2024年度介護保険法の改正決定事項とは?今回改正された決定事項を詳しく解説

2024年度介護保険法の改正決定事項とは?今回改正された決定事項をそれぞれ詳しく解説

2024年度に実施される介護保険法の改正は、多くの事業所運営者が注目しています。なかでも気になるのは、介護報酬の改定率ではないでしょうか。社会保障審議会や介護給付費分科会を経て、各サービスや課題の議論、ヒアリングも終了し、いよいよ2024年度の介護保険法改正が決定されました。この記事では2024年改正における決定事項の一部をご紹介します。

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2024年度の介護保険改正とは

2024年度の介護保険改正の概要と目的を確認しておきましょう。

2024年度の改正の概要

厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会」は、2023年12月に審議報告をとりまとめました。大きな柱は4つです。

  1. 地域包括ケアシステムの改定
  2. 自立支援・重度化防止を重視した介護サービスの改定
  3. 良質なサービスと、職場改善の改定
  4. 制度の安定性・持続可能性の確保の改定

介護報酬改定率は+1.59%、基準費用を上乗せして実質約2%アップ

令和6年度の介護報酬改定は改定率1.59%のプラスで決定しました。
そのほかに、賃上げや光熱水費の基準費を上げることで2.04%の増収になる見込みです。また、介護現場で働く職員に対しても、2024年度には2.5%、2025年度には2.0%のベースアップが予定されていますが、配布方法や時期などはまだ決まっていません。2026年度についても、令和8年度の予算編成で検討する予定です。

訪問介護・定期巡回では報酬引き下げ

上記のように介護報酬はアップした一方で、介護事業経営実態調査において収支差率が比較的安定していたためか、基本報酬が引き下げられたサービスもあります。

  • 訪問介護 -2.4%
  • 定期巡回サービス -4.4%
  • 夜間対応型訪問介護 -3.5%

厚生労働省は、介護職員等処遇改善加算において高い加算率を設定しているとして理解を求めていますが、大きな驚きと不満が上がっています。

在宅医療系サービスの改定は6月施行予定

改定はおおむね4月1日に施行されますが、訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、居宅療養管理指導の4つのサービスは6月1日施行の見込みです。該当する事業所は、改定内容に対応するなど注意する必要があります。

介護報酬について詳しくは「介護報酬とは?報酬計算の方法や仕組みをわかりやすく解説!」をご覧ください。

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2024年の介護保険改正の決定事項

介護保険法の改正で決定された事項の中からいくつかご紹介します。

業務継続計画(BCP)の未策定事業所に対する減算の導入

業務継続計画が未策定の事業所は、基本報酬が減算されます。しかし令和7年3月31日までの間に、感染症の予防及びまん延の防止のための指針の整備及び非常災害に関する具体的計画の策定を行っている場合には、減算にはなりません。

高齢者虐待防止措置の推進

居宅療養管理指導、特定福祉用具販売を除く全サービスで、高齢者虐待防止の措置が講じられていない事業所は、基本報酬が減算の対象となります。

身体的拘束等の適正化の推進

短期入所系、多機能系サービスでは、身体拘束等の措置が講じられていない場合には基本報酬が減算となります。
訪問系サービス、通所系サービス、福祉用具貸与、特定福祉用具販売 及び 居宅介護支援では、「緊急やむを得ない場合」を除いて身体的拘束等を行ってはならないこととしています。

管理者の責務および兼務範囲の明確化

管理者の責務については「サービス提供の場面等で生じる事象を適時かつ適切に把握しながら、職員及び業務の一元的な管理・指揮命令を行うこと」とされ、管理者が兼務できる事業所の範囲についても、「管理者がその責務を果たせる場合には、同一敷地内における他の事業所、施設等ではなくても差し支えない」とルールが明確化されました。

ローカルルールについて

人員配置のローカルルールについては、厚生労働省令の範囲内での内容となり、事業者から説明を求められた場合にはその必要性を説明できるようにすることが求められます。

重要事項等のインターネット上での公表の義務化

重要事項等は、書面掲示とインターネット上での公表の双方が必要となります。介護事業者は、法人のホームページまたは情報公表システム上に重要事項等の情報を掲載し、いつでも誰でも閲覧できるようにすることが義務化されます。

感染症対応への新たな評価

感染症のパンデミックが発生した際に、医療機関と連携して高齢者を施設内で療養させることができる事業者には、新たな評価が設けられます。評価対象は以下の3点です。

  • 新興感染症の発生の際に、感染者の診療等を請け負う医療機関(協定締結医療機関)と連携体制を構築していること
  • 新型コロナウイルス感染症を含む一般的な感染症について、発生時の対応を協力医療機関等と取り決めるとともに、連携して適切な対応を行っていること
  • 医療機関等(感染症対策にかかる一定の要件を満たす必要があります)や地域の医師会が定期的に主催する感染対策に関する研修に参加し、指導などを受けること

BPSDの防止、早期対応に向けた取り組みへの評価

認知症チームケアの評価に新加算が設けられます。

一体的計画書の見直し

利用者を重症化させないという観点から、リハビリ・機能訓練、口腔、栄養を一体的に計画してサービスを提供することが推進されます。

一体的計画書について詳しくは「【2024年度介護保険法改正】一体的計画書とは?一体的計画書について詳しく解説」をご覧ください。

訪問系、短期入所系の口腔管理に関わる連携

事業所と歯科専門職を連携させて、適切な口腔管理を目指すことから、口腔関連強化加算が新設されます。

ユニットケア施設管理者研修

個室ユニット型施設を運営する管理者には、ユニットケア施設管理者研修の受講が努力義務となります。

科学的介護推進体制加算の見直し

科学的介護推進体制加算についても見直され、LIFEへのデータ提出の頻度が6か月に1回から3か月に1回となります。 LIFEについて詳しくは、「科学的介護情報システム(LIFE)とLIFE加算をわかりやすく解説!」をご覧ください。

ADL利得の計算方法の簡素化

ADL維持等加算の際のADL利得の値が変更になり、ADL利得の計算方法が簡素化されます。

排せつ支援加算の評価対象の追加

排せつ支援加算における評価対象のアウトカムに尿道カテーテル抜去が追加となります。

褥瘡(じょくそう)マネジメント

施設入所時に認められるなど、既にある褥瘡の治癒も評価の対象となります。

処遇改善3加算は「介護職員等処遇改善加算」に

以下3つの加算は一本化され、「介護職員等処遇改善加算」となります。

  • 介護職員処遇改善加算
  • 介護職員等特定処遇改善加算
  • 介護職員等ベースアップ等支援加算の各加算

外国人介護人材の人員配置基準の見直し

就労開始から6か月未満のEPA介護福祉士候補者や技能実習生は、条件を満たすことで就労開始から人員配置基準に算入できるようになります。

介護保険法改正における懸念点

2024年度の介護保険法改正は、2025年に団塊世代が後期高齢者となる現状を見据えた改正ともいわれています。2割自己負担の対象拡大や、処遇改善加算の一本化などが実施された際は、介護保険請求時の事務作業が煩雑になることが十分に予測できます。また、前述のとおり2024年の介護保険法の改定では介護報酬改定率1.59%を打ち出しています。そのため、申請手続きの書類の提出がさらに増えることも懸念されます。

2024年度の介護保険法改正への準備は介護ソフトの導入から

2024年度の介護保険法改正に向けて、事業所の運営責任者は、今から対策をしておく必要がありそうです。ICT化を進める厚生労働省は、介護ソフト導入を前提に書類作成の義務化を推し進めることは十二分に考えられます。
介護ソフト未導入、またはリプレイスを考えている事業所は、この機会に検討することをおすすめします。改正が始まってからでは、余裕を持った検討が難しくなるかもしれません。
介舟ファミリーの介護ソフトは、トータルサポートが受けられるため、介護ソフトが活用できるかどうか不安な事業所であっても安心です。また、誰でも直感的に操作ができる見やすい設計となっており、パソコンやタブレット操作が苦手なスタッフでもすぐに使いこなすことができるので、円滑な業務遂行が期待できます。

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【2024年度介護報酬改定】人員配置基準の緩和の内容とは?それぞれ詳しく徹底解説!

【2024年度介護報酬改定】人員配置基準の緩和の内容とは?それぞれ詳しく徹底解説!

2024年度の介護報酬改定では、さまざまな介護保険サービスにおいて、人員配置基準が緩和される内容となりました。緩和の対象や内容が多岐にわたるため、自身の事業所にどの部分が影響するのか、どのように対応すればよいのか、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
この記事では、2024年度の介護報酬改定のなかでも人員配置基準に焦点を当てて、詳しく解説していきます。

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2024年度の介護報酬改定についておさらいしよう

まずは、2024年度の介護報酬改定の基本について、簡単におさらいしておきましょう。今回の介護報酬改定では、人口構造や社会経済状況の変化を踏まえたうえで、次の4つを基本的な視点とし、改定が行われました。

地域包括ケアシステムの深化・推進

高齢者とひと口に言っても、元気に過ごしている人だけでなく、認知症を患っている人やひとり暮らしの人、医療ニーズが高い人など、それぞれの抱えている状況はさまざまです。介護保険では、多種多様な状況にある高齢者に対し、質の高いケアマネジメントや必要なサービスを滞りなく提供できる体制を整える必要があります。今回の介護報酬改定では、地域の実情に合わせ、柔軟かつ効率的な取り組みを進めることや、医療と介護の連携の推進などを行っていくことで、高齢者が自分らしく生活できるよう地域包括ケアシステムを深化・推進していきます。

自立支援・重度化防止に向けた対応

高齢者が自立した生活を送っていくためには、心身機能や持病等の症状を重度化させないことが大切です。介護報酬改定により、高齢者に関わる多職種が連携できる仕組みを取りつつ、LIFE等のデータの活用促進を図っていきます。

良質な介護サービスの効率的な提供のための働きやすい職場づくり

介護業界では、慢性的な介護人材不足に悩んでいます。介護人材が不足するなかでも、提供するサービスの質の向上は図り続けていかなければなりません。処遇改善や生産性向上を通じて、働きやすい職場環境づくりを行い、効率的なサービスが提供できる仕組みを推進しています。

