リリース(2024年4月バージョンアップ)

2024年04月30日

4 月のバージョンアップ内容について。

令和6年介護保険/障害福祉の制度改正に対応した定期アップデートを実施致しました。

 介護保険

  • 4月施行サービスコードの請求データ作成
  • 計画費の算定
  • 様式の変更(介護給付費明細書、サービス提供証明書)

 障害福祉

  • 4月施行サービスコードの請求データ作成
  • 加算新設/変更に伴う事業所情報の設定
  • 様式の変更(実績記録票)

介護施設の夜勤体制とは?現状と業務軽減のための対策について解説

介護施設の夜勤体制とは?現状と業務軽減のための対策について解説

特別養護老人ホームやグループホームなど入居者が暮らす介護施設では、24時間体制の見守りが必要です。そのため夜勤スタッフが常駐します。
しかし、多くの施設での夜勤は2交代制で、1人で対応する施設も多いのが現状です。スタッフに大きな負担がかかる夜勤体制を改善するためには、どうしたらいいのでしょうか。施設の運営責任者として、見逃せない問題です。

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介護施設における夜勤体制とは

介護施設の夜勤体制はどのようになっているのでしょうか。それぞれの施設ごとに見てみましょう。

介護施設における夜勤体制と人数

介護施設の入居者のほとんどは高齢者です。高齢者は転倒、誤嚥(ごえん)をはじめ、心臓発作や脳出血などを起こすリスクも高いため、介護職員は24時間体制で入居者を見守っています。昼間はスタッフもそろっているので目が届きやすいですが、夜間は少人数体制での見守りとなる施設がほとんどです。そして、その人数は施設によっても異なります。

特別養護老人ホーム

入居者の多くは、生活するために介助を必要とされる方か、認知症の方です。そのため、入居者25人につき1人以上のスタッフが対応しなければいけないと法律で決まっています。

介護老人保健施設

ケガや病気の人が、回復期において自宅に戻るためのリハビリをするのが介護老人保健施設です。夜勤は入居者40人に1人でも法的には可能ですが、多くの施設では複数人体制を整えています。特別養護老人ホームとは異なり、原則として必ず看護師も夜勤で常駐していなければいけません。

有料老人ホーム

介護が必要な人、そうでない人が混在している有料老人ホームでは、自立した人もいるため、夜勤のスタッフの配置人数が少ないところもあります。

グループホーム

認知症の高齢者が入居しているため、夜勤は1ユニット(5~9人)を1人のスタッフで担当することが多いです。

夜勤の勤務時間

2交代制、3交代制、4交代制など、夜勤の体制は職場によって異なります。介護施設で比較的多いのは、2交代制です。

【2交代制の勤務時間の例】

  • 日勤:9:00~18:00
  • 夜勤:16:00~翌10:00(休憩2時間)

夜勤は休憩が1~2時間入り、実働16時間となっている施設が多いです。その間に交代で仮眠ができる施設もあります。

ただし、22:00~翌5:00までは「深夜の時間帯」として、割増賃金が発生します。

夜勤の回数

労働時間だけでなく、スタッフが1カ月間に何日夜勤ができるのかについても特には決まっていません。施設によって回数はさまざまです。

公益財団法人介護労働安定センターの「令和2年度介護労働実態調査 介護労働者の就業実態と就業意識調査結果報告書」によると、深夜勤務が月に「5回以上7回未満」という回答が40.1%と最も多く、次いで「3回以上 5回未満」という回答が27.6%でした。

日本医療労働組合連合会の「2021年介護施設夜勤実態調査」では、小規模多機能型、看護小規模多機能型以外の2交代夜勤制を取っている施設では、夜勤回数が平均4回を超え、グループホームとショートでは最多5.1回という回答でした。

介護施設における夜勤の仕事内容

入居者の多くが就寝するため、夜勤の仕事は昼間とは異なります。主な仕事は、巡回と排せつ介助です。

ただし、突然入居者の具合が悪くなった際は緊急対応を行うため、昼間より忙しいこともあります。ある施設のスケジュールで業務の流れを確認しておきましょう。

【スケジュール例】

16:00  出勤と引き継ぎ
17:00  夕食準備、食事介助
19:00  口腔ケア、就寝介助
21:00  消灯、1~2時間おきに安否確認、コールの対応、体位変換、排せつ介助など
6:00    起床
7:00    朝食準備、食事介助
10:00  引き継ぎと退勤
途中に休憩が1~2時間入ります。

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介護施設における夜勤体制の現状

上述のタイムスケジュールを見ると、介護施設の夜勤の仕事は、昼間に比べて忙しさはそれほどでもないように見えるかもしれません。

しかし、昼夜が逆転した高齢者の対応や、体位変換、排せつ介助などを少人数で行うため、スタッフの負担は想像以上に大きいのが現状です。

また、夜間の勤務を終えてから次の勤務まで、12時間以上空いていないこともあります。夜勤業務のなかでも、グループホームの見守りはほかの施設と比べても負担が大きいことから、厚生労働省は見守りについてはロボットやAIの導入を推奨しています。

夜勤を行うにあたっての注意ポイント

夜勤を行うにあたっての注意ポイントを紹介します。

労働基準法で定められた労働時間は厳守

労働基準法では、介護職の夜勤については上限回数が決まっていません。ただし、労働基準法で定められた労働時間は厳守しなければいけません。

1週間当たりの労働時間は40時間(特例事業所は週44時間)までです。これを超えると法に抵触するため、シフトを調整する際は気を付けましょう。

緊急時、上長に対応できる連絡手段の構築

歩行に問題のない高齢者でも、夜は転倒リスクがあります。また、緊急事態が起こった際に1人で夜勤を担当していると適切な対応ができない可能性があります。

したがって、施設の運営責任者には緊急時に備えた対策を立てておくことが求められます。緊急時に指示を仰げるような連絡ツール(電話、メール、LINE)を使った連絡手段を構築しておくことも大切です。

AIセンサーの導入

夜間勤務のなかでも対応が難しく、しかも気の抜けない業務のひとつが利用者の深夜徘徊(はいかい)です。

利用者が知らない間に施設を出ていってしまったり、転倒したことに介護者が気付かなかったりすると、利用者家族から安全面で不安視されることになりかねません。介護施設としてはこの点には細心の注意を払いたいところでしょう。

対策としては、AIセンサーの活用があります。行動パターンを収集し、AIで分析することで効率的な見守りが期待できます。利用者の行動に異常があればアラートが鳴るため、スタッフの負担も軽減されるでしょう。また、利用者のプライバシー保護の観点でも配慮につながるでしょう。

ツールで業務を軽減

繰り返しになりますが、日勤と違い、夜勤は少ないスタッフで対応しています。利用者のほとんどが就寝しているので、業務が日中よりも少ないという理由からです。しかし、排せつ介助が必要な人や、昼夜が逆転して徘徊する利用者もいます。

そのような状態に緊急コールが重なると、スタッフは昼間より忙しくなることもあります。特に、夜勤の緊急事態は一分一秒を争うことも多いため、スタッフは臨機応変に行動することが求められます。さらにそのあとには、それを記録に残し、昼間のスタッフに引き継ぐという業務が残っていますが、場合によってはその時間を捻出するのも困難です。

介護施設の運営責任者として対策を講じる際に、タブレット端末の導入を検討してみてはいかがでしょうか。スタッフの業務効率化を図るためにも、ICTツールの活用は有効です。

ICT化で夜勤の負担軽減が期待できる

夜勤を担当するスタッフは、見守り、排せつ介助などがメインの業務ですが、ひとたび緊急事態が発生すると、現場は大混乱になることもあります。しかし、緊急事態を想定して夜勤スタッフを増やすことは現実的ではないでしょう。

そこで、AIの導入やICT化がおすすめです。人工知能にできることを把握したうえで、それ以外の業務をマンパワーで補うように業務内容を考えることこそが、施設運営責任者には求められているのです。

そのためには、まずインターネット環境の構築、タブレットやスマホなどの端末の購入のほかに、介護ソフトの導入も行わなければならないでしょう。

介護ソフトにはクラウド型とオンプレミス型があり、ソフトの内容もひとつの業務に特化したもの、総合的業務をカバーしているものなど、さまざまなタイプがあります。事業所にとって必要な機能をよく検討して選ぶことが重要です。

