた給与体系の整備、業績連動型のボーナス制度の導入などが考えられます。

ほかにも、福利厚生の充実も重要です。有給休暇の取得促進、育児・介護支援制度の拡充、メンタルヘルスケアの提供など、職員のワークライフバランスを支援する取り組みが効果的です。

業務の見直し

業務効率化を行うことで、従業員の負担を軽減し労働意欲を向上できるため人手不足解消につながります。

まず、現在の業務プロセスを棚卸しし、必要性の低い業務の廃止や簡素化を図りましょう。次に、職員の専門性を活かせるよう業務分担を最適化します。例えば、介護職と事務職の明確な役割分担や、パート職員の活用などが考えられます。さらに、ムダな会議や報告書の削減、マニュアルの整備による業務の標準化なども効果的です。これらの取り組みにより、職員の負担軽減と業務効率の向上が期待できます。

社会的な認知度の向上

障害者福祉サービスの魅力や重要性はまだ社会に広がっていないため、認知度を向上することで人材確保につながります。具体的な施策としては、以下のようなものが考えられます。

  • SNSの活用
    若年世代が活用しているSNSを用いて日々の活動や職員の声を発信し、業界の魅力を伝える
  • 学校との連携
    福祉系学校での講演や実習受け入れを積極的に行う
  • メディア露出
    地域メディアやWeb媒体で施設の取り組みを紹介する

これらの活動を通じて、障害者福祉の仕事が社会に与える影響や、やりがいを広く伝えることができるでしょう。

職場環境の改善

職員が長く働き続けられる環境づくりは、人材定着につながり人手不足解消の要因になります。具体的には以下のような取り組みが効果的です。

  • コミュニケーションの活性化
    従業員との定期的な面談や意見交換会の実施
  • キャリアパスの明確化
    昇進・昇格基準の透明化、スキルアップ支援制度の導入
  • 多様な働き方の導入
    フレックスタイム制やテレワークの導入
  • 心身の健康サポート
    定期的な健康診断、従業員のメンタルヘルスケアの提供
  • 福利厚生の充実
    休憩スペースの改善、職員寮の整備など

これらの取り組みにより、職員の満足度向上と離職率の低下が期待できます。

ITツールの導入

ITツールの活用は、業務効率化と質の向上に大きく貢献します。これまで手間だった記録業務や請求業務などを一括で行え、ミスも大幅に軽減できます。また、さまざまなソフトと連携もできるためシームレスに業務を行えるでしょう。

これらのITツールを適切に導入することで、職員の負担軽減と本来のサービスの質が向上できます。ただし、導入に当たっては、職員への十分な研修と段階的な移行が重要です。

ITツール導入で業務効率化に成功した事例

ある障害者支援施設では、ITツールの導入と業務プロセスの見直しにより、大幅な業務効率化を実現しました。

株式会社ミストラルサービスでは、計画相談支援や障害児相談支援、放課後等デイサービスなどさまざまな障害者福祉サービスを提供しています。従来紙での業務管理を行っていましたが、ヘルパー間での情報共有に課題感を抱いていました。また、請求業務はソフトを導入していましたが、作業工数が多く負担感が大きいと悩んでいました。

そこで、契約から業務管理、請求管理・入金管理まで一元管理出来るソフトを探しており、福祉ソフトの「介舟ファミリー」を導入しました。介舟ファミリーでは、タブレット端末を利用できるためヘルパーがその場でサービス内容を記録でき、事務所に戻って転記する作業などが激減しました。また、事業所をまたいで利用されている方の情報も一元管理で共有されるため、共有内容に厚みが増し、手厚いサービスを実施できるようになりました。さらに請求から支払い決定取込まで一気通貫で対応できるため、大幅に作業時間が短縮しました。