制度の安定性・持続可能性の確保

評価の適正化や重点化、報酬の整理や簡素化を図ることで、介護保険制度の安定性や持続可能性を高め、すべての世代にとって安心できる制度の構築を目指していきます。
2024年度の介護報酬改定の全容については、「2024年介護保険法改正はどうなる?政府提言のポイントをわかりやすく解説」で詳しく解説していますので、ぜひお読みください。

2024年度介護報酬改定における人員配置基準の緩和内容

2024年度介護報酬改定では、人員配置基準の緩和に関わるものが多くあります。詳しく見ていきましょう。

外国人介護職員の人員配置基準緩和

2024年度の介護報酬改定では、外国人介護職員の人員配置基準が緩和されました。これまで、就労開始から6か月未満のEPA介護福祉士候補者と技能実習生は、日本語能力検定のN1もしくはN2の合格者だけが人員配置基準の対象となっていました。 しかし、今回の介護報酬改定では、就労から6か月未満の外国人介護職員であっても、日本語能力や指導の実施状況、管理者や指導職員等の意見等を考慮したうえで、以下の要件を満たしていれば、就労開始直後から人員配置基準に算入できます。
  • 事業所が当該外国人介護職員を人員配置基準に参入することについて意思表示を行っている
  • 一定の経験のある職員とチームでケアを行う体制である
  • 安全対策担当者の配置や指針の整備、研修の実施など、安全対策実施のための組織的な体制を整備している
ただし、外国人介護職員の受け入れについては、人員配置基準への参入の有無にかかわらず、受け入れ施設として適切な指導や支援体制の確保が必要です。例えば、研修または実習のための指導職員を配置したり、計画に基づいて技能等が習得できるようにしたりといった学習への配慮を行わなければなりません。

ローカルルールにおける人員基準緩和

2024年の介護報酬改定では、都道府県と市町村に対して、人員配置基準におけるローカルルールについては、「厚生労働省令に従う範囲内で地域の実情に応じた内容とする」と言及されました。そして、都道府県及び市町村は、事業者からローカルルールについての説明を求められたときには、そのルールの必要性について説明できるようにしておかなければなりません。

夜間の人員配置における緩和

夜間帯の人員については、介護老人保健施設とグループホーム、特定施設で人員配置基準が緩和されました。 まず、ユニット型を除く介護保険施設では、以下の要件を満たした場合、1日当たりの配置人員数が現行の2人以上から1.6人以上に緩和されることとなります。
  • 全利用者に見守りセンサーを導入すること
  • 夜間職員全員がインカム等のICTを使用すること
  • 職員の負担軽減等への配慮と委員会の設置や安全体制等の確保を行うこと
ただし、常時1人以上の人員配置は必要ですので、注意しましょう。また、利用者40人以下で緊急時の連絡体制を常時整備している場合には、現行通り1人以上の配置が必要です。 次に、グループホームの夜間の人員配置を見ていきましょう。グループホームの夜間支援体制加算では、現行の常勤換算方法で事業所ごとに1人以上の夜勤職員又は宿直職員を加配するという要件とは別に、要件が新設されました。新たな要件では、利用者に対する見守り機器の導入割合が10%あり、利用者の安全並びに介護サービスの質の確保と、職員負担軽減のための方策を検討する委員会が設置してあり、必要な検討が行われている場合には、事業所ごとに常勤換算方法で0.9人以上の夜勤職員でも算定が可能となりました。
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居宅介護支援における人員配置基準の緩和

居宅介護支援では、基本報酬における取扱件数との整合性を図るため、常勤の介護支援専門員の人員配置基準が変更となりました。まず、利用者の数のうち、要支援者の数については、従来は要支援者の人数×2分の1で換算していましたが、改定後は3分の1での換算となっています。そのうえで、介護支援専門員1人当たりの取り扱い件数が、これまでの35から44に変わります。 さらに、指定居宅介護事業所がケアプランデータ連携システムを利用したうえで事務職員を配置している場合には、介護支援専門員1人当たりの利用者数は49までとなりました。要支援者の数が2分の1から3分の1換算になり、取り扱い件数の上限が44に増えたことで、実際に介護支援専門員が担当する件数はより多くなることでしょう。

個別機能訓練加算の人員配置要件の緩和

通所介護と地域密着型通所介護では、個別機能訓練加算における人員配置要件が一部緩和となります。今回の介護報酬改定では、個別機能訓練加算(Ⅰ)ロについて、85単位から76単位に下がる代わりに、通所介護の提供時間を通じて専従1名以上の配置から、配置時間の定めなしに変更となりました。この改正により、専従の個別機能訓練指導員は、別の職務に配置することや、別事業所で機能訓練指導員として従事することができるようになります。

両立支援への配慮に伴う人員配置基準の緩和

介護現場では、子育て中の人や家族の介護をしている人、持病を持っている人など、さまざまな人が働いています。これまで、育児と仕事の両立については、育児・介護休業法による短時間勤務制度や母性健康管理措置による短時間勤務を行っている人の場合、一定条件の下で常勤換算の計算上1として取り扱うことが可能でした。 今回の改定では、上記に加え、治療と仕事の両立ガイドラインに沿って事業者が自主的に設ける短時間勤務制度を利用している人がいる場合、週30時間以上勤務していれば、常勤換算での計算上も1として扱うことが認められるようになります。

兼務範囲とテレワークに関する人員配置基準緩和

今回の改定では、管理者の責務と兼務範囲、テレワークに関する人員配置基準の緩和も明言されています。 まず、管理者がその責務を果たせる場合には、同一敷地内にあるほかの事業所や施設等ではない事業所であっても、兼務して差し支えないとの通達が出ました。ただし、利用者へのサービス提供の場面等で起こる事柄をしっかりと把握し、職員や業務の一元的な管理や指揮命令を行うことが責務であることを、明確化しておかなければなりません。 テレワークについては、人員配置基準等で具体的な必要数を定めている職種については、個人情報を適切に管理し、利用者の処遇に支障が生じないことを前提としたうえで取り扱いを明確化し、職種や業務ごとに具体的な考え方を示すこととなりました。ただし、居宅療養管理指導はテレワークの取り扱いの対象ではありません。

人員配置基準の緩和に対応するためICT化を進めよう

今回の介護報酬改定における人員配置基準の緩和では、介護ロボットやICT等のテクノロジー導入といったツール活用が要件となっているケースが散見されます。介護を担う人材不足が慢性化しているなか、今ある人材を守り活かすためには、テクノロジーの活用が必要不可欠となってきています。
今後、ますますICT化の流れは広がると予想され、近い将来には介護ロボットやICT等が介護現場に欠かせないものとなってくることでしょう。この流れに乗り遅れないためには、介護ソフトなどのツール導入が重要となります。

介舟ファミリーなら、操作方法から制度に関することまで、専任スタッフからサポートが受けられるので、改正時にもスムーズな対応ができます。今回の介護報酬改定を機に、使い勝手の良い介護ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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介護現場の無駄な業務を削減!具体的な方法と円滑な進め方とは

介護現場の無駄な業務を削減!具体的な方法と円滑な進め方とは

介護業界には無駄な業務が多いといわれています。無駄な業務が多いと、現場の負担を増やし、職員が利用者と向き合う時間が作れず、介護の質を下げてしまったり、離職率の増加にもつながったりします。業務のどこに無駄があるのか、どう改善すればいいのか、わからずに悩んでいる事業所も多いのではないでしょうか。この記事では、介護現場における無駄な業務を知り、業務改善を円滑に進める方法を紹介します。

介護現場における無駄な業務とは?

介護事業所を運営していると、無駄な業務が見えてくることがあります。現場で働く職員のなかには、「この業務は無駄では?」と思いながら仕事をしている人もいるかもしれません。無駄な業務が多いほど、現場で働く職員の負担は増えるため、無駄な業務は減らしていく必要があります。
この無駄な業務を洗い出すときの考え方として、押さえておきたいのが3Mという考え方です。3Mとは、業務改善を行ううえで対策すべき原因であるムリ・ムダ・ムラの頭文字の言葉です。もともとは製造業の業務改善でトヨタが提唱した考え方のひとつで、3Mを削減することが業務改善につながるといわれています。

介護業務における3Mについて、詳しく見ていきましょう。

介護業務の3M「ムリ」

介護業務における「ムリ」とは、働く職員に能力以上の成果を求めてしまい、職員の心身に過度の負担がかかっている状態をいいます。たとえば、大柄で介護量の多い利用者の介助を小柄な職員が1人で実施する、十分な教育をされないままにキャリアの浅い職員がいきなり1人夜勤に入る、といったことがムリに該当します。慢性的な人材不足に悩まされている介護現場においては、残念ながら起こりがちともいえるでしょう。

介護業務の3M「ムダ」

介護業務における「ムダ」とは、能力に対し負荷が低く、本来であれば省略できる業務のことをいいます。たとえば、介護記録やバイタル記録を何度も転記しなければならないような体制になっていたり、チェック表がいくつもあったり、といった状況が該当します。また、記録を見ればわかる内容を再度口頭で行う申し送りや、作成に時間がかかるシフト作成は、効率化できる部分が多いことから、ムダな業務に該当します。

介護業務の3M「ムラ」

介護業務における「ムラ」とは、職員や時期によって業務にムラがある状況をいいます。よく見られるムラには、マニュアルどおりに仕事を行う職員と、自己流で仕事を行う職員によって、業務に差が出てしまうことで、状況によっては利用者に負担が生じることもあります。また、曜日や時間帯によって職員の人数にばらつきがあり、食事介助やおむつ交換などに時間がかかってしまうケースも該当します。請求業務は、月初や月末に仕事が集中する傾向があるため、ムラがある業務といえるでしょう。

なぜ介護事業所で業務改善が重要なのか?