「介舟ファミリー」の介護ソフトはクラウド型なので、介護報酬の改定が入った際はすぐに対応できます。また、人手の作業では手間のかかる業務をカバーする、いくつもの機能が備わっている総合的なソフトです。そして、画面がシンプルで操作が直感的なので、ICT機器に慣れていない人でも操作しやすいと評判です。ぜひ検討してみてください。

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介護経営の大規模化と協働化は必要?メリットとデメリットも解説

介護経営の大規模化と協働化は必要?メリットとデメリットも解説

介護経営の大規模化、協働化を検討している事業運営者もいるでしょう。
厚生労働省も推奨している事業所の合併や譲渡は事業所にとって得なのか、損なのか? この記事では、大規模化や協働化をするメリットやデメリットだけでなく、実際に合併や譲渡をする際の注意点なども紹介しています。ぜひ大規模化や協働化を決断する前にご一読ください。

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介護経営の大規模化・協働化とは

介護経営の大規模化・協働化とは、どういうことでしょうか。概要と目的を紹介します。

介護経営の大規模化・協働化の概要と目的

介護保険サービスがスタートした当初は、中・小規模の事業所が大半でした。政府は事業所に競争を促し、相乗効果として利用者へのサービス向上や、事業所運営の効率化を図ろうとしました。

しかし、現実的には、人手不足や資金不足から業務効率化が進まないという状況です。そこで、政府は大きく方針を転換しました。

小さな事業所の合併、譲渡による大規模化または協働化を推し進め、それらによる恩恵で効率化を図ろうというものです。

介護経営の大規模化・協働化のメリットとデメリット

政府の大規模化、協働化により見えてくるメリット、またはデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

大規模化や協働化のメリット

人材の確保がしやすい

規模が小さい事業所では、スタッフが担当部署以外の業務にも携わらなければならないことがあり、それらの負担がスタッフの離職理由になっていることもあります。

規模が大きくなると、スタッフ間で仕事の分業化ができるため、スタッフの負担も軽減できます。

人材の採用活動においても、多様な募集チャネルが活用しやすくなり、人材も集まりやすいでしょう。

研修やキャリアパスの形成が行いやすい

外部から講師を招いて研修や職員教育などを行う際も、何回かに分けての開催が可能となるためスケジュール調整がしやすくなります。

スタッフは自分のスケジュールを優先しながら講習を受けられる可能性が高くなります。さらに、講習や研修を受けることでキャリアパスの形成もしやすく、スキルアップにつながるため、スタッフのモチベーションも高くなるでしょう。

事業者間での連携が行いやすく、情報共有ができる

協働化することで感染症や災害時など、情報が収集しやすい環境が整備できます。

多くの情報から正しい判断がしやすくなり、利用者や家族からも「この施設は信用ができる」と評判も上がるでしょう。

補助金や助成金の申請が通りやすくなる

大規模化することで社会的な信用も上がります。そのため、補助金や助成金の申請が審査に通りやすくなることもあるようです。

業務効率化がしやすい

大規模化・協働化することで業務に使用できる資金も大きくなるため、事業所のICT化も進めやすくなるでしょう。

パソコンやタブレットの大量購入は割引率の最大化をもたらし、導入費用が抑えられます。さらに、ICT化して組織マネジメント改革が進むと、事業所全体の業務効率化が促進されるという効果も期待できるでしょう。

大規模化や協働化のデメリット

それでは、大規模化や協働化のデメリットには、どのようなことが考えられるでしょうか。

施設独自の情報を公開しなければならない

施設それぞれのサービスや、業務運営のノウハウなどをグループ事業所に公開する必要があります。

今までは差別化を図っていた独自のサービスがグループ全体のスタンダードとなるため、自事業所の特色をアピールしづらくなる可能性も出てきます。

経営方針の違いから生まれるトラブル

最初にしっかりと経営方針や、ビジョンなどを話し合っておかないと、それぞれの事業所の思惑の違いから齟齬(そご)が生じ、トラブルに発展することも少なくありません。

合併譲渡の会計手続きが煩雑

所轄庁によっては、以前は合併手続きが一般的ではなかったところもあります。

その結果、合併したことで会計処理がさらに煩雑になり、手間と時間がかかったこともありました。しかし、最近では法人向けのガイドラインも整備されているので、比較的円滑になっているようです。

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介護経営を大規模化、協働化した事例

介護経営を大規模化、協働化した事例を紹介しましょう。

みちのく社会福祉協同組合の例

介護施設の運営責任者として、頭を悩ませるのが人材の確保ではないでしょうか。「みちのく社会福祉協同組合」では、インドネシア、フィリピン、ベトナムの留学生を受け入れ、介護福祉士の資格取得サポートを行っています。

その結果、組合に加入している事業所に優秀な人材を紹介することができ、人手不足が解消できる仕組みとなっています。

さらに、おむつやリネン品などを組合で一括購入することにより、事業所へ安く販売する取り組みも行っています。

社会福祉法人 小田原福祉会の例

小多機(小規模多機能型居宅介護)に、地域密着型特養や地域包括支援センターなど、複合的に事業を展開している「社会法人 小田原福祉会」は、下記のような事業展開に取り組みました。

小多機に郵便局やサ付き、在宅支援クリニックを併設。特養に併設されていた通所介護事業所を外に移転、あわせて地域包括支援センターも分割。そちらにも在宅支援クリニックやサ付きを併設して、複合型施設としました。多角的に経営することでリスクを分散し、安定した経営を目指せるのがメリットとしています。

事業展開により、5年間で人件費率は6.98ポイント、離職率も4.6ポイントの低下を図ることができました。

社会福祉法人 北筑前福祉会の例

地元を大切にしている「北筑前福祉会」は、補助金を受けながら事業を拡大している施設です。

地域の整備計画に参加するだけでなく、新規事業に積極的に取り組むほか、SDGsの活動などにも力を入れているのが特長です。住民の困りごとや、要望に応えているうちに規模が大きくなったとも言えますが、事業拡大により、よりきめ細かに利用者のニーズに応えられるようにもなっています。

大規模化するにつれ認知度が上がり、信頼度も増したため、地域住民への説明が容易になりました。また、スタッフに対しては、大規模化することでさまざまな形態のサービスを経験してもらうことが可能になると同時に、管理職のポストも増加したため、キャリアについての希望にも幅広く応えられるようになりました。

効率化の成果としては、食材を一括仕入れすることで、費用を大幅に抑えることが可能となっています。

介護経営を大規模化する方法

介護経営を大規模化する方法には、合併または事業譲渡があります。

どちらも法人所轄庁への事前の相談は欠かせません。また、それと並行して各事業に関わる行政庁への事前相談も早急に行う必要があります。

さらに、利用者、スタッフへの説明も丁寧に行いましょう。税金や補助金に関しては税務署や補助金関係行政庁に問い合わせてください。合併と事業譲渡の必要な手続きを以下に簡単に見てみましょう。

社会法人の合併の主な手続き

  1. 理事会、評議員会に決議をかける
  2. 合併契約の書類をそろえる
  3. 法人所轄庁に行き認可を得る
  4. 官報に債権者保護手続きの公告をする
  5. 登記の手続きをする
  6. 書類をそろえて開示、閲覧の対応に備える

事業譲渡の主な手続き

  1. 事業を譲り受ける法人は、譲り受ける事業について新規の許認可等の手続き
  2. 事業を譲渡する法人は事業の廃止手続きをする
  3. 基本財産の定款変更申請が必要となる場合は、法人所轄庁に提出する

介護経営を大規模化するうえでの注意ポイント

介護経営を大規模化する際には、いくつかの注意ポイントがあります。合併、譲渡を行う前に双方で確認・同意をしておかなければ、のちのちトラブルにつながることもあるので注意しましょう。

  • 消滅する法人の退職役員の報酬について確認しておく
  • 寄附財産を移転、または存続する際には国税庁に相談する
  • 譲渡する際は、利用者に譲渡後のサービス提供について説明しておく
  • 資産を譲り受ける際の価格は、専門家に相談して適正価格を確認する