このように現場職員や事業所の業務が大幅に向上できたため、喜びの声を上げておられます。詳しくは、こちらからご覧ください。

業務効率化を実現して人手不足を解消しよう

障害者福祉サービスにおける人手不足は、さまざまな要因によって引き起こされている課題です。

人手不足解消のためには給与水準や福利厚生の見直し、障害福祉サービスの認知度向上、職場環境の改善、業務効率化などの取り組みが欠かせません。

これらの取り組みは、単に人手不足を解消するだけでなく、職員の働きがいを高め、サービスの質を向上させることにもつながります。結果として、利用者満足度の向上、ひいては障害者の方々のQOL(生活の質)向上にも貢献するでしょう。

そこで、ITツールを導入することをおすすめします。

特におすすめなのが、介護ソフトで知られる「介舟ファミリー」です。継続率95%、17,000以上の導入実績を持つこのソフトは、障害福祉サービスにも対応しています。煩雑な記録から請求業務まで一貫して管理できるため、業務効率の大幅な向上が期待できます。

さらに、導入時のサポートはもちろん、利用中も手厚いフォローアップを提供しているため、安心してお使いいただけます。この介舟ファミリー導入により、業務効率化を実現し人手不足解消に期待できます。

この機会にぜひ一度「介舟ファミリー」をご検討されてはいかがでしょうか。

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介護施設の深刻な人手不足!現状と今後の改善策を徹底解説

介護施設の深刻な人手不足!現状と今後の改善策を徹底解説

高齢化が加速度をつけて進む日本。「2025年問題」も目前にせまり、介護施設の人手不足はさらに深刻になると予測されています。事業所を運営する責任者にとって、人材の確保は大きな課題のひとつでしょう。
本記事では、人手不足に悩む事業所に向けて、人手不足解消のヒントとなる改善策を紹介します。

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介護施設の人材需要の現状と今後の見通し

ほとんどの介護施設で大きな課題のひとつとして挙げられるのが「人手不足」です。「求人募集しても、施設側の希望にあった応募者が集まらない」、「応募数がそもそも少ない」、さらには「採用してもすぐに辞めてしまう」といった状況なのです。採用難と高い離職率が、介護現場の人手不足の原因だと考えられます。この問題の解決策を紹介する前に、求人募集に応募が少ない理由、職員が辞めてしまう理由を見てみましょう。そこに人手不足解消のヒントがあるようです。

【介護施設に応募しない理由】

  • 理由1:介護業界は3Kというイメージがある

    キツイ、キタナイ、キケンの3Kのイメージが強い介護の仕事。これだけで「もう、無理」と敬遠し、求人応募の対象外とする人もいます。

  • 理由2:力仕事や夜勤による身体的負担
    力仕事の多い介護の仕事。デスクワークよりもハードなイメージです。また、介護施設は夜勤業務、休日勤務もあります。シフト制の不規則な勤務は、小さな子どもがいる家庭や、高齢者を抱えている家庭の主婦には難しいと敬遠されてしまう傾向にあるようです。
  • 理由3:給与水準が低い
    介護福祉士の介護福祉士の平均給与額は、平均年齢44.6歳で月額 334,510円です。これは同年齢の一般会社員に比べて低いため、介護士より一般会社員を希望する人も少なくないです。

【介護施設を離職する理由】

  • 理由1:身体的、精神的な不調
    介護の仕事は主に肉体労働です。入浴や排せつなどの介助、ベッドから車いすへの移乗などは腰を痛めてしまいがち。また、利用者にはいろいろな人がいます。その一人ひとりと向き合うことにストレスを感じる職員も一定数の割合でいます。身体的、精神的な負担に耐えられず、介護職を辞める人も多いのです。
  • 理由2:事業所の運営方針への不満
    介護職を志す人は、自分なりの理念を持っている人もたくさんいます。しかし、実際に働いてみると理想と現実の乖離に悩むこともしばしばのようです。施設の運営方針や、職員間での介護に対する考え方や働き方の違いに悩み、辞める人もいます。
  • 理由3:収入が少ない
    小さなミスが利用者の命にかかわる介護現場は、つねに緊張の連続です。そのうえ夜勤や休日出勤などもあり、ハードな勤務条件の割に収入は競合他産業と比べて低いため、仕事に限界を感じ介護の職場を離れる人もいます。
    そのような状況をかんがみて、政府は2016年6月2日閣議決定「ニッポン一億総活躍プラン」で、「平成29年度(2017年度)からキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均1万円相当の改善を行う」対策を打ち出しました。それでも、収入面ではまだまだ同年代の一般会社員と比較しても低いのです。
  • 理由4:労働時間、出勤日などが合わない
    介護職は365日、24時間体制の勤務です。そのため、家族と休日を一緒に過ごせない、夜勤があるため家族と生活時間が合わないなどの理由で介護の仕事を続けられない人もいます。