介護事業所にとって、介護業務の無駄を省き業務改善していくことは、なぜ必要なのでしょうか。日本は超高齢社会であり、介護ニーズは年々増加し、多様化がすすんでいる状況です。しかし、必要な介護人材には到底足りておらず、現場に負担がかかっている状況は以前から変わっていません。今後も、人手不足の解消には長い時間がかかることでしょう。

人手不足が解消できないなかで、介護職員の負担を軽減するためには、業務内容の見直しや効率化を図っていくことが必要です。もし不必要な業務を改善することができれば、職員の負担は軽減でき、本来の業務である介護業務に集中することができるでしょう。その結果、職場環境は改善するため、職員の働く意欲が向上し、離職率の低下につながります。また、職員が定着することで介護技術や知識も向上するため、介護の質は向上していき、利用者にもより質の高いサービスが提供できるようになるのです。

介護事業所の無駄な業務を減らす方法

介護事業所の無駄な業務を減らす方法のひとつとしてICT化が注目されています。ここでは、無駄な業務の削減につながる具体的なICT化の方法を紹介します。

介護ソフトの活用

特に導入が進んでいるのが、介護ソフトです。ケアプラン作成や記録業務、請求業務、スタッフ管理に至るまで、データを相互に連携させることで手入力を減らし大幅な業務効率化を図ることができます。現場からのデータ入力や確認ができるクラウド型ソフトであれば、リアルタイムでの情報共有が可能です。
最近ではバイタル測定機器からのデータ取り込みやケアプランのオンライン連携といった機能を持つソフトもあります。
自施設の規模や状況は、ソフト導入当時から変化している場合もあるでしょう。そのため、使用中のソフトが現在の自施設に適しているかどうかを再評価することも重要です。適切なソフトへのリプレイスによって、業務の無駄を減らせる場合もあります。

インカムの導入

広い施設や入所施設では、インカムを導入が有効です。離れた場所でも複数人がリアルタイムでコミュニケーションをとれるため、円滑な情報共有ができ、業務も効率化します。

排せつ予測機器の導入

排せつ予測機器を導入すれば、利用者の状況に合わせたトイレ誘導が可能となり、利用者の自立排せつ支援や、職員にとって排せつ介助の効率化につながります。

見守りシステムの導入

夜勤者の負担を軽減するのであれば、見守りシステムを導入するとよいでしょう。センサーやモニターで利用者の行動を察知し、異常時には職員に通知してくれます。そのため、夜間や定期巡回回数を減らせ、職員の介護負担を軽減できるでしょう。

介護現場をICT化することで業務改善を行う取り組みは、介護DXといわれています。介護DXについては、以下の記事に詳しく紹介しています。

ただ、介護DXを進めるうえでネックになるのが費用面です。しかし、費用面については、ICT補助金を利用することで、導入の負担が軽減できるでしょう。

介護事業所の業務改善を円滑に進める3つのポイント

介護事業所の業務改善を進めていくためには、ポイントを押さえて実施していく必要があります。業務改善の円滑な進め方のポイントを3つ紹介します。

①業務改善を行う目的を明確化し共有しよう

業務改善を行う際には、まず実施する目的を明確にすることが大切です。業務改善を実施していく介護現場には、たくさんの職員が関わっています。目的がわからないままに業務改善が進めば、不満に思う職員も出てくるかもしれません。なぜ今業務改善を行うのか、目的を明確化して職員間で共有し、事業所全体で同じ方向を向いて、業務改善に取り組むようにしましょう。

②現場の声をヒアリングして課題を可視化しよう

業務改善を行う際には、今ある課題をしっかりと把握しなければなりません。課題は現場にあることがほとんどですので、現場職員の声を聞く必要があります。課題把握シートや気づきシートを活用し、現場職員からヒアリングを行う体制を整えましょう。ヒアリングした内容を基に分析を行い、課題を可視化した後は、職員と課題を共有することも忘れてはいけません。

③業務改善が適切に実施できたか定期的に振り返ろう

業務改善に取り組んだ後は、どういう成果が出たかを必ず振り返りましょう。振り返るときには、進捗管理シートのように可視化できるツールがあると、複数の職員が参加する場合にも成果や課題がわかりやすく、話し合いがしやすくなるでしょう。業務改善の振り返りを行った結果、修正すべき点は速やかに修正します。修正した点については、再度評価も忘れないようにしましょう。定期的に振り返りを行うことで、徐々に無駄な業務は減らしていけるようになります。

現場の負担を減らして介護の質を高めよう

介護現場の無駄な業務を減らすことは、事業所で働く職員の負担を軽減し、働きやすい環境を作ることにつながります。快適な労働環境を整備することで、職員は個々の介護ニーズに丁寧な対応をとる時間が確保できるため、事業所全体の介護の質を高めることができるでしょう。働きやすい環境づくりを目指し、まずは無駄な業務の洗い出しを始めてみてはいかがでしょうか。

現場に合った介護ソフトの導入は、無駄な業務を減らせる方法のひとつです。介舟ファミリーは、計画・記録・請求業務を一気通貫で行うことができるので、転記ミスの防止だけでなく、ダブルチェックが不要になります。スタッフ間の情報共有もリアルタイムで行うことができます。ぜひご検討ください。

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新型コロナ5類移行後で介護現場はどう変わる?

新型コロナ5類移行後で介護現場はどう変わる?

新型コロナウイルス感染症について、2023年5月8日から感染症分類が5類に移行しました。これまで行われていたさまざまな感染対策も、徐々に緩和の方向になってきています。介護報酬の面でも、これまでの臨時的な取り扱いが見直しされており、介護現場ではいろいろな動きがあり不安に感じている人も多いのではないでしょうか。この記事では、新型コロナウイルス感染症の「5類移行」が介護現場に与える影響と今後の注意点について、詳しく解説します。

5類移行後のコロナ特例措置の概要と介護現場に与える影響

新型コロナウイルス感染症の取り扱いは、2023年5月8日に感染症分類の2類から5類へ移行しました。しかし、5類移行後も新型コロナウイルス感染者が発生するリスクはあります。そのため、新型コロナウイルス感染者が出ても安定的な介護サービスの提供が実施できるよう、介護報酬上の臨時的な取り扱いについての見直しが行われました。

具体的な見直しポイントは、以下のとおりです。

  • 利用者や職員が新型コロナウイルスに感染しても、安定的にサービス提供を行うために必要な臨時的な取り扱いや、ワクチン接種を促進するための臨時的な取り扱いについては、当面継続。
  • 感染対策を行ったうえで合理的な取り扱いに見直すことができるものについては、見直しを行ったうえで臨時的な取り扱いを継続。
  • 臨時的な取り扱いがなくても必要なサービスを提供することができるものについては、2023年5月7日をもって取り扱いを終了。

介護現場が知っておくべき5類移行後の特例措置の内容

新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い見直しとなった特例措置の内容のうち、介護現場が知っておくべきものについて詳しく見ていきましょう。

当面継続するもの

5類移行後も当面の間、利用者や家族、職員などに新型コロナウイルスの感染者が出た場合にも、安定的にサービスが提供できるための特例や、感染を予防するためのワクチン接種の促進のための特例などは継続します。

例えば、ワクチン接種の促進のための特例は、利用者にワクチンを接種するために職員が従事する場合、人員基準の柔軟な取り扱いを行う、サービス利用中のワクチン接種について減算を行わないといった措置です。この特例は、全サービス共通です。

入所系サービスでは、退院患者を受け入れた場合の入退院前連携加算の算定が最大30日間可能になる取り扱いについては継続となります。また、退院患者を受け入れた場合の人員基準の取り扱いも当面継続です。さらに、在宅復帰率やベッド回転率に連動する報酬については、影響を受けた月を除いて計算可能とする取り扱いも継続されます。

通所系・訪問系では、通所系の事業所が休業になった際に代替として訪問でのサービスを提供した場合、通所サービスと同等の報酬が算定可能となる取り扱いが、当面の間継続となっています。

一定の要件のもと継続するもの

一定の要件のもと継続するものは、2種類あります。どちらも、全サービス共通です。

1点目は、感染者へのサービス提供の有無を問わず、幅広く新型コロナウイルスの影響があった場合に人員基準違反・減算としない特例です。この措置については、利用者や職員に感染者が発生した場合において、柔軟な取り扱いを継続することになりました。

2点目は、研修が受けられない場合の特例です。下記に示す研修については、実習や実地研修に限り、新型コロナウイルスの影響によって未受講となった場合でも、基準違反や減算を行わないことになりました。

  • 介護支援専門員実務研修
  • ユニットリーダー研修
  • 認知症グループホーム管理者等に対する認知症介護実践者研修

終了するもの

5類移行に伴い、各種制限が緩和されます。緩和の結果として特例的な取り扱いがなくても必要なサービスを提供することができるものについては、2023年5月7日をもって特例が終了となりました。

例えば、これまでの新型コロナウイルス感染症への緊急的・社会的対応を踏まえた以下の特例については、すべてのサービスに共通で、通常どおりサービス提供や事務処理等を行うこととなっています。

  • 災害における取り扱いを参考にした各種サービスや申請、自治体事務の柔軟な取り扱い
  • 外出自粛要請やまん延防止等重点措置、慰労金などに関連した柔軟な取り扱い
  • ケアプランで予定されていたサービス提供が行われない場合の居宅介護支援費の算定
  • 感染拡大防止への対応を評価する観点から行う特例的な取り扱い

入所系では、サービスの簡略化に関する特例について、感染対策をしたうえで通常どおりにサービス提供を行うことになりました。
通所系・訪問系においても、以下の3点については、感染対策をしたうえで通常どおりにサービス提供を行うことで、特例扱いが終了となりました。

  • 感染対策の観点からサービス提供を短時間とした場合の最短時間の報酬算定
  • 安否確認や療養指導、福祉用具貸与計画などの説明を電話で行った場合の一定の報酬算定
  • モニタリングや訪問体制強化加算における、訪問が困難な場合の柔軟な取り扱い

5類移行後に介護サービス事業所の責任者が気をつけること

新型コロナウイルス感染症が5類移行となった以降も、介護サービス事業所の責任者は感染対策を心がける必要があります。そこで、介護サービス事業所の責任者がとるべき感染対策について、通常時と感染時に分けて紹介します。

日ごろからの感染対策

5類移行後、新型コロナウイルスの感染対策の考え方は、個人の選択を尊重し自主的な取り組みを基本とする方向に切り替わりました。しかし、感染時の重症化リスクが高い高齢者や障害者などと接する機会の多い介護事業者については、厚生労働省が日ごろからの感染対策として以下3点について注意を促しています。