大規模化や協働化を考えるなら業務効率化は欠かせない

介護事業所の経営者としては、大規模化や協働化を考えることもあるでしょう。

メリットがある一方で、働くスタッフも増えるため、業務に関しては効率化を図る必要があります

また、事業所の規模が大きくなるということは、本部と各事業所の管理を統合せねばならず、ICT化にも待ったなしで取り組まなければいけないでしょう。

介護ソフトの導入を検討している事業所は、今後の大規模化や協働化をも視野に入れて選ぶのがおすすめです。介舟ファミリーの介護ソフトは、トータルでサポートされており、使いやすいと評判です。大規模化や協働化を計画している事業者はもちろん、少しでも事業所の業務効率化を進めたい方は、介舟ファミリーの介護ソフトも検討してみてください。

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介護現場で増える外国人雇用の現状とは?雇用するメリットと留意点を解説

介護現場で増える外国人雇用の現状とは?雇用するメリットと留意点を解説

慢性的な介護人材不足の対応策として、注目されているのが 外国人雇用の活用です。
介護現場における外国人雇用は年々増加しており、これから外国人雇用を検討している事業所も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、介護現場における外国人雇用の現状と雇用のメリットやデメリット、留意点について、詳しく解説します。

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介護業界における外国人雇用の現状

介護業界は、慢性的な介護人材不足が長らく問題となっています。この問題に対し、国はこれまでさまざまな対策を実施してきました。その対策のひとつが、外国人の受け入れ環境の整備です。

介護現場での外国人雇用の受け入れ方法には、「EPA」、在留資格「介護」、「技能実習」、「特定技能1号」の4つがあります。それぞれの特徴や在留期間等の違いは、以下の表のとおりです。

EPA 在留資格「介護」 技能実習 特定技能1号
目的 介護福祉士の国家資格の取得を目的とした受け入れで、国際連携の強化のために実施 専門的・技術的分野への外国人労働者の受け入れ 日本から相手国への技能移転(国際貢献) 人手不足対応のため、一定の専門性・技能を有する外国人の受け入れ
在留期間 介護福祉士の国家資格取得前:原則4年(一定条件を満たせば5年)
介護福祉士の国家資格取得後:制限なしで更新可能
制限なしで更新可能 最長5年 最長5年
勤務できるサービスの種類 介護保険3施設のほか、通所介護、通所リハ、認知症グループホーム、認知症デイ、特定施設、ショートステイ
※介護福祉士の資格取得後には、一定条件を満たした事業所の訪問系サービスも可能
制限なし 訪問系サービス以外 訪問系サービス以外
在留者 2,395人
2023年9月現在
6284人
2022年12月現在
15,011人
2022年6月現在
21,915人
2023年6月現在

介護業界における外国人雇用の現状はどのようになっているのでしょうか。

令和4年度の介護労働実態調査における事業所調査「事業所における介護労働実態調査」(以下、事業所調査)によると、外国籍の労働者を受け入れている事業所は、約1割でした。

受け入れ方法別に見ると、技能実習生が4.4%、特定技能1号が3.5%、在留資格「介護」が2.6%、EPAは0.7%となっています。EPAは日本語能力や介護知識の要件が厳しいことから、ほかの雇用方法に比べて少ないことがわかりました。

介護保険サービス系型別の受け入れ状況では、施設系(入所)は技能実習生と特定技能1号がそれぞれ13.8%、11.9%、次いで居住系が10.3%、8.0%となっており、施設で生活している高齢者の介護を担う場面での雇用が際立っています。今後の採用予定については、外国人労働者を「新たに活用する予定がある」と回答したのは施設系(入所型)が30.1%であり、施設の方が外国人雇用の受け入れがしやすい状況と言えるでしょう。

介護現場で外国人雇用を実施するメリット

介護現場で外国人雇用を実施するメリットには、次の3つが挙げられます。

労働力の確保につながる

外国人雇用の大きなメリットとして挙げられるのが、労働力の確保です。

「令和4年度介護労働実態調査」の労働者調査「介護労働者の就業実態と就業意識調査 結果報告書(以下、労働者調査)」において外国籍の労働者と一緒に働くことについて質問したところ、外国人介護職員と一緒に働いている人のなかでは、「労働力の確保ができる」と回答した人の比率が56.8%と高くなっていました。「事業所調査」での外国人労働者の働き方に対する評価でも、同様の回答の比率が82.3%と高いことから、現場の職員にとっても、外国人の介護職員は労働力として捉えられていることがわかります。こうした結果から、外国人雇用は労働力の確保につながると言えるでしょう。

職場に活気が出る

外国人雇用には、職場に活気が出るというメリットもあります。令和4年度の「事業所調査」によると、外国人労働者の働き方に対する評価として、「職場に活気が出る」と回答しているのが何らかの形で外国人労働者を受け入れている事業所の45.6%、「労働者調査」でも外国人と一緒に働いている人の34.8%が同様に回答していました。日本介護福祉士会の見解でも、外国人雇用は「施設の雰囲気が明るくなる」「コミュニケーションが活発になる」といった効果があると言及されています。実際に外国人雇用を実施している介護現場でも、外国人雇用により職場に活気が出ると感じています。これらのことから、外国人雇用には職場に活気が出るといったメリットがあると考えられるでしょう。

日本人職員のスキル向上につながる

外国人雇用では、日本人職員のスキル向上もメリットとして挙げられるでしょう。

外国人雇用を実施した場合、指導者となる日本人職員は、相手が理解できるようにわかりやすく説明する必要があります。

細かいニュアンスが伝わらないこともあり、どのように教えれば正しく伝わるのかを検討することが多くなります。その結果、介護技術や実践内容の振り返りをする機会が増え、日本人職員のスキルや指導力が上がりやすくなるでしょう。

介護現場における外国人雇用のデメリット

介護現場における外国人雇用には、以下のようなデメリットもあります。

業務内容に限りがある

外国人雇用を行ううえでのデメリットとして挙げられるのが、できる仕事に限りがある点です。前述の「労働者調査」によると、外国人介護職員と一緒に働いている職員のうち、外国人と一緒に働くことについて「できる仕事に限りがある」と回答した人は、50.3%と半数に上っています。

「事業所調査」でも同様の回答は50.4%となっており、事業所と職員の見解に差がないことがわかりました。この結果から、介護記録や電話等、より高度な日本語でのコミュニケーション力を必要とする場面では、外国人介護職員の力を借りることに不安があると考えられます。

ただし、実際に一緒に働いている人にとっては、業務内容に限りがあることが負担になっているとは考えにくいかもしれません。「労働者調査」を見てみると、「業務が軽減される」と回答している人が30.7%いることから、できない業務はありながらも、その他の場面での業務が軽減できていると感じている人が多いことがわかります。

コミュニケーションがとりにくい

コミュニケーションの部分を見てみると、日本人と同レベルのやりとりをするのは難しいという点がデメリットとして挙げられるでしょう。

外国人雇用では、介護現場で働くうえで必要な日本語能力を有しており、生活にも支障がないことが最低限の条件となっています。しかし、生活習慣等の違いもあり、コミュニケーションがとりにくいと感じる場面も多いでしょう。外国人と働くことについての回答では、「事業所調査」「労働者調査」の双方ともに、「コミュニケーションがとりにくい」と感じている割合は3割程度で、「利用者との意思疎通において不安がある」と回答した割合も4割前後となっています。

職員と事業所の双方が、外国人介護職員に対してコミュニケーションの場面で不安を感じていることは間違いないでしょう。

ただし、外国人雇用をしていない事業所の労働者と実際に外国人と一緒に働いている労働者の回答の差が大きいことから、実際に一緒に働いてみると、想定よりはコミュニケーションがとれると感じられる場面もあるのではないでしょうか。

帰国する可能性がある

外国人雇用の場合、在留期限の関係で、いずれ帰国する可能性がある点もデメリットと言えます。

外国人雇用は、雇用の種類によって在留期間に違いがあります。技能実習と特定技能1級の場合、在留期間は最長で5年であり、5年後には帰国しなければなりません。一方、EPAで入国し国家資格を取得した場合や、在留資格「介護」の場合は、制限なしで在留期間が更新できます。