今後の見通し:高齢者人口の増加と少子化

採用難と、離職率が高い介護業界の今後の見通しはどうでしょうか。介護業界は近い将来、「高齢者人口の増加」と「少子化」という問題に直面するといわれています。2015年には「ベビーブーム世代(団塊世代)」が前期高齢者(65~74 歳)に到達し、2025年には高齢者人口が約3,500万人に達する見込みです。それにともない、認知症高齢者数は約320 万人になるという推計も出ています。

少子化問題は政府もいろいろな対策を行っていますが、2025年問題が目前に迫っている今、介護現場の人材が足りなくなるのは必至です。厚生労働省発表の社会保障審議会介護給付費分科会資料「介護人材確保対策(参考資料)」によると、2025年度の介護人材は 215 万人の見込みなのに対して、必要となる介護人材が253万人で、約38万人不足するとされています。介護施設の運営者は、人材不足の打開策を今から考えておく必要があります。

介護職の求人に応募しない理由、介護職を離職する理由のどちらにも、似たような問題が挙げられます。この問題を解決することが、人手不足を解消できる糸口になるはずです。

人手不足を解消するための打開策

人手不足を解消する方法として、次のふたつの問題を改善することが考えられます。

  1. 採用率を上げる
  2. 離職率を下げる

採用率を上げる

給与や待遇の改善

  • 介護職員処遇改善加算制度を導入し介護職員の低賃金を改善 介護職員の賃金改善の対策のひとつとして「介護職員処遇改善加算制度」があります。これは職員のスキルに応じて賃金を加算する制度です。申請の流れは、「キャリアパス」や「職場環境等要件」などの要件を満たした事業者が、都道府県または市町村に届け出たうえで、国保連(国民健康保険団体連合会)に加算請求をします。請求内容が認められると加算が事業所に支払われます。加算分を職員の賃金に上乗せして支払うことで職員の給与金額が上がる仕組みです。「加算Ⅰ」に該当する職員は37,000円相当の加算対象です。 介護職員処遇改善加算の詳細は「介護職員処遇改善加算|厚生労働省」を参考にしてください。
  • 時間外労働や深夜労働の見直し 介護職を選ばない理由、または離職理由に共通して挙がっている不規則なシフト勤務。家庭の事情やプライベートなどが優先されないという現状を払しょくしましょう。シフトで足りない人員は、積極的に外部スタッフを導入することで問題解消に努めます。
  • ユニットケアの導入 不特定多数の利用者や、大勢の人と働くことにストレスを感じる人もいます。ユニットケアは、入居者の10名程度を1ユニットとし、ユニットごとに固定されたメンバーで介護する方法です。少人数で介護し、スタッフも1チームで限られたメンバーとなるため、人間関係の精神的な負担が軽減されます。

介護に特化した人材派遣会社や求人サイトの利用

離職率を下げるためには、職員の働き方改革が必要です。休みを取りやすい環境づくりを考えましょう。ただし、休暇中の職員の穴埋めを同僚職員がフォローするのでは、問題解決につながりません。また、職員の休暇申請日が重なることもあるでしょう。深夜勤務の職員が不足したり、体調不良で急に欠員が出たりした場合にも、職員同士でカバーする体制では、どうしても誰かに負担がかかります。そのようなときは、外部の人材活用を検討するとよいでしょう。