マスク着用

マスクの着用については、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断にゆだねられます。しかし、高齢者や障害者などは感染時の重症化リスクが高いため、職員は勤務中のマスク着用が推奨されています。ただし、周囲に人がいない場合や、利用者と接しない場面で会話を行わないようなときには、着用について管理者がその都度判断する運びとなりました。

なお、高齢者施設で高齢者に面会する場面では、マスク着用が推奨されています。

効果的な換気の実施

必要な換気量を確保することは、感染対策の基本です。各施設の実情に応じて換気を行い、感染対策を実施しましょう。もっとも望ましいのは、機械換気による常時換気です。機械換気が適切に行えるよう、定期的な装置確認やフィルター掃除を行いましょう。

機械換気がない場合は、窓開け換気を定期的に実施します。十分な換気量を確保できない場合は、換気扇や扇風機、サーキュレーターの使用や、HEPAフィルター付きの空気清浄機の導入を検討しましょう。

面会時の感染対策

新型コロナウイルス感染症対策として、高齢者施設では長らく面会が中止となっていました。しかし、介護保険施設等の運営基準には、「常に入所者の家族と連携を図るとともに、入所者とその家族との交流の機会を確保するよう努めなければならない」などと記載されています。そのため、厚生労働省も面会の再開を推進しています。

面会を行うことで、入所者と家族のつながりや交流が図れるため、入所者の心身の健康に良い影響を与えます。面会の再開に伴い、面会者には感染経路の遮断の観点から感染対策を実施していることを説明し、理解を得ましょう。

感染者が発生したときの感染対策

感染症対策を実施していても、新型コロナウイルス感染者が発生する可能性はゼロではありません。感染者が発生した場合には、「介護現場における感染対策の手引き」を参考に対応を実施しましょう。 具体的には、感染者にかかわる情報収集や共有に努め、居室や利用した共有スペースの消毒や清掃を行います。感染者や感染の疑いのある利用者のケアにあたる場合には、サージカルマスクやゴーグル、フェイスシールドなどを使用します。

一般的な感染対策を継続し感染リスクを最小限に抑えよう

新型コロナウイルス感染症が5類に移行した現在、これまで制限されていた介護事業所での面会や外出が再開されています。職員だけでなく、利用者も多くの人と接する機会が増えていくなかで、新型コロナウイルスへ感染する可能性も上がることでしょう。これからは、利用者の心身の健康を維持しながらも、感染リスクを最小限に抑えるような対応が求められます。マスク着用や換気などの一般的な感染対策は、今後も続けていきましょう。

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介護リーダーが抱える悩みと解決のためにできる3つのこと

介護リーダーが抱える悩みと解決のためにできる3つのこと

介護現場を円滑に回していくためには、介護リーダーの存在は欠かせません。しかし、介護リーダーは、上司と部下の板挟みになりがちであり、利用者家族との対応に苦慮するなど、ストレスを抱えやすい立場ともいえるでしょう。介護事業所を運営するためには、介護リーダーが抱える悩みを知り、解決に導くことが重要となります。
この記事では、介護リーダーが抱える悩みと解決策について解説します。

介護リーダーの業務内容と必要なスキルを知ろう

介護リーダーの悩みを知るためには、介護リーダーにはどのようなスキルが必要で、どのような業務を行っているかを理解する必要があります。介護リーダーの業務内容と必要なスキルについて、詳しく見ていきましょう。

介護リーダーが行う業務内容

介護リーダーが行う主な業務内容は、次の3つに分けることができます。

現場で働くスタッフのマネジメント

介護リーダーの仕事としてまず挙げられるのが、現場で働くスタッフのマネジメントです。具体的には、現場で働くスタッフの勤務管理や調整、普段の仕事の割り振りなどを行います。シフト作成を行う介護リーダーの場合、スタッフの希望だけでなく、事業所内でのイベントに合わせて人数調整を行う必要があるため、事業所全体の流れを把握しておかなければなりません。
普段の仕事の割り振りを行うためには、一人ひとりの職員の状況を把握しておく必要もあります。まだ経験が浅い職員がいる場合は、指導役と一緒に配置するといった配慮が欠かせません。

また、現場スタッフが働きやすいような環境を整備することも、介護リーダーの仕事のひとつです。必要物品の配置や相談しやすい雰囲気づくりなど、いろいろなことに気を配る必要があります。

介護職員の教育・育成

介護職員の教育や育成も、介護リーダーの大切な仕事です。新人職員に対しては、自らが育成を行うだけでなく、誰を教育担当にするかといった人選も行います。OJTが滞りなく進められるよう、日々の担当者を選出したり、評価を行ったりします。
また、職員全体の介護技術や知識の底上げのため、研修計画を作成し、研修を開催する仕事もあります。事業所内で定期的に研修を開催している場合には、年度初めには計画を発表し、年度が終わるころに振り返りをして、次年度の研修がよりブラッシュアップできるようにします。
介護職員の教育や育成の取り組み方については、「介護現場の人材育成はなぜ重要?メリットや取り組み方を解説」のコラムに纏めていますのでぜひ参考にしてみてください。

他部署、他職種との連絡・相談、家族とのやりとり

介護リーダーは自分の所属部署だけでなく、他部署や他職種との連絡や相談などを行う立場にあります。具体的には、利用者の担当ケアマネジャー(ケアマネ)やリハビリスタッフなどとのやり取りが多くなります。そのため、普段から利用者の状況をしっかり把握しておかなければなりません。また、利用者に変化があったときには、リーダーからケアマネやリハビリスタッフなどに相談することもあります。

利用者家族とのやり取りも、主に介護リーダーが行います。家族から自宅での様子や希望などを聞くことも少なくありません。ときには、苦情対応をすることもあります。特に、緊急時の連絡対応は、利用者の状況を把握している介護リーダーが行っていることが多いでしょう。

介護リーダーに必要なスキル

介護リーダーに必要なスキルには、主に次の5つがあります。

介護に関する高度な知識と技術

介護リーダーは、どのような状況になっても適切に判断して、臨機応変に対応しなければいけません。そのためには、介護に関する高度な知識と技術を持ち合わせておく必要があります。介護職として長く経験を積んだ人や、介護福祉士の資格を持っている人などが選出されることが多いでしょう。

指導力

介護リーダーは、介護職員を指導する立場にあります。介護現場は他職種からの転職組も多いことから、さまざまなタイプの職員がいると推測されます。どのような人であっても、その人に合わせた指導を行う必要があるため、介護リーダーにはしっかりとした指導力が求められます。

マネジメント力

利用者に適切なサービスを提供するためには、誰が対応しても利用者に同じ対応ができるようにしておかなければなりません。そのため、介護の質にばらつきが出ないよう、介護職員の育成や適切な配置などを行うマネジメント力が求められます。

リーダーシップ

ひとつの職場を統括していくためには、リーダーシップは重要な要素となります。介護リーダーは全体を引っ張っていく立場にあるため、リーダーシップは必要不可欠なスキルといえるでしょう。

コミュニケーション能力

介護職は、人と人との関わりが基本となります。介護リーダーは職員間だけでなく、他部署や他職種、利用者家族との関わりも多くなります。そのため、他の職員に比べてよりコミュニケーション能力に長けている必要があります。

介護リーダーが抱えがちな4つの悩み

介護リーダーは、その立場からさまざまな問題を抱えがちです。そのなかでも、代表的な4つの悩みについて、見ていきましょう。

業務量が多い

介護リーダーは通常業務を行いながら、リーダー業務もこなしています。そのため、他の職員に比べると必然的に業務量が多いといえます。
必要な人材が確保されていれば、通常業務を他の職員にある程度任せることができるでしょう。しかし、介護業界はどの現場でも人材不足に悩んでいることが多く、結果として介護リーダーの仕事を減らせないというジレンマに陥っています。特に、アクシデントが発生したときには、介護リーダーが率先して動く必要があるため、介護リーダーの負担がさらに増加します。
リーダー業務は他の人に変わってもらうことができないため、介護リーダーはどうしても業務量が多くなってしまうのが現状です。

上司と部下の板挟みになりやすい

介護リーダーは、管理職と部下のパイプ役といった立ち位置です。管理職が求めるものと部下の思いの差が大きいほど、介護リーダーは板挟みになりやすいでしょう。なんとか差を埋めようと悩む介護リーダーも多く、ストレスに苛まれ心身のバランスを崩してしまうケースもあります。

指導が思うようにいかない

介護リーダーは人を育てる立場でもあります。しかし、思うように人が育たないことや、育てたと思ってもすぐに辞めてしまうケースも少なくありません。
特に、思い悩むケースとなるのが、年上の部下に対する指導です。介護業界は異業種からの転職者も多く、40代50代の新人が入社してくることがよくあります。リーダーとして注意したことが「偉そうにしやがって」と捉えられてしまったというケースもあり、年上の部下に対する指導に苦手意識を持つ介護リーダーもいます。

家族からの苦情に対応せざるを得ない

介護リーダーは現場の責任者という立場です。そのため、家族からの苦情があった場合、リーダーが対応せざるを得ません。苦情対応はストレスのかかる仕事であり、状況や対応方法によっては長引くケースもあり、思い悩む人も少なくないでしょう。

介護リーダーの悩みを解決するために必要な3つのこと

介護リーダーの悩みを解決するために、介護事業者ができることには、次の3つが挙げられます。

定期的なストレスケアを実施する

介護リーダーは職員の育成や家族の苦情対応など、ストレスのかかる仕事を担当します。介護リーダーがひとりで悩みを抱え込んでしまうと、休職に追い込まれることもあるでしょう。介護リーダーがひとりで悩むことのないよう、組織全体で情報が共有できる仕組みを作ることが大切です。職員の相談窓口が設置されていない事業所では、相談窓口の設置を検討しましょう。また、定期的な面談の機会を作ったり、ストレスケアの健康診断を行ったり等、定期的に相談できる体制づくりも大切です。

正当な評価を得られる仕組みを作る

介護リーダーのなかには、「自分の仕事に対する責任や仕事量に対して正当な評価が得られていない」と感じている人もいます。介護リーダーの責任や仕事量に対する評価が正当なものであるか、もう一度確認してみましょう。そのうえで、評価が適切ではないようならば、評価制度を見直し、介護リーダー自身が正当な評価を得ていると感じられる体制づくりをしていきましょう。