ただし、特定技能1号と技能実習は在留資格「介護」に移行することもあるため、必ずしも全員が帰国するとは限りません。実際には、特定技能1号と技能実習で入国していても、在留資格を変更して日本に残る人もいると考えられるでしょう。

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外国人雇用で介護職員を補うときに注意すべきポイント

外国人雇用を利用して介護職員を補う場合、どのようなことに気を付けるとよいでしょうか。注意すべきポイントについて詳しく見ていきましょう。

事前に日本人職員へ理解を求めよう

外国人雇用を利用する場合、同じ職場で働く日本人職員の協力が不可欠です。雇用する目的や、生活習慣、宗教、文化の違いについても共有し、理解を求めましょう。場合によっては、日本人職員向けのオリエンテーションや研修などを検討しましょう。

外国人介護職員に生活上のマナーや職場でのルールをきちんと伝えよう

国が違えば、生活上のマナーやルールは大きく異なります。お互いが気持ち良く過ごすために、生活上のマナーはしっかりとわかるように伝えましょう。

具体的には、トイレやお風呂、買い物、交通、医療などのルールについて、日本人としては当たり前のことであっても、丁寧に伝えましょう。特に、ゴミ出しのルールは地域によって異なるうえ、トラブルになりやすいので注意が必要です。

また、仕事上のルールについても、日本と外国では違うケースが多いでしょう。介護現場はチームで対応することが多いため、職員同士の連携が取れるよう、報告・連絡・相談のルールは明確に伝えるようにしてください。

誰でも使いやすいツールを活用しお互いが働きやすい工夫をしよう

外国人を雇用する場合は、日本人と外国人介護職員の双方が働きやすい環境をつくる必要があります。

日本人と外国人の双方が、効率的に仕事が行えるように介護業務を見直したり、マニュアルを作り直したりして、どんな人でも理解しやすい工夫をすることが大切です。

介護ソフトといった誰もが使いやすいツールを活用するのもよいでしょう。介護ソフトは、シンプルで画面や操作性がわかりやすく、簡単に使いこなすことができるツールであれば、外国人だけでなく、IT機器が苦手な日本人職員も使いやすいでしょう。

外国人雇用をきっかけに職場環境の改善に取り組もう

介護人材の必要数は年々増加しており、今後ますます外国人雇用は進んでいくと予想されます。多くの事業所において、外国人雇用の検討も増えていくのではないでしょうか。

ただし、介護現場で外国人雇用を実施する際には、職場環境の改善が必須となります。外国人雇用の導入をきっかけに、介護業務の見直しや使いやすいツールの活用など、誰もが働きやすい環境づくりに取り組んでいきましょう。

介舟ファミリーは、シンプルな操作性で誰でも簡単に使いやすい点が特長の介護ツールです。また、トータルサポートのため、ツールの使い方に不安な場合はすぐに相談できて安心です。介護ツールの導入を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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訪問介護の基本報酬がマイナスに?報酬改定が事業所に与える影響などを詳しく解説

訪問介護の基本報酬がマイナスに?報酬改定が事業所に与える影響などを詳しく解説

2024年度の介護報酬改定では、訪問介護の基本報酬がマイナスとなり、業界全体に衝撃を与えています。マイナス改定に対し、事業所としてどのような対応をしていくべきか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで、今回の改定による訪問介護の基本報酬の内容と、マイナスになった理由や対応策について解説します。

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2024年度の介護保険法改正のポイント

2024年度の介護保険法改正は、人口構造や社会経済状況の変化を踏まえ、次の4つを基本的な視点とした内容となっています。
  • 地域包括ケアシステムの深化・推進 高齢者の状態やニーズに応じて、質の高いケアマネジメントや必要なサービスを切れ間なく提供できるよう、地域の実情に応じた柔軟かつ効率的な取り組みを推進します。
  • 自立支援・重度化防止に向けた対応 高齢者の自立支援や重度化防止が行えるよう、多職種連携やデータの活用等を推進します。
  • 良質な介護サービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり 介護人材不足のなかにおいても、さらなる介護サービスの質の向上が図れるよう、処遇改善や生産性向上による職場環境の改善に向け、先進的な取り組みを推進します。
  • 制度の安定性・持続可能性の確保 介護保険制度が安定かつ持続できるよう、すべての世代にとって安心できる制度を構築します。
2024年度の改正は医療系サービスを除き、4月から施行されています。医療系サービスについても、6月から施行されます。

訪問介護の基本報酬はなぜマイナスに?

2024年の介護報酬改定では、訪問介護の基本報酬が引き下げとなり、関係各所に大きな衝撃が走りました。なぜ、訪問介護の基本報酬は引き下げになったのでしょうか。引き下げになった理由や背景、改定後の基本報酬の内容について、詳しく見ていきましょう。

訪問介護の基本報酬はどれくらいマイナスになった?

訪問介護の基本報酬は、以下のように全体的に引き下げとなっています。

サービス内容 現行→改定後
【身体介護】
・20分未満
・20分以上30分未満
・30分以上1時間未満
・1時間以上1時間半未満
・以降30分を増すごとに算定

167単位→163単位
250単位→244単位
396単位→387単位
579単位→567単位
84単位→82単位
【生活援助】
・20分以上45分未満
・45分以上
・身体介護に引き続き生活援助を行った場合

183単位→179単位
225単位→220単位
67単位→65単位
通院等乗降介助 99単位→97単位
ただし、処遇改善加算を見てみると、今回の改定では訪問介護が最も高い加算率となっています。具体的には、新加算の最低ラインであるⅣにおいて14.5%、すべての要件を満たせば、最大24.5%まで取得できる設定となりました。処遇改善での高い加算率とのバランスを取るため、基本報酬については引き下げになったと考えられます。

訪問介護の基本報酬がマイナスとなった背景

訪問介護の基本報酬がマイナスとなった理由には、利益率の差が影響しています。介護事業経営実態調査の結果によると、訪問介護の収支差率は+7.8%となりました。この収支差率は、全サービス平均の収支差率である+2.4%を大きく上回っています。国はこの結果を根拠とし、訪問介護の基本報酬の引き下げに踏み切りました。

ただし、この調査には、以下の2点の懸念があります。

  • サービス付き高齢者向け住宅などに併設されている事業所も含まれている
  • 小規模の事業所の場合、調査の回答にまで手が回らず、意見として含まれていない可能性がある

特に、併設されている事業所の場合は、事業効率性が高いため収支差率が高くなります。また、収支差率の低い事業所ほど回答できなかった可能性があり、結果として、事業効率性の高い事業所に引っ張られる形となって収支差率が高く出たと考えられるでしょう。

実際に、前年度の調査と比較してみても、収入はほぼ変わっていません。むしろ、職員数が減少し人件費などの支出が減少したことで、利益率が高くなったと見てとれます。つまり、経営が安定しているのではなく、人材確保が難しくなっているため、経営的には厳しくなっていると言えます。実情としては、昨年の訪問介護事業者の倒産件数が67件と最多となっていることから、訪問介護事業所を巡る環境は決して楽観できるものではないでしょう。

訪問介護の基本報酬マイナスに対する各所の反応

訪問介護の基本報酬マイナスに対し、関係各所の反応を見てみましょう。

全国ホームヘルパー協議会、日本ホームヘルパー協会

本来の目指す姿と正反対の改定となっている、受け入れがたい内容になっていると主張。さらなる人材不足を招き、訪問介護が受けられない地域が広がりかねないと指摘。基本報酬が下がる分は何らかの形で補てんし、運営を支えてほしいと述べている。

全国介護事業者連盟

処遇改善加算の拡充については評価できる。基本報酬の引き下げは、地方の事業所や地域の高齢者にサービスを提供する事業所にとっては、存続そのものが難しくなる可能性を示唆。ホームヘルパーの確保や定着、必要な研修の受講などをあと押しする措置を強化してほしいと要請している。