  • 人材派遣サービス
    人材派遣業者に登録し、急に欠員が生じた際に派遣ヘルパーを要請する体制を構築しておきます。
  • 求人サイト
    介護に特化した求人サイトは費用がかさむ一方で、希望どおりの紹介につながらないことが多いようです。そのため、求人サイトはダメだとあきらめている施設も多いでしょう。しかし最近では、掛け捨て型ではなく、成果報酬型で応募があったときにだけ費用が発生する求人サイトも出てきています。利用を検討するのもよいでしょう。

外国人人材の受け入れ

外国人介護士の採用はもう避けては通れないかもしれません。EPA・技能実習制度・特定技能などの制度が次々と導入されており、インドネシア・ベトナム・フィリピン・ミャンマーなど、協定を結ぶ国も増えつつあります。
人手不足の解消に外国人人材採用がカギとなる可能性は否定できないでしょう。

介護ロボットの導入を検討する

力仕事には介護ロボットの導入を検討します。3Kのイメージを解消するためにも、ロボットに任せられる仕事はロボットに振り分けることをおすすめします。
介護業界におけるAI技術を導入した介護ロボットなどの導入の必要性や効果、活用事例について詳しく知りたい方は、介護AIは介護人材不足の救世主?AIが介護にもたらす影響のコラム参考にしてみてください。

離職率を下げる

適切な評価制度や面談によるサポートの実施

責任者が定期的に面談をし、適切な評価をすることで、労働に見合う昇給を実施します。頑張りが評価につながることで、やりがいのある仕事になるでしょう。

介護現場ではどのような評価制度の導入や取り組みを行ったらよいかなど詳しく知りたい方は、介護現場の人材育成はなぜ重要?メリットや取り組み方を解説のコラムを参考にしてみてください。

ICT化による業務負担の軽減・効率化

介護事務作業のICT化は、利用者の情報管理、毎月のタイムシートの集計、ケアプランの管理、一気通貫でダブルチェック不要と、職員の作業を大幅に軽減できます。なかでも介護ソフトは、タブレットやスマートフォンで利用できるものも多く、業務の合間に介護記録がつけられれば、職員はより多くの時間を介護業務に集中できます。

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介護福祉士資格取得のサポート

給与を上げるためには、やはりスキルアップが必要です。最近では、初任者研修・実務者研修・介護福祉士・介護支援専門員などの資格取得を奨励し、シフトの優遇や、資格取得費用の支援を行っている事業所もあります。自治体によっては学費の返還免除制度を設けていることもあります。こうした支援制度を取り入れて離職率を下げる対策も必要です。

人手不足の改善には働きやすい環境の整備が重要

人手不足解消のために介護施設の経営者がすべき改善方法はいろいろ考えられます。例えば、人材派遣サービスや外国人人材を積極的に活用し、職員の業務を少しでも軽減することが可能です。また、給料のアップや、介護職員のスキルアップをサポートするための体制を整えることも欠かせません。さらに、適切な評価制度を取り入れて、それに合わせて待遇を改善することも施設運営者の重要な仕事です。

早急に実行できる業務負担軽減策としては、介護施設のICT化が有効です。厚生労働省もICT化を推進しているため、今こそ取り組むことをおすすめします。特に介護ソフトを導入すると、タブレットやスマートフォンから介護日誌作成が可能になります。「介舟ファミリー」は、シンプルな画面で直感的に操作ができるつくりの介護ソフトです。タブレットやパソコンの操作に慣れていない人でもなじみやすいでしょう。

これからやってくる2025年問題の対策として、介護ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

介舟ファミリーは、介護と障害者福祉の両制度に対応し、事業所が必要な機能を標準で提供しています。包括的なサポート体制があり、初めての利用でも安心して導入できます。どうぞお気軽にお問い合わせください。

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