業務量を見直して負担軽減を図る

介護リーダーは、通常業務とリーダー業務の両方を行うため、業務量が多くなりがちです。介護ソフトや介護ロボットの導入など、ICT化を図ることで業務が効率化できないか検討してみましょう。ICT化として取り組みやすいのが、介護ソフトの導入です。介舟ファミリーなら、わかりやすい画面と操作性で初めてでも使いやすく、サポート体制も徹底しています。介護リーダーの負担軽減を図るためにも、介護業務の効率化を目指しましょう。

介護リーダーの悩み解決には組織全体で取り組もう

介護リーダーが抱える悩みは個人の問題ではなく、組織全体として取り組むことが大切です。組織の問題として捉えることで、介護リーダーが持つ能力を十分に発揮してもらうことができ、現場の仕事は円滑に回っていくことでしょう。介護リーダーの悩みを解決する方法のひとつとしておすすめしたいのが、介護ソフトの導入による業務効率化です。介舟ファミリーはサポート体制がしっかりしているため、初めて介護ソフトを使う事業所でも安心して使うことができます。この機会に介護ソフトの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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介護M&Aのポイントを知って介護施設の問題を解決しよう

介護M&Aのポイントを知って介護施設の問題を解決しよう

介護業界全体の悩みともいえるのが、人材不足の問題です。令和3年度介護労働実態調査によると、介護サービス事業の運営上の悩みで最も多いのが、「良質な人材確保が難しい」ということでした。どの介護事業所でも、良質な人材確保に頭を悩ませているのではないでしょうか。この問題を解決するひとつの方法として検討したいのが、介護施設のM&Aです。しかし、介護M&Aがどういうものなのかわからない人が多いかもしれません。
この記事では、介護M&Aの概要とポイントについて解説します。

介護M&Aで解決したい介護施設の課題とは

介護施設を運営していると、さまざまな課題が浮き彫りになります。
課題を解決する方法として、昨今注目されているのが、介護M&Aです。
介護施設が抱える課題のうち、介護M&Aで解決できる課題として代表的なものには、次の3つがあります。

良質な人材の確保が難しい

近年、処遇改善に関する加算が増えたことで、介護職の給料の底上げが改善されています。ところが、経営に悩む事業所では、今の介護報酬では人材確保や定着のために必要な賃金を払うだけの余裕がないというところも少なくありません。十分な賃金を払うことができなければ、良質な人材の確保は難しくなります。

介護M&Aを実施した場合、経営が安定して賃金を確保することができます。また、買い手側の事業所から経営豊富な人材を異動してもらうこともできるため、良質な人材が確保できる可能性が広がるでしょう。

経営が苦しく労働条件や労働環境改善をしたくてもできない

経営が苦しいため、思ったような労働環境を整備できないという問題にも、介護M&Aは有効な手段といえます。従業員が働きやすいよう、労働環境をより良くしたいと考えている事業所は少なくないでしょう。

ところが、経営が苦しい事業所の場合、日々の運営に精いっぱいで労働環境を改善するまでの余力がありません。労働条件や労働環境が改善できず、従業員が退職してしまうこともあります。

そこで、介護M&Aによって経営状態が安定すると、労働条件や労働環境の見直しを行うことも可能となります。労働条件や労働環境が改善されれば、従業員の雇用も安定するため、サービスの質の向上にもつながるでしょう。

後継者がおらず今後の経営が不安

介護保険法が始まって20年以上が過ぎ、後継者問題に悩む事業所も出てきました。現在は事業運営に問題がなくとも、後継者がいなければ将来的に事業の継続は難しくなります。後継者がいないと、いずれ今抱えている利用者や従業員が路頭に迷うことになってしまうでしょう。

この問題も、介護M&Aで解決することができます。後継者がいなくても、介護M&Aによって買い手が事業を引き継いでくれれば、廃業の危機は回避できる可能性が高くなります。そして、大切な従業員の雇用を守ることもできるでしょう。

また、近年は金融機関や取引先が与信判断の材料として、後継者の有無を重要視する傾向にあります。今後も健全に経営していくための手段として介護M&Aを実施すると、事業所そのものの信用性が高まる可能性は高くなると考えられるでしょう。

介護施設におけるM&Aの実情を知ろう

国内のM&A件数が増加していくなかで、介護施設のM&Aも徐々に増加しています。2012年からはM&Aの件数は急増しており、本格的なビジネス強化や新規参入に踏み切る企業が増えてきました。

大手の介護事業所によるM&Aでは、介護事業最大手のニチイ学館が2021年の株式会社西日本ヘルスケアの完全子会社化を皮切りに、毎年介護M&Aを行っています。また、関西大手のケア21も、2014年に名古屋のグループホームを子会社化して以降、徐々にM&Aを行い、2021年からは訪問介護を中心としたM&Aを実施しています。国は介護事業所の大規模化・協働化を推進する方向に動いていることから、国の動きが介護M&Aの追い風になる可能性も考えられるでしょう。

また、介護関連ビジネスの将来性を期待して、異業種からの参入も増えています。2015年にはSOMPOホールディングスがワタミの介護を完全子会社化しました。2017年には、野村不動産ホールディングスがJAPANライフデザインに資本参加しています。異業種からの参入は、本業との相乗効果により、今までになかった新たな介護サービスを生み出すでしょう。生み出された新サービスが高齢者のニーズにマッチすれば、満足度は高くなり事業所全体の評価につながります。このことから、今後も異業種大手企業からの参入は増加していくのではないでしょうか。

介護施設がM&Aで得られるメリット

介護施設がM&Aで得られるメリットを、売り手側と買い手側に分けてそれぞれに見ていきましょう。

売り手側のメリット

売り手側のメリットには、次の3つがあげられます。

大きな資本を持つ会社の傘下に入ることで安定した経営が維持できる

売り手側は経営に悩んでいるケースが少なくありません。大きな資本を持つ会社の傘下に入れば、経営母体が大きくなるため、安定した経営を維持することができます。

雇用が維持され労働環境の改善ができスタッフのキャリアアップにつながる

人材不足や定着に悩む売り手の場合、M&Aを行うことで経営が安定し、必要な賃金を支払えるようになり、雇用の維持が可能となります。また、労働環境を改善することもでき、スタッフのキャリアアップにつなげられるでしょう。

大きな資本を持つ会社の傘下に入ることで安定した経営が維持できる

M&Aによって売り手側の経営者は売却益が得られます。まとまった金額を得ることになるため、将来の人生設計に必要な資金とすることができます。人生100年時代に間もなく到達するともいわれているなかで、安心して人生設計を行えるでしょう。

買い手側のメリット

買い手側のメリットには、次の2つがあります。

展開していなかった地域や新たなサービスへ容易に参入できる

事業を展開していくうえで、新たな地域やサービスにゼロから挑戦していくことには困難が伴います。しかし、M&Aを活用すると、既存の施設や従業員、利用者を引き継ぐことができるため、早期に収益基盤を整えることが可能でしょう。

売り手側のノウハウを得ることでサービスの創り上げや人材募集や育成の手間が省ける

買い手側は売り手側のノウハウを得ることができます。売り手側が持っているノウハウには、サービスに関するものや人材育成に関わるものなどがあります。新規に参入するのであっても、M&Aならば、ゼロからのサービスの創り上げや人材育成の手間を省くことができるでしょう。

介護施設M&Aを実施した際に起こり得るデメリット

M&Aにはメリットだけでなく、当然ながらデメリットもあります。介護施設のM&Aで起こり得るデメリットについて、売り手側と買い手側それぞれに見ていきましょう。

売り手側のデメリット

売り手側のデメリットには、次の2つがあります。

買い手側の運営方針や労働環境に既存スタッフが戸惑う可能性がある

M&Aの実施後は、事業所の運営方針や労働環境などが変わることが多いでしょう。既存スタッフにとっては、これまでの体制と変わってくるため、環境が変わることに戸惑うことも少なくありません。最悪の場合には、既存スタッフが辞めてしまうことも考えられるでしょう。

言い値で売却できるとは限らない

最終的な売却金額は、買い手側に最終決定権があります。そのため、言い値で売却できるとは限りません。思った以上に安値となる可能性もあることは、念頭に置いておきましょう。

買い手側のデメリット

買い手側のデメリットには、次の2つがあります。

簿外債務を負う可能性がある

帳簿や決算書に記載されていない債務を簿外債務といいます。残念なことに、M&Aでは簿外債務が発覚するケースは少なくありません。簿外債務を見落とさないためには、買い手側と売り手側の双方で綿密に確認することが大切です。

従業員が大量離職するリスクがある

M&A後、運営方針や労働環境が変わったことに納得できず、売り手側の従業員が大量に離職してしまうケースがあります。大量離職を防ぐためには、一気に体制を変えるのではなく、売り手側の状況にも十分に配慮しながら運営を進めていきましょう。

介護M&Aは介護施設の課題解決に有効な手段のひとつ

人材不足や経営不振に悩んでいる事業所にとって、介護M&Aは問題を解決する有効な手段となります。介護M&Aを行えば、廃業の危機を回避することができ、従業員の雇用も守ることができます。また、介護サービスの質を向上させることにもつながるでしょう。介護ソフト「介舟ファミリー」を販売する当社では、介護事業所に役立つ情報を発信しています。お役立ち情報はこちらからご覧ください。

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介護現場の効率化を図る重要性とメリット、具体的な手法について徹底解説

介護現場の効率化を図る重要性とメリット、具体的な手法について徹底解説

介護現場はいつも忙しく、慢性的な人手不足に悩んでいます。この課題を解消するキーワードは「業務の効率化」。厚生労働省も介護現場の業務効率化を図る一環としてICT化の推進を唱え、補助金制度を構築しています。介護の職場環境の改善は待ったなしです。事業所の責任者として、この機会に介護業務の効率化について考えてみませんか。

介護業務の効率化には自社に合った介護ソフトの導入が有効です。介護ソフト選びのポイントをまとめたE-bookをご用意しております。介護業務効率化の方法にお悩みの方はぜひダウンロードいただき、介護ソフト選びの参考として役立ててください。