日本介護福祉士会

訪問介護の担い手の誇りを傷つける無慈悲な判断と受け止めていると主張。訪問介護にはもっともっと手厚い支援策が必要と述べている。

日本医師会

訪問介護は在宅医療を支えるうえで欠かせないサービスであり、訪問介護がなくなると在宅医療そのものが簡単に破綻すると苦言を呈している。訪問介護の基本報酬引き下げの影響をしっかり注視していくべきと主張している。

上記のように多くの関係者が、訪問介護が正しく評価されていないことや、ヘルパーに動揺が広がって離職や転職につながる可能性を危惧しています。 このままでは ヘルパーの人材不足は加速し、事業所運営が難しくなる可能性があるでしょう。
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基本報酬マイナスはどのように対策すべきか

訪問介護の基本報酬マイナスに対し、事業所はどのように対策していけばよいでしょうか。

まずは、未取得の加算の取得を目指しましょう。介護報酬は、基本報酬と人件費率、加算を含めた金額となります。

基本報酬がマイナスとなるなかで利益率を上げていくためには、介護職員等処遇改善加算や特定事業所加算などの未取得の加算の取得を目指す必要があるでしょう。

次に、処遇改善加算をしっかりと算定できる条件を整えられないか、検討してみましょう。職場環境を見直し、現行よりも上位の処遇改善加算が目指せれば、現行よりも増収が見込める可能性もあるでしょう。

また、今回の改定では、処遇改善加算を取得しやすくするための要件や事務手続きの見直しも行われています。加算のための職場環境の改善においては、業務効率化を進め、業務負担を減らすことが大切です。介護ソフトを導入したり、見直したりすることで、業務効率化や業務負担軽減が図れるでしょう。

訪問介護の基本報酬マイナスは加算でカバーしよう

訪問介護の基本報酬はマイナスになったものの、処遇改善加算の加算率は全サービス中で最も高くなっています。

その他の加算についても、要件が緩和したものや、地方の事業所向けに加算が新設されたものなどがあり、加算が取りやすい状況となってきています。基本報酬のマイナスをカバーするために、取れる加算は算定していける体制を整えていきましょう。

また、基本報酬マイナスに伴い、離職率が上がってしまう可能性があるため、職員が働きやすい環境を整えていく必要もあります。

介舟ファミリーであれば、トータルサポートでスムーズな対応ができるので、業務効率化が図りやすく、職員の業務負担も減らせます。この改定を機に、介舟ファミリーの導入を検討してみませんか。

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ニュース(5月連休休業のお知らせ)

2024年04月24日

5月連休中のお問い合わせ対応につきまして

誠に勝手ながら、以下の期間は弊社休業日とさせていただきます。

●休業日: 2024年4月29日(月) ~ 2024年5月6日(月)

上記期間中に頂いたお問い合わせ等につきましては、5月7日(火)より順次対応させて頂きます。
ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご了承くださいますよう宜しくお願い申し上げます。
尚、ご契約のお客様のサポート営業日につきましては、「介舟ファミリーからのお知らせ」をご確認ください。

休業期間中のお問合せに関しましては、以下よりご連絡をお願いいたします。

潜在的なニーズこそ

潜在的なニーズこそ

障害福祉サービスの日中活動はニーズに合わせて、さまざまなものがある。

そのうちの一つである生活介護事業所は介護ニーズが高い場合が多く、作業活動はあるものの仕事として工賃を支給している事業所は多くはない。そんな生活介護事業所でのエピソード。

 

毎年、特別支援学校に通う生徒や保護者が卒業後の進路選択のため見学に来る。

あるとき、見学に来た保護者からこんな話しがあった。

「支援の程度が高くても働く経験をさせたい。働いて収入を得るということが、障害があるとなぜこんなにも遠いのでしょうか。」

実は私たちの生活介護事業所では過去に工賃支給をするか検討したことがある。

しかし、既存利用者の保護者からは、作業効率が最優先になり介護や関わりが疎かになるのを心配する声が多かった。

また、「生活介護事業所だから」作業に対する工賃支給はなくてもよいと多くの職員は半ば当然のように考えていた。

主目的は作業(仕事)の事業所ではないから無理をすることはない。でも、本当にそうなのか。

「なぜこんなにも遠いのか」というその保護者の声は、再び私たちに考える機会を与えてくれた。

進路先として、福祉サービス事業所は通える地域内にそれほど多くはない。

工賃支給がある別の事業所を選べばよいと言えるほど選択肢は豊富ではなかった。

本当は支援の程度が高くても働くやりがいを感じたい。

これまで多くの利用者や保護者もあきらめていただけなのであれば、私たちは挑戦したい。

そのようにして、役所や周囲を動かす力が生まれていった。

その後、企業とコラボしたアート作品が国際的な賞を受賞したり、美味しい人気商品が生まれている。

介護的なニーズと働く喜びは両立している。

制度で決まった枠組みを狭く解釈してやっているだけでは、本当に必要な福祉ニーズに対応できない。

潜在的なニーズこそ福祉の質を高めるきっかけになるはずである。

齋藤 正

  • 就労移行支援グランドマーリン所長
  • 武蔵野大学しあわせ研究所客員研究員
  • 武蔵野大学通信教育部非常勤講師
  • 東京都立大学人文社会学部非常勤講師

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障害福祉サービスの報酬改定とは?訪問系サービスの改正ポイントや影響について解説!

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2024年度の障害福祉サービス等報酬改定の内容が出そろいました。今回の法改正では、訪問系サービスに手厚い内容となっています。しかし、今回の法改正内容について、まだよくわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、障害福祉サービス等報酬改定のうち、訪問系サービスにおける改正の内容について、ポイントを押さえて解説します。

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2024年に施行される改正障害者総合支援法とは?

2024年度の障害福祉サービス報酬改定について解説する前に、障害者総合支援法を簡単におさらいしておきましょう。障害者総合支援法とは、障害の有無にかかわらず、一人ひとりが個人として尊重された社会生活が営めるよう、総合的に支援を行うための法律です。障害者総合支援法は、2006年度に施行された障害者自立支援法の基本的な構造を継承する形で、さらに2022年に改正され、2024年4月から施行になります。 障害者総合支援法の対象となるのは、身体障害者と知的障害者、発達障害を含む精神障害者に加え、難病等を患っている方となっています。障害福祉サービスを利用するためには、80項目に及ぶ調査を行ったうえで、必要な支援の度合いである「障害支援区分」を判定してもらう必要があります。障害支援区分が決まると、その度合いに応じてサービスが利用できるようになります。 障害者が利用できるサービスには、介護の支援を受ける「介護給付」と、訓練等の支援を受ける「訓練等給付」があり、それぞれに利用する流れが異なります。

2024年障害福祉の訪問系サービスの改定ポイント

2024年障害福祉サービス報酬改定のうち、訪問系サービスに関する改定ポイントを3つ紹介します。

処遇改善加算は訪問系サービスに手厚く配分される

障害福祉現場で働く職員が正当に評価されるよう、これまでにも処遇改善加算の見直しは行われてきました。

2024年度の改定では、2024年に2.5%、2025年度に2.0%のベースアップが確実にできるよう、加算率の引き上げが行われます。加算率はサービスによって異なり、人材不足が深刻な訪問系サービスは、ほかのサービスに比べて高い加算率となっています。訪問系サービスにおける加算率は以下の通りです。

サービス区分 福祉・介護職員等処遇改善
居宅介護 41.7% 40.2% 34.7% 27.3%
重度訪問介護 34.3% 32.8% 27.3% 21.9%
同行援護 41.7% 40.2% 34.7% 27.3%
行動援護 38.2% 36.7% 31.2% 24.8%
重度障害者等包括支援 22.3% 16.2% 13.8%

処遇改善加算や特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算については、現行の各加算や各区分の要件と加算率を組み合わせた「福祉・介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。この加算は4段階に分かれており、いずれの区分を取得している事業所でも、新加算Ⅳの加算額の1/2以上を月額賃金の改善に充てることが求められます。また、これまでベースアップ等支援加算を取得していない事業所が、一本化後の新加算を新たに取得する場合、ベースアップ等支援加算相当分の加算額については、その2/3以上を月額賃金の改善として、新たに配分することが求められます。具体的な加算の内容は、以下のとおりです。