※メールアドレス、お名前の2項目のみの入力でダウンロードが可能です。

介護現場における効率化の重要性

「効率化」を考える前に、介護現場の問題について考えてみましょう。

介護現場が抱える課題

「効率化」を考える前に、介護現場の問題について考えてみましょう。

慢性的な人材不足

3Kのキツイ、キタナイ、キケンに、さらに給料が少ないというイメージが強い介護現場。そのため求人を出しても人が集まりません。さらに退職率も高く、定着率が低いのが現状です。
介護業界における慢性的な人材不足の原因や現状などについては、「介護施設の深刻な人手不足!現状と今後の改善策を徹底解説」のコラムにまとめています。人材不足についての現状把握と解決策の検討にお役立てください。

介護を必要とする人口の増加

働くリソースは不足していますが、サービスを必要としている高齢者は右肩上がりで増えています。そのため「2023年度には約233万人、2025年度には約243万人、2040年度には約280万人の人材を確保する必要がある」と「第8期介護保険事業計画に基づく介護人材の必要数について(令和3年7月9日厚生労働省社会・援護局)」では発表されています。

業務の量が多い

介護現場はいつも人手不足。しかし利用者は増加しているため、スタッフは日ごろからオーバーワーク状態です。さらに、最近では介護業務だけではなく、介護記録の作成。介護報酬業務(レセプト)などでパソコン作業も多くなり、1人のスタッフが担う業務量は増えています。

効率化することによるメリット

介護現場の抱える問題の要因には、業務量とリソースのバランスが適切ではないことが挙げられます。それを解消するためには、業務効率化が有効です。

業務を効率化することによる、メリットを具体的にみてみましょう。

  • 従業員の身体的負担の軽減
  • 従業員の精神的負担の軽減
  • 退職者の減少
  • 利用者へのサービス向上
  • 職場環境の改善

スタッフの仕事量が適正になれば、時間的にも精神的にも余裕ができ、介護の質の向上につながると考えられます。また、介護現場の職場環境を整えることで「キツイ」というイメージを払拭することができれば、「働きたい」と思う人が増える可能性が高くなるでしょう。

効率化は「まず、やってみよう」でスタートさせる

2025年に向けて業務を効率化し、リソースを確保する。これは、今から実行しても早すぎるということはありません。厚生労働省も介護サービス事業における生産性向上に資するガイドラインのなかで「ここで重要なことは“まずはとにかく取り組んでみる”という姿勢です」と述べています。

同ガイドラインでは、改善活動の準備として以下の3点を挙げていますので、検討してみてはいかがでしょうか。

  • 改善活動をするプロジェクトチームを立ち上げ、プロジェクトリーダーを決める
  • 経営層から施設全体への取組開始のキックオフ宣言をする
  • 厚労省の用意したe-ラーニングツールなどを活用する

業務効率化の手法

それでは、具体的な業務効率化のやり方をみてみましょう。

職場の整理整頓

作業をするとき、使う道具がどこにあるのかわからないと、仕事を始める前に「探す」という行動が必要となります。このワンアクションはとてもムダなうえ、働くスタッフにとっては大いにストレスを感じる状況です。したがって、業務効率化の第一歩は職場の整理整頓です。

物品や用具について、使用しやすいように置き場所を決め、補充のルールも決めておきましょう。そして、それらは、スタッフ全員でしっかりと共有しましょう。

明確な作業分担

自社の介護の作業分担はどうなっていますか? 例えば、おむつ交換担当、掃除担当などのカテゴリーごとに分かれていませんか。これは一見、効率よく見えますが、実態はその反対です。役割分担は詳細に決めたほうが、スタッフも動きやすく、管理する側も業務の進捗が把握しやすいのです。

詳細な役割分担とは、作業に入る前にミーティングを行い、スタッフのAさんには「〇〇さんと▲▲さんのおむつ交換をお願いします」というように担当を割り振ることです。担当したスタッフには、業務が終了したら「終わりました」と報告を入れてもらいます。Aさんから終了報告をもらった管理者は、その時点で終了の報告がないスタッフBさんへ、Aさんをヘルプに回すことができ、効率よく作業を進めることが可能となります。

事業所によっては、「私が〇〇さんのおむつ交換をやります」とスタッフ同士が声をかけあう現場もあるでしょう。しかし、自主的にそれぞれ作業を見つけて行っていくやり方では、全体の進行状況を把握している人がいないので、作業に漏れが出る可能性があります。また、もうすでに終わっているおむつ交換を再度行うようなことも起こり、ムダな動きが現場で生じます。

したがって、詳細で明確な作業分担を指示することも、業務効率化には欠かせません。

ICTを導入

厚生労働省も推進している介護現場のICT化は、業務効率化の要となるでしょう。
人手不足の介護現場では、すでに介護ロボットが活躍しているところもあります。身近なICT化を考えるのであれば、介護保険の請求業務に、介護ソフトを導入することもおすすめです。事務作業が簡略するだけでなく、ミスの防止にもつながります。

業務マニュアルの標準化

介護スタッフが退職する理由に、職場の人間関係があります。その起因のひとつに、スタッフ同士で介護のやり方が違うことが挙げられます。特に新人教育の場では、指導するベテランスタッフによってやり方が異なると、新人が混乱し、人間関係のトラブルに発展することが少なくありません。

仕事が効率よく進むように標準化したマニュアルがあれば、介護方法をめぐるスタッフ間のトラブル発生が減少し、新人教育もスムーズに行うことができるでしょう。また、誰が介護しても同じサービスを利用者に提供できるので、サービスの質の維持向上にもつながるでしょう。

情報共有のシステム化

例えば、利用者の食事の介護をしている一方で、そばにいる別の利用者がトイレに行きたいと言った際、インカムがあれば、他のスタッフにすぐに知らせることができます。ツールを上手に活用し、情報共有をシステム化することも、介護現場では必要です。

事業所の理念、行動指針の共有

管理者はもちろん、スタッフは事業所の理念、行動指針を基に働いているはずですが、忘れがちになることも多いでしょう。理念や行動指針は事業所の特色であり、これらをスタッフとしっかり共有しておくことは、実は業務効率化のためにも重要です。というのも、業務の優先順位や業務フローを考える際の基盤となり、スタッフの理解も得やすくなるからです。また、マニュアルにはないイレギュラーな事態が発生した場合の迅速な対応の拠り所ともなります。

事業所の責任者は、指針の背景や理念にこめた思いを、機会を設けてはスタッフに伝えるとよいでしょう。

介護現場のICT化はさまざまな補助が受けられる

いろいろな業務効率化の方法をみてきましたが、最も効果があり、目に見えて介護現場の環境が変わるのはICT化でしょう。厚生労働省でも業務効率化と介護の質の向上から、介護現場へのICT化導入を促進しています。またICT導入のためのサポートや、補助金制度も実施しているので確認してみるとよいでしょう。

ICT化のなかで、比較的導入しやすく、業務の効率化に適しているのは介護ソフトです。すでに導入済みであっても、業務がうまくまわっていないという悩みがある場合には、リプレイスを検討してみるのもおすすめです。自事業所により即した介護ソフトが見つかるかもしれません。

介護ソフトを利用するメリットとは

介護ソフトを利用することで得られる業務効率化のメリットを確認しておきましょう。

  • 利用者の一括管理と共有ができる
  • ケアプランを簡単に作成できる
  • 記録作業が場所やタイミングを選ばない
  • 利用者の送迎スケジュールが一括で立案できる
  • LIFEに対応している
  • リアルタイムで各情報の共有が可能である

上記のほかにも、介護現場の業務効率化へつながるメリットはまだまだあります。

特に「介舟ファミリー」の介護ソフトは、上記のメリットを得るための機能が搭載されているだけでなく、操作が簡単で直感的に使えるため、IT機器に慣れていないスタッフでも扱いやすいのが特徴です。

介護現場の業務改善はICT化から

介護現場の人手不足や職場環境を改善するためには、業務改善は避けては通れない改革です。最初に着手しやすいのは、介護現場のICT化。なかでも介護ソフトは導入のハードルが低く、目に見える効果が得られやすいツールです。

市販で販売されている介護ソフトには多くの種類があります。特に「介舟ファミリー」の介護ソフトは、介護業務を効率化するためのツールが数多く搭載されているだけではなく、誰にでも使いやすいのが特徴です。ぜひ、導入を検討してみてください。

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介護現場の人材育成はなぜ重要?メリットや取り組み方を解説

介護現場の人材育成はなぜ重要?メリットや取り組み方を解説

事業の成長や、介護の質の向上のために、職員のスキルアップは不可欠です。また、人材定着にも職員の教育は欠かせません。2040年度には約280万人の介護職員が必要といわれていることからも、今から人材の教育制度をしっかり整備しておくことが必要です。
本記事では、人材育成に悩む事業所に向けて、育成のための取り組み方を提案します。

人材育成に取り組む5つのメリット

厚生労働省の見込みでは、2023年度には約233万人、2025年度には約243万人、2040年度には約280万人の介護職員が必要になると推計されています。これらの数字から、これからの介護施設では、人材の確保が必至であることがわかります。しかし、優秀な人材の新規採用は、他の事業所との取り合いにもなるため難しく、経費もかさみます。そこで、在籍している既存の職員を教育してスキルアップさせることで、優秀な人材を確保する取り組みが注目されています。ここでは、人材育成によるメリットを5つ紹介します。

1.介護職員の定着率向上に有効

厚生省の諮問機関、社会保障審議会(介護給付費分科会)が公開している「令和3年度介護報酬改定に向けて(介護人材の確保・介護現場の革新)」では、介護士の退職理由として、

  • 「施設の理念や運営方針への不満」
  • 「将来の見込みが立たない」
  • 「職場の人間関係に問題があった」

などの理由が上位に挙げられています。

適切な教育をすることは、介護職員本人のスキルや将来性を高めるだけでなく、施設運営の理念や方針への理解・共感を深めることにもつながり、退職を防ぐ効果も期待できます。職員もスキルが上がることで仕事の幅も広がり、将来への展望が明るくなるでしょう。

人間関係のトラブルの予防にも、実は、人材育成が効果的な場合があります。介護施設で多い人間関係トラブルの原因には介護方法に関連するものが多く、ベテラン職員それぞれが自分の方法を後輩に指導することで、混乱を招いたりトラブルにつながったりすることがあるからです。