  • 福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅳ
    新加算(Ⅳ)の1/2以上を月額賃金で配分し、職場環境の改善や賃金体系等の整備及び研修の実施すること。
  • 福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅲ
    新加算(Ⅳ)に加え、資格や勤続年数等に応じた、昇給の仕組みを整備すること。
  • 福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅱ
    新加算(Ⅲ)に加え、改善後の賃金年額440万円以上が1人以上おり、職場環境のさらなる改善や見える化を行うこと。
  • 福祉・介護職員等処遇改善加算Ⅰ
    新加算(Ⅱ)に加え、経験技能のある福祉・介護職員を事業所内で一定割合以上配置していること。

この新加算では、職種間配分ルールも統一されました。新加算では、福祉・介護職員への配分を基本としたうえで、特に技術や経験のある職員に重点的に配分することと定義づけられました。ただし、事業所内での柔軟な配分も認められます。さらに、処遇改善加算等の対象に、就労定着支援の就労定着支援員、自立生活援助の地域生活支援員、就労選択支援の就労選択支援員も追加されました。

報酬改定で訪問サービスの基本報酬が引き上げられる

2024年度の改定では、訪問系サービスの基本報酬が引き上げられました。居宅介護における基本報酬について、詳しく見ていきましょう。

まず、居宅における身体介護が中心の場合と、通院等介助(身体介護を伴う場合)が中心の場合の単位数は、以下のとおりとなっています。

所要時間 現行→改定後
30分未満 255単位→256単位
30分以上1時間未満 402単位→404単位
1時間以上1時間30分未満 584単位→587単位
1時間30分以上2時間未満 666単位→669単位
2時間以上2時間30分未満 750単位→754単位
2時間30分以上3時間未満 833単位→837単位
3時間以上 基準単位916単位→921単位

家事援助中心と身体介護を伴わない通院等介助場合、1時間30分未満までは各時間ともに1単位引き上げとなりました。

また、1時間30分以上の場合は、基準単位が2単位引き上げられました。

そのほかの訪問系サービスについては、重度訪問介護は1~20単位、同行援護では1~5単位の引き上げとなっています。

行動援護については、3時間未満までは7~30単位引き上げとなったものの、3時間30分以上からは6~55単位引き下げとなりました。利用時間が長いほど、引き下げ率が高くなっています。

また、重度障害者等包括支援については、以下のとおりです。

項目 現行→改定後
居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、
生活介護、自立訓練(機能訓練)、自立訓練(生活訓練)、
就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、
就労定着支援または自立生活援助を提案した場合
(1)所要時間1時間未満の場合
 203単位→204単位
(2)所要時間1時間以上12時間未満の場合
 基準単位 303単位→305単位
※所要時間1時間から計算して所要時間30分を増すごとに
100単位→101単位を加算した単位数
(3)所要時間12時間以上24時間未満の場合
 基準単位 2501単位→2514単位
※所要時間12時間から計算して所要時間30分を増すごとに
98単位→99単位を加算した単位数
短期入所を提供した場合(1日につき) 953単位→973単位
共同生活援助(指定障害福祉サービス基準第213条の2に
規定する外部サービス利用型指定共同生活援助を除く)を
提供した場合(1日につき)
1003単位→1019単位

障害の重度化や障害者の高齢化など、訪問系サービスにおける地域のニーズへの対応

2024年度の改定では、障害の重度化や障害者の高齢化など、訪問系サービスにおける地域ニーズへの対応として、以下の4点が見直されました。

1つ目は、居宅介護の通院等介助等の対象要件の見直しです。居宅が始点または終点となる場合、通所系サービスの事業所や地域活動支援センター等から病院等の目的地へ移動する場合の通院等介助においても、同一の事業所が行うことを条件に、支援の対象として算定できるようになりました。

 

2つ目は、熟練従業者による同行支援の見直しです。重度訪問介護では、熟練従業者の同行支援をより評価する観点から、熟練従業者および新任従業者の報酬が、現在の所定単位数の85%、合わせて170%から、所定単位数の90%、合わせて180%が算定できるようになりました。また、現在15%加算対象者である医療的ケア等の専門的な支援・技術が必要な重度訪問介護加算対象者に対する支援については、採用から6カ月以内の新任従業者に加え、対象者に対する支援に初めて従事する者についても、熟練従業者の同行支援の対象となり、所定単位数の90%、合わせて180%を算定できるようになります。

 

3つ目は、同行援護の特定事業所加算における加算要件の見直しです。同行援護では、専門的な支援や技術を有する人材を配置した事業所が評価されるようになります。現状の加算要件である「良質な人材の確保」の要件に、新たに「盲ろう者向け通訳・介助員で、同行援護従事者の要件を満たしている者の割合が20%」が追加されました。

 

4つ目は、訪問系サービスにおける国庫負担基準の見直しです。障害者の高齢化に対応するため、新たに介護保険対象者の区分が追加となりました。また、重度訪問介護の国庫負担基準では、重度障害者の単位数の見直しや、介護保険対象者の区分が細分化されました

障害福祉サービスの報酬改定が訪問事業所に与える影響

障害福祉サービスの事業所数や利用者数は増えているものの、支える人材の不足や物価高騰の影響を受け、このままでは制度を継続できなくなる可能性もあります。

今回の改定により、基本報酬の見直しが行われたことで、小規模の事業所でも運営しやすい形になったと考えられるでしょう。

また、訪問系サービスの処遇改善加算率が高くなったため、人材確保や定着が図りやすくなります。現行の各加算や区分が見直されて4段階の新加算となったことで、処遇改善加算が取りやすい仕組みとなり、多くの事業所で処遇改善のための措置が取りやすくなるでしょう。

さらに、熟練従業者の同行支援や特定事業所加算が見直されたことで、技能や経験のある職員がより評価される形となりました。評価される職員にとっては、仕事に対するモチベーションが上がり、キャリアアップを目指すことや、長く仕事を続けようという意欲につながるため、長い目で見れば、職員の定着に良い影響をもたらす可能性があります。

2024年報酬改定は訪問系サービスに重点を置いた結果に

2024年度の障害福祉サービス等報酬改定は、ニーズは高いけれども人材不足に悩む訪問系サービスに重点を置いた内容となりました。

訪問系サービスにとっては、基本報酬や処遇改善の加算率アップなど、満足のいく結果と言えるでしょう。

施行は4月から始まるため、事業所では改正に合わせるための対応に追われる可能性があります。

そこでトータルサポートを行っている介舟ファミリーであれば、あわてることなく法改正に対応することができます。介護ソフトの導入や乗り換えを検討している場合は、ぜひ介舟ファミリーも考えてみてはいかがでしょうか。

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障害福祉報酬改定で障害児通所サービスはどう変わる?改定ポイントと影響について解説

障害福祉報酬改定で障害児通所サービスはどう変わる?改正ポイントと影響について解説

2024年は障害福祉サービスの報酬改定が行われます。今回の改定では、さまざまな内容について見直しが行われ、新設される項目も多くあります。今回の障害福祉報酬改定により、障害児通所サービスにはどのような影響があるのでしょうか。障害児通所サービスにおける改定項目のポイントと影響について、詳しく見ていきましょう。

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児童福祉法と障害福祉報酬改定についておさらい

障害福祉サービスの報酬改定を知るうえで、理解しておくべきこととして児童福祉法と障害者総合支援法が挙げられます。

障害児における支援では、この2つの法律が大きく関わっています。児童福祉法と障害者総合支援法について、簡単におさらいしておきましょう。

児童福祉法とは、すべての子供を対象とした法律で、福祉の積極的な増進や健全育成を基本理念としています。

児童福祉法は1947年に制定されて以降、時代ごとに社会的ニーズに合わせた改正を行っています。

障害者総合支援法とは、障害がある人が日常生活や社会生活を送るうえで必要となる障害福祉サービスなどを定めた法律です。

障害者総合支援法は、2006年に施行された障害者自立支援法を改正する形で、2013年に施行され、定期的に見直されています。

2024年度の改正は、医療と介護とのトリプル改正となりました。トリプル改正となる年は、大規模な改正となることが多く、2024年度の障害福祉サービスの報酬改定においても、加算の新設や見直しが多く行われています。