施設内で各業務のやり方を統一し、マニュアル化できる高いスキルを持った介護士を設置することで、介護職員の定着率は向上します。

2.介護の質の向上、利用者の満足度向上

同じマニュアルに沿って職員教育を実施することで、事業所の介護サービスのレベルが一定になります。
それはつまり、利用者がいつも均一化されたサービスを受けられることといえます。
例えば、「〇〇さんの介助でなければ、おむつ交換はいやだ」という利用者に対して、別の業務中の〇〇さんが、今行っている業務を一時中断して駆けつけるというケースは少なくありません。
しかし、職員間で介護のやり方やレベルが同じであれば、どの職員の介助でも利用者に受け入れられるでしょう。
サービスレベルを統一することは、業務効率化につながるだけでなく、「どの職員が担当しても高品質のサービスを受けられる良い施設」という評価も得られ、顧客満足度の向上が期待できます。
利用者の定着率にもつながり、施設の経営面にも有利に働きます。

3.介護職員個々のモチベーション向上

介護業務のやり方を統一、指導することで、「共通のものさし」ができます。
評価の基準が見える化され、職員が次に目指すべきステップを認識してスキルアップに励むことができ、モチベーション向上につながります。

4.業務中の過失や事故を防止

職員のスキルが上がれば、過失や事故を防ぐことができます。利用者の安全は、施設としてもっとも重要な点です。
人材を育成することは、安全な施設づくりにもつながります。

5.採用において事業所のアピールポイントに

人手不足の解消の一端として、採用活動時に「当事業所は教育制度がしっかりしていて、介護方法の統一化も図っています」というアピールは効果的なポイントです。
介護現場を一度離れてしまった人のなかには、「介護の仕事は好きだったけれど、統一した技術の指標がなく、正当な評価を受けられなかったので辞めた」という経験から、潜在的な不安がある場合もあります。
経験者は、介護現場の人手不足を解消するカギとなる人材です。見える化された介護評価があれば、即戦力として期待できる優秀な人材を掘り起こすことにもつながるでしょう。

人材育成の前に行うべきこと

せっかく人材育成に動き出したのに、その場しのぎで終わってしまっては意味ありません。人材育成に取り組む際には、まずはプロジェクトチームを発足することからはじめましょう。計画的に進めていかないと現場が混乱し、困惑した職員が事業所に不信感を持つこともあります。しっかりした計画の立案は欠かせません。

  • 目的・目標の設定
    チーム全体の共通認識として目的を設定します。人材育成はなんのために行うのかを確認したうえで、ゴールをどこにするのかを決めます。
  • 期間や内容などの検討
    評価基準を設定するための共通のものさしを決めます。例えば、資格の取得、介護プロフェッショナルキャリア段位制度を活用してのレベル向上などが考えられます。メンター制度や、OJT制度の採用も、もちろん人材育成に有効ですが、キャリアの長い介護職員の独自のやり方が横行して元の木阿弥とならないためにも、客観的な評価基準を定める必要があります。
  • 必要に応じた見直し・改善(PCDAサイクル)
    プロジェクトを推進中には、さまざまなところに問題が発生することが想定されます。実行に移したあとも、定期的に職員と面談し、問題の把握、見直し、改善を繰り返すことが大切です。

人材育成のための具体的な取り組み例

介護業界の人材確保に向けた取り組みの一環として、厚生労働省でも研修実施を推奨しています。一例を見てみましょう。

  • メンター制度
    他部署の先輩社員(メンター)が、後輩社員(メンティ)のキャリア形成上の悩みの解消を援助して個人の成長をサポートする。
    【メリット】
    ○ メンターとメンティの信頼関係が構築される。
    ○ 同じ部署ではないメンターと定期的に面談する機会を設けることで、心配ごとや不安を率直に打ち明けやすくなる。
  • OJT研修
    教育を受けたOJT指導者が中心となって新規採用者への指導を行う。
    【メリット】
    ○ OJT期間中は、指導者がついて指導するため、新人は安心してスキル取得に励むことができる。
    ○ 基本はマンツーマンでの指導であり、業務のやり方が統一される。
    ○ 新人の評価がしやすい。
  • 介護プロフェッショナルキャリア段位制度の活用
    2012年度に内閣府が創設し、2015年からは厚生労働省に移管された「介護職員資質向上促進事業(旧:実践キャリア・アップ戦略)」の介護プロフェッショナルキャリア段位制度を利用し、公の基準レベルで職員のスキルアップを図る。
    【メリット】
    ○ 介護技術のチェック項目は148個と細かく、介護技術の標準化が可能。
    ○ 介護技術の標準化により、スキルにばらつきのない人材育成も可能となり、利用者に均等に質の高い同じサービスが提供できる。
    ○ レベルによってスキル分けされているので、人事評価や給料査定にも活用できる。
  • 社内外の研修
    社外研修で得た知識を社内研修で職員に共有する。
    【メリット】
    ○ 研修を行うことで、効率的に全職員のレベルアップが図れる。
    ○ 社外研修では多くの事業所が参加するため、他の事業所と同レベルの職員を育てられる。
  • 資格取得のサポート制度(キャリアアップ研修)
    職員の将来的な展望につながるホームヘルパーや、介護福祉士などの資格取得をサポートする環境を整備する。
    【メリット】
    ○ 有資格者が増えることで、事業者で働く職員のスキルアップが底上げされる。
    ○ 資格取得後は、資格手当がつくことで職員のモチベーションが上がる。

人材育成に着手するなら、まずは現場の業務効率化から

介護現場における人材育成は、職員のスキル・モチベーションアップはもちろん、利用者にも大きなメリットを生み出します。厚生労働省も来たるべき人材不足を危惧し、介護現場における多様な働き方や教育制度の導入などを推進しています。例えば、介護プロフェッショナルキャリア段位制度を導入すると、スキルの見える化によって職員のモチベーションが上がり、事業所の責任者は職員の昇給を検討する目安にすることも可能です。

ただし、メンター制度などを導入するには事前の準備が必要です。プロジェクト発足時は、数人の職員が現場から離れ、専任として就かなければいけないこともあるでしょう。その結果、現場で人手不足が発生する可能性もあります。また、介護プロフェッショナルキャリア段位制度や、資格試験に挑戦する職員には勉強時間を確保するためにシフトの融通も必要となります。

いろいろな事態をかんがみると、人材育成は長期の視点で考えなければいけないことがわかります。では、人手不足になった現場はどうすればよいのでしょうか? 方法のひとつとして、業務のICT化があります。特に介護ソフトを導入すれば、介護日誌などをスマートフォンやタブレットから入力可能になります。介助業務の合間に作成が可能になれば、事務作業の時間を大幅に削減できるでしょう。

なかでも介護ソフトの「介舟ファミリー」は、操作が簡単で誰にでも使いやすいのが特徴です。機械が苦手な人でも簡単に扱えるようになり、業務効率化に素早く効果を発揮することが期待できます。

また、「介舟ファミリー」はオプション機能として介護事業所向けのeラーニングも提供しています。受講者はPCやスマートフォンから時間・場所を選ばずに学習でき、管理者は職員の学習状況を一括管理できるため、効率よく人材育成に取り組むことが可能です。また、研修内容は技術習得や安全・衛生管理、クレーム処理など多岐にわたり、受講者一人ひとりのニーズにあわせて選択できるのもポイントです。

人材育成はすぐに成果が出にくい対策ですが、確実に優秀な職員の確保が望めます。そのための現場の下地づくりとして、介護ソフト「介舟ファミリー」の導入を検討してみませんか。

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介護施設でのBCP義務化も始まる!緊急時に備えるBCP作成のポイントを紹介

介護施設でのBCP義務化も始まる!緊急時に備えるBCP作成のポイントを紹介

2024年度から介護事業所にもBCP(業務継続計画)策定が義務づけられました。BCPとは?」「作成には何をどうしたらいいのだろう?」と頭を痛めている事業所の責任者も多いのではないでしょうか。
この記事では、介護施設におけるBCPの重要性と作成ポイントを、自然災害と感染症の両方の観点から紹介します。

介護施設におけるBCPの意味とその重要性

まず、BCPとはどういうものか、確認しましょう。

業務継続計画(BCP)とは

BCP(ビーシーピー)とは「Business Continuity Plan」の略称で、日本語では業務継続計画と呼ばれます。 大雨、大地震などの災害や感染症拡大などの緊急事態が発生した場合でも、損害を最小限にとどめ、重要な業務を継続する、または早期復旧を可能にするための方法、手段をまとめた計画書です。

内閣府では、BCPを以下のように定義しています。

「大地震等の自然災害、感染症のまん延、テロ等の事件、大事故、サプライチェーン(供給網)の途絶、突発的な経営環境の変化など不測の事態が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画のことを事業継続計画(Business Continuity Plan、BCP)と呼ぶ」

介護施設でのBCP

介護の現場でもBCPは必要です。2021年4月施行の「令和3年度介護報酬改定における改定事項について」のなかで、2024年から介護業でのBCP策定が義務づけられました。これからは、大規模災害や感染症の流行などに備えて、必要な介護サービスを継続的に提供できる体制づくりが求められています。介護サービスは利用者やその家族の生活を支えるために欠かせない存在だからです。

では、BCPはどのように作成するとよいのでしょうか? 作成する際のポイントを見てみましょう。

BCP作成のポイント

BCPを作成する際には、以下の6項目を中心に考えるとよいでしょう。自然災害と感染症の流行については、別々に対策を考えてBCPを作成する必要があります。

  1. 事業継続の有無の決定
  2. 被害がおよぶ範囲と、その対策
  3. 影響を受ける場所と、その対策
  4. 期間について
  5. 被害の発生を抑えることは可能か?
  6. 事業所への影響

1.事業継続の有無の決定

  • 自然災害
    初動対応のステップを決めます。通常のサービスの提供が難しい場合に備えて、提供サービスの優先順位をつけておきます。
  • 感染症の流行
    事業を継続、中断する基準を設定します。基準となる要素を洗い出し、迅速に判断できるようしておきます。利用者、働くスタッフの安全確保を一番に考える一方で、施設責任者として、経営面も視野に入れて対策を講じます。