2024年度の改定が行われる目的・背景

2024年度の障害福祉報酬改定が行われた目的や背景は、大きく3つあります。

1つめは、単位数に対する評価が十分でないという点です。児童発達支援や放課後等デイサービスの基本報酬は、定員規模などに応じて、1日当たりの単位数が決められていました。しかし、個々の支援時間の長短による手間が十分に評価されていないという声が上がっていました。

2つめは、家族のニーズに計画的に対応するためです。障害福祉サービスでは、家族からの預かりニーズが多かったため、2024年度の改定では、児童発達支援と放課後等デイサービスの延長支援加算が見直されました。

3つめは、放課後等デイサービスの提供するサービス内容についてです。放課後等デイサービスが提供するサービスのなかには、提供する目的に対し公費負担による支援としてはふさわしくない事業所があることが問題視されていました。そのため、2024年度は総合的な支援の基本とする方向の改定が行われています。

2024年度の改定で障害児通所サービスが押さえておきたい5つのポイント

2024年度の改定内容のうち、障害児通所サービスが押さえておきたいポイントを、5つに分けて見ていきましょう。

家族支援の充実

2024年度の改定では、家族支援の充実を図るため、自宅へ訪問し相談援助を行う「家庭連携加算」と、事業所内で相談援助を行う「事業所内相談支援加算」が統合し、「家族支援加算」へと名称も変更となりました。

家族支援加算は、個別相談援助を(Ⅰ)、グループでの相談援助を(Ⅱ)とし、居宅と施設それぞれで単位数が設定されています。

さらに、オンラインによる相談についても、算定できるようになりました。

また、本人の支援だけでなく、きょうだいも相談援助の対象となることが明確化されました。具体的な単位数については、以下のとおりです。

現行 改定後
家庭連携加算(月4回まで)
居宅訪問:280単位(1時間未満187単位)/回
家族支援加算(それぞれ月4回まで)
(Ⅰ)個別の相談援助等
 居宅訪問:300単位(1時間未満200単位)/回
 施設等で対面:100単位/回
 オンライン:80単位/回
(Ⅱ)グループでの相談援助等
 施設等での対面:80単位/回
 オンライン:60単位/回
事業所内相談支援加算(月1回まで)
(Ⅰ)個別相談:100単位/回
(Ⅱ)グループ:80単位/回

さらに、「子育てサポート加算」が新設されました。子育てサポート加算は、事業所が保護者に支援場面における観察や参加などの機会を提供したうえで、子供の特性や、特性を踏まえた子供への関わり方についての相談援助を行った場合に、1回当たり80単位を、月4回まで算定できます。

関係機関との連携を強化し質の高い支援の実施を目指す

今回の改定では、関係機関との連携を強化し、質の高い支援の実施を目指すため、「関係機関連携加算」の対象に医療機関や児童相談所等が追加されました。この加算は、個別支援計画作成時以外に情報連携を行った場合に算定できます。現行の加算と比べると、内容が細分化する結果となりました。具体的な加算内容は、以下のとおりです。
現行 改定後
(Ⅰ)保育所や学校等との個別支援計画に関する会議を開催し、連携して個別支援計画を作成した場合
 200単位/回(月1回まで)
(Ⅱ)就学先の小学校や就職先の企業等との連絡調整を行った場合
 200単位/回(1回まで)
(Ⅰ)保育所や学校等との個別支援計画に関する会議を開催し、連携して個別支援計画を作成した場合
 250単位/回(月1回まで)
(Ⅱ)保育所や学校との会議等により情報連携を行った場合
 200単位/回(月1回まで)
(Ⅲ)児童相談所、医療機関等との会議等により情報連携を行った場合
 150単位/回(月1回まで)
(Ⅳ)就学先の小学校や就職先の企業等との連絡調整を行った場合
 200単位/回(1回まで)

また、セルフプランで複数の事業所を利用する子供に関する連携について、「事業所間連携加算」が新設されました。この加算では、子供の状況や支援状況の共有等の情報連携を行った場合、加算を算定できます。さらに、セルフプランを自治体と障害児支援事業所が共有して活用する仕組みも設けられました。事業所間連携加算の詳細な内容は以下のとおりです。

  • (Ⅰ)中核となる事業所 500単位/回(月1回まで)
    会議開催等による事業所間情報連携、家族への相談援助や自治体との情報連携を実施した場合
  • (Ⅱ)連携する事業所 150単位/回(月1回まで)
    上記の情報連携に参画、事業所内で情報を共有し支援に反映した場合

生活介護における支援の実態に応じた基本報酬区分が見直し

生活介護では基本報酬は営業時間で設定されていますが、2024年度からは、利用者ごとのサービス提供の実態に応じた報酬体系となるよう改定されました。

基本報酬の設定では、これまでの障害支援区分ごとと利用定員規模に応じた算定から、サービス提供時間を加えた算定となり、より細分化した設定となっています。
また、サービス提供時間については、医療的ケアが必要な利用者や盲ろう者など、障害特性等によって利用時間が短時間にならざるを得ない場合は、以下の配慮を実施します。

  • 個別支援計画に定めた標準の支援時間で算定することを基本とするなどの一定の配慮を設ける
  • 従業員の配置員数を算定する際に必要な前年度の平均利用者数の算定については、サービス提供時間を考慮する。具体的には、5時間以上7時間未満の利用者は0.75人、5時間未満は0.5人と計算する。短時間の利用者を午前と午後に受け入れることも可能とする

さらに、基本報酬に加えて「福祉専門職配置等加算(Ⅲ)」が算定できるようになります。福祉専門職配置等加算(Ⅲ)は、常勤職員が多く配置されていることや、常勤職員の勤続年数が長いことを適切に評価する加算で、1日6単位算定できます。また、福祉専門職配置等加算(Ⅰ)または(Ⅱ)との併用も可能です。

総合的な支援の提供を基本とした評価体制へ変更

質の高い発達支援を推進するため、2024年度からは総合的な支援の提供を基本とした評価体制に変わります。

支援においては、運営基準として、「運動・感覚」「健康・生活」「認知・行動」「人間関係・社会性」「言語・コミュニケーション」の5つの領域を含めた総合的な支援を提供することを基本とします。

事業所個別支援計画等において、支援内容と5領域のつながりを明確化したうえでサービスを提供することが求められるようになりました。

運営基準の定義に基づいた支援プログラムの作成や公表をしなかった場合には、支援プログラム未公表減算として所定単位数の85%の算定となります。この減算には、1年の経過措置期間が設けられています。

専門的支援加算及び特別支援加算については、両加算を統合し、専門的な支援を提供する体制と、専門人材による個別で集中的な支援を計画的に実施することについて、2段階で評価する形となりました。

基本報酬において、30分未満という極めて短時間の支援については、算定対象から原則除外されます。そして、個別支援計画に定めた個々の利用者の支援時間に応じた評価ができるよう、支援時間による区分が設けられるようになりました。

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報酬改定が障害児通所施設に与える影響

2024年度の改定が障害児通所施設に与える影響は、大きく3つあります。

まず、放課後等デイサービスにおいては、習い事のような支援を行っている場合は、公費負担の対象外になる可能性があります。ピアノや絵画のみの支援、学習塾のような学習支援のみを提供している場合は、利用者に再アセスメントを行ったうえで、5領域とのつながりがわかる支援内容を記載した個別支援計画を再度作らなければなりません。個別支援計画の内容によっては、活動プログラムの内容についても見直す必要があるでしょう。

次に、基本報酬がアップすることで、利用者数の変動に柔軟な対応ができるようになります。その結果、小規模な事業所でも運営しやすくなり、施設からの地域移行が推進しやすくなると考えられます。

ただし、今回の改定では基本報酬アップや加算内容の変更、新設などが多く、業務負担や請求時の事務負担が増えることになるでしょう。

この負担を軽減するためには、法改正への対応とサポート体制が整っている介護ソフトの導入や、事業所のICT化が欠かせません。介舟ファミリーなら導入から法改正まで、しっかりサポートしてくれるので安心です。

事業所全体でサービスの質の向上に努めよう

2024年度の障害福祉報酬改定では、利用者のニーズに合わせたサービスの質の向上と、職員の待遇改善に重きが置かれた内容となっています。

また、障害児通所施設では、家族支援も含めた総合的な支援を提供していく必要があります。事業所全体で法改正に合わせた職場環境の改善や、体制づくりを行っていくことが大切です。

さらに、法改正は3年ごとに行われており、改正ごとに速やかな対応が求められます。日ごろから事業所のICT化を進めておくと、改正にもスムーズに対応できることでしょう。

法改正に対応した介護ソフトがあれば、法改正時の業務負担も軽減できます。

介舟ファミリーであれば、導入から法改正までフルサポートしてくれるので安心です。この機会に、介舟ファミリーの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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障害者雇用促進法改正で変更されたポイントとは?影響や対策についてわかりやすく解説

障害者雇用促進法改正で変更されたポイントとは?影響や対策についてわかりやすく解説

2022年に改正され、2024年に施行される障害者雇用促進法では、どのような変更が行われるのか?事業所を運営する責任者にとっては注目度が高いトピックでしょう。この記事では、障害者の法定雇用率の段階的引き上げ、平均工賃の水準に応じた報酬体系の見直しなど、改正ポイントを解説します。また、対策についても紹介します。

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障害者雇用促進法とは

障害者雇用促進法とは、障害者が職業生活を通して自立するための職業リハビリテーションの推進を柱にした法律です。また、障害者の職業安定を図るだけでなく、事業主が障害者を雇用する義務、差別禁止や合理的配慮の提供義務なども定めています。

ノーマライゼーションの理念

この法律が作られた背景にはノーマライゼーションの理念があります。障害の有無にかかわらず、個人として尊重される社会と、互いの人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を目指すという理念です。

障害者雇用促進法の前身は、1960年の身体障害者雇用促進法になります。その後、1976年には法定雇用率制度が義務化されました。そして1998年には知的障害者、2018年には精神障害者を雇用することが義務化されています。

障害者雇用促進法の改正ポイント

今回の障害者雇用促進法の改正点について解説します。

障害者の法定雇用率の引き上げ

改正の論点のひとつは、法定雇用率の引き上げです。
これまではおおむね5年ごとに0.1~0.2%の上昇でしたが、この改正では法定雇用率を0.4%上昇し2.7%の引き上げとなります。しかし、一気に上がるのではなく、段階的に上昇していくのが特徴です。2024年から2.5%、2025年に2.7%を達成すると設定されています。
また、雇用率の引き上げによって、雇用人数による障害者の雇い入れの基準も変更になりました。
2024年4月以降は、40人以上の雇用がある民間企業は法定雇用率に従って障害者を雇い入れる義務が生じます。
さらに2026年4月以降は、37.5人以上を雇用する民間企業も同様に障害者を雇用しなければなりません。このラインにいる企業の責任者は、今から準備をしておく必要がありそうです。
ただし、例外の職種も設けられています。例えば、建設業・鉄鋼業・道路貨物運送業・鉄道業・医療業・高等教育機関・介護老人保健施設・介護医療院・道路旅客運送業・小学校・幼稚園等です。
また、令和7年4月1日からは除外率も、各除外率設定業種に応じて、それぞれ10ポイント引き下げられます。ただし、現在、除外率が10%以下の業種は除外率制度の対象外となるので注意しましょう。

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平均工賃の水準に応じた報酬体系の見直し

改正の柱のひとつに工賃値上げがあります。そのため、平均工賃月額に応じて報酬体系ごとに見直しが検討されています。
理由としては、令和3年度報酬改定において新設された「利用者の就労や生産活動等への参加等」が増加し、「平均工賃月額」に応じた報酬体系との収支差率が高いためです。
目標の工賃を達成するための指導員を配置すると、加算の対象になるだけでなく、工賃が実際に上がった事業所は評価の対象となる可能性もあるようです。平均工賃の報酬見直しについて、具体的には以下のようになっています。

  • 平均工賃月額が高い区分は引き上げ、低い区分は引き下げ
  • 就労や生産活動等を評価し、基本報酬を設定
  • 多様な対応を行う事業所は人員配置6:1を新設

平均工賃月額の算定方法の見直し

現在の平均工賃月額は、工賃総額を各月の工賃支払対象者の総数で除して算定しています。しかし、それでは工賃支払対象者を利用日数にかかわらず1名としてカウントするため、日数の少ない障害者を受け入れた事業所は、平均工賃月額が低くなる傾向にありました。その不平等を解消するため、新しい算定式が導入されます。

【新算定式】
年間工賃支払総額 ÷(年間延べ利用者数÷年間開所日数)÷ 12 月

就労選択支援は令和7年10月に新設

就労選択支援の根拠法となる障害者総合支援法と障害者雇用促進法は、令和6年4月1日に施行されますが、就労選択支援の施行は、令和7年10月1日の予定です。利用者から希望を聞き、就労能力や適性を鑑みて支援していく予定です。

その際、就労アセスメントの手法を活用して評価を行うことから、適切な支援ができるような仕組みとなります。

アセスメント結果を踏まえて利用者と関係機関の担当者で協議し、就労系障害福祉サービス利用、または公共職業安定所等を決めていくのが基本の流れです。

精神障害者の特例の延長

週20時間以上30時間未満の労働者は0.5人としてカウントされていましたが、2022年度末までの限定で、精神障害のある短時間労働者に対しては1人としてカウントされる特例が設けられていました。この方針は、改正後もしばらく延長になる見込みです。

短時間障害者の雇用率に算入可能

従来週20時間以上の労働者だけを実雇用率としてカウントしていましたが、2024年4月1日以降は、精神障害者、重度身体障害者、重度知的障害者の短時間労働も実雇用率への算入が可能になります。

納付金制度についての改正

雇用率未達成企業からは納付金を徴収していた一方で、雇用率を達成している企業には調整金や報奨金を支給していましたが、その支給金額が引き下げられます。

また、障害者未雇用の企業が、実習生を受け入れた場合には経費を支援する措置が設けられました。

さらに、障害者を雇用している企業が、未雇用の事業主の見学を受け入れた場合も支援する案が浮上しています。

事業主支援を強化するための助成金の新設・拡充

調整金や報奨金の支給は下がりますが、相談支援の助成金が新設、または拡充となります。

  • 働いている人が年齢を重ね、今の業務を遂行するのが難しくなった場合、能力の開発や、業務を続けるための対応を行った企業には、助成金が受けられます。
  • 現在ある障害者介助等助成金、職場適応援助者助成金も拡充されることが決定したほか、職場実習や、見学の受け入れなどをした場合の助成金も新設されます。

改正による影響と対応策

今回の改正では法定雇用率の引き上げ、平均工賃の水準に応じた報酬体系の見直しなどで、給料体系が大きく変わります。
また、雇用に関しての細かいルールも設けられているため、さらに煩雑な事務処理が求められるでしょう。

そのような改正への対応として、介護事業者や障害福祉サービス事業所の運営責任者は、今から業務を効率化する策を立てておかなければ、通常の業務も回らなくなる可能性が出てきそうです。

対策の一環として、最初に考えなければいけないのがICT化に向けた整備でしょう。

すでにインターネット環境を構築している事業所は、現状で問題がないのかを検討することが必要です。また、紙ベースで事務作業を行っている事業所は、早急にデジタル化を検討する必要があります。

介護ソフトを導入することで改正内容に迅速に対応できる

2024年4月に施行される改正に備えて、事業所の責任者としては今からさまざまなことを準備しておくことが大切です。

特に、今回の改正はICT化を前提としているため、インターネット環境の構築はすぐに行う必要があります。

それと同時に介護ソフトの選定も欠かせません。すでに導入している事業所では、改正後の事務作業に今の環境が対応できるのか見極めておきましょう。

介護ソフトに関しては、各社から種々発売されているので、使い勝手、アフターフォローの面などをしっかりと検証してから導入すると失敗がありません。

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