2. 被害がおよぶ範囲と、その対策

  • 自然災害
    ガス、水道、電気などのインフラ面の損害が考えられるため、復旧までの間、どのように対処するかを考えます。(例:発電機を備えておく)
  • 感染症の流行
    感染者の隔離場所と隔離方法、クラスターを起こさないための対策を講じます。日ごろから消毒液や、マスク、防護服、またはそれに代わるものを用意しておきます。また、通常と異なる業務の発生、人手不足が想定されるため、介護派遣業者などに登録して人員を確保することも検討します。

3. 影響を受ける場所と、その対策

  • 自然災害
    自然災害の被災地域は、限られたところに限定されています。事業所が被災した場合に、インフラ面でどこまで影響を受けるか、過去の被災地や、自治体に問い合わせをするなどして確認しておきます。
  • 感染症の流行

    国内外で感染症事例が報告された時点で、迅速に対策を考えなければなりません。そのため、役所、保健所、医療機関、近隣の施設と常日ごろから連絡をとりあっておくことは重要です。正確な情報の入手方法を確保し、迅速に対策を検討できるようにします。

    そして、万が一、施設から感染者が出た場合の対策を検討します。日ごろから利用者、スタッフの体調管理を行い、発熱症状がある人を隔離するスペースを確保するなどの体制を整えておきます。

    通所施設は、多くの利用者が集まる場所なので、感染症が流行した時点で影響を受けます。また、介護施設の場合は、外出が少ない利用者よりも、スタッフや出入りする業者からの感染が施設内に広がりクラスターになる可能性があります。各施設の特徴に合わせた傾向も把握しなければいけません。

4. 期間について

  • 自然災害
    大地震などは過去の発生例を調べることで、どのくらいの期間でインフラが復旧するかなどの予測がつくため、施設の所在地ごとに確認しておく必要があります。
  • 感染症の流行

    流行が終息するまでには長期間を要する可能性も視野に入れておきます。また、感染状況には波もあるため、少し落ち着いているとき、感染者数がピークのときにそれぞれどのような対策が必要なのかを考えます。

5. 被害の発生を抑えることは可能か?

  • 自然災害
    地震は予兆がないので避けることは難しいでしょう。しかし、台風は天気予報で予測することが可能です。台風の接近情報を入手したら、すぐに安全を守るための行動に移れるような体制を整えます。
  • 感染症の流行
    海外のどこかで発生した場合、それが日本にやってくるまでの期間に準備することは可能です。感染症発生や流行の一報があったら、どこに何を問い合わせるかなど、情報入手経路を詳細まで検討しておきます。

6. 事業所への影響

  • 自然災害
    震災直後は事業所の売り上げが滞る可能性がありますが、復旧が進むにつれ業績回復が期待できます。補助金などが支給される可能性もありますが、すぐの対応は望めないため、当面困らないだけの資金が必要になります。
  • 感染症の流行
    終息のめどが立たず長期化した場合、利用者の減少が見込まれます。通所系の施設は休業という選択肢も視野に入れる必要があるでしょう。施設運営者は、業績悪化という事態に備えた事業継続の対策もBCPに盛り込んでおかなければいけません。

策定したBCPに沿って、自家発電装置を導入するといった準備や体制を整え、職員の不足を想定して、近隣施設に応援を頼めるような働きかけを、施設の責任者は日ごろから行うことが重要です。

また、日常業務の優先順位も確認しておきます。特に、施設では利用者の命にかかわる食事、排せつ、与薬、医療行為は止めることなく継続し、そのほかの業務は停止することで、速やかに非常事態の鎮静に注力することが大切です。

厚生労働省では、介護事業所に向けてのガイドライン資料やひな型、様式ツール集、研修動画を公開しています。こうした資料を参考にして、BCPの具体的なイメージをつかむこともできるでしょう。

厚生労働省のガイドラインやテンプレートはこちらから。

適切なBCPの作成はいざというときに利用者と事業所を守る指針に

介護施設でのBCPが義務化されたことにより、介護現場の責任者への負担はますます増えました。
しかし、BCPは利用者、スタッフを守るだけでなく、万が一の際にも介護施設の運営を中断することなくサービスを継続する、もしくは中断した場合には一日も早く復旧させるための計画書となります。緊急時の指針となるので、しっかりつくりこみたいものです。

事業所に保管している書類には、利用者の病歴や与薬データなどの情報が記載されているものもあるでしょう。これらは、利用者の命を守るための大切な情報です。重要書類が水没や焼失によって紛失してしまうことがないよう、万全の対策を講じることもBCPの一環となります。効果的なのは、必要な情報をクラウドに保存する介護ソフトの導入です。

介護ソフト「介舟ファミリー」は、利用者の情報をすべてクラウドに保存するので、自然災害発生時に重要なデータを紛失することを防ぐことが可能です。また、直感的な操作が可能なので、IT機器の使い方に慣れていないスタッフにも扱いやすく、導入しやすいのも特徴のひとつです。ぜひご検討ください。

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介護業界のICT導入補助金制度!内容、金額、導入後の効果を紹介

介護業界のICT導入補助金制度!内容、金額、導入後の効果を紹介

介護現場へのICT導入支援事業の一環として、厚生労働省が打ち出した補助金制度。「補助金制度があることは知っているけれど、具体的な内容がわからない」という管理職も多いのではないでしょうか。
この記事では、ICTを導入した介護事業所への補助金制度の概要、補助金の金額、そして、ICT導入支援事業を利用した事業所はどのように変わるのかについて解説します。

介護現場のICTとは

厚生労働省は介護現場で働く人たちの負担を軽減するため、ICT補助金を交付して、介護現場のICT化を支援しています。では、ICT化とは何を指すのでしょうか?

ICTとは何か?

ICTとは「Information and Communication Technology」の略称で、「情報通信技術」という意味です。
例えば、インターネット検索やSNS、メールのやりとりなどはICTを活用したコミュニケーションです。最近では、学校のオンライン授業、医師によるオンライン診療、企業におけるテレワークなど、ICTの活用場面は広がっています。もちろん、介護現場でもICTの活用が始まっています。

介護現場でのICT導入で期待できる効果

ICTを導入すると、以下のような効果が期待できます。

  • 記録業務をタブレット端末などで行うことで効率化が図れる
    テンプレートや単語登録機能を活用することで、記録にかかる作業時間を短縮することが可能です。また、場所を選ばず作業ができるため、ちょっとした隙間時間などを利用して書類作業を進めることもできるようになります。
  • インカムなどを利用することで管理者が複数スタッフへの指示をタイムリーに発信可能
    例えば、通所介護施設において、管理者からスタッフへ「そろそろ利用者さんの帰宅時間ですので、スタッフはフォローお願いします」といった指示を的確に出すことができるため、業務の進行が円滑になります。
  • 業務データのペーパーレス化
    紙の書類を保管する必要がなくなり、省スペース化につながります。また、書類の破損や紛失の心配もなくなります。
  • 介護報酬の請求作業量の軽減

    介護ソフトを活用することで介護記録・情報共有・請求業務まで一気通貫で行うことができるため、大幅な作業時間の短縮につながります。記録ソフトと連携することで請求ソフトへのデータ入力が不要になり、手入力によるミスを回避できます。

  • 介護ロボット・センサーを導入することで、スタッフの身体的・精神的負担を軽減
    慢性的な人手不足の介護業界にとって、介護業務の一部を任せられる介護ロボットやセンサーの導入はもはや必要不可欠です。管理者としてはスタッフの負担軽減の観点からも、導入の検討は避けられないでしょう。

現在、いずれの機関・施設からでも利用者の情報を確認できるように、医療現場と介護業界などの情報を標準仕様にする取り組みを厚生労働省が率先して行っています。このような動向をかんがみても、介護現場でICT化の普及は加速度がつくことが予測されます。

市販の介護ソフトを導入した場合のメリットについて詳しく知りたい方は、介護保険施設の介護ソフト導入メリットと注意点を徹底解説のコラム参考にしてみてください。
また、介護ソフトは各社サービスや機能が異なるため、どのような介護ソフトを選ぶかが重要になります。介護ソフトの選び方のポイントを知りたい方は、介護ソフトの選び方と比較ポイントを解説!自社が導入すべきソフトはどれ?のコラム参考にしてみてください。

ICT導入には補助金が使える条件や具体的な金額は?

ICTの導入には一定のコストがかかります。政府は、ICT導入支援事業の一環として、補助金制度を設けています。

補助金制度とは?

ICT補助金とは、厚生労働省が推進するICT導入の補助金制度であり、令和4年(2022年)度の地域医療介護総合確保基金(介護従事者確保分)の予算は137億4千万円が計上されています。ICT補助金の交付を受けるためには申請が必要で、受付は各自治体で行っています。また、補助金を受け取るには以下の4つの要件を満たす必要があります。

  • LIFEによる情報収集・フィードバックに協力
  • 他事業所からの照会に対応
  • 導入計画の作成、導入効果報告(2年間)
  • IPAが実施する「SECURITY ACTION」への宣言

支給される補助の金額

【補助可能な金額】

事業所規模(職員数)に応じた上限額が下記の通りに設定されています。
職員1人~10人 :100万円
職員11人~20人:160万円
職員21人~30人:200万円
職員31人以上  :260万円

また、補助割合は導入費用の2分の1を下限に都道府県ごとに定められています。
ただし、以下の条件のいずれかを満たせば、補助金額の下限を導入費用の4分の3にすることも可能です。(各都道府県により異なる)

  • 事業所間でケアプランのデータを連携し、負担軽減を実現
  • LIFEの「CSV連携仕様」を実装した介護ソフトで実際にデータ登録を実施
  • ICT導入計画で文書量を半減
  • ケアプランデータ連携システムの利用

補助金を受けるための申請方法

ICT導入支援事業の受付窓口は各都道府県の自治体になっています。申請方法や募集要項は各自治体のウェブサイトで確認してください。
ICT導入支援事業の実施自治体数は、令和元年(2019年)度の15県から、令和2年(2020年)度には40都道府県に増加し、令和3年(2021年)度には、すべての都道府県で実施されました。

補助金制度の対象となる導入費用

  • 介護ソフト(ケアプラン連携標準仕様)
  • 情報端末……タブレット端末 スマートフォン端末 インカム等
  • 通信環境機器……Wi-Fiルーター等
  • その他運用経費……クラウド利用料、サポート費、研修費、他事業所からの紹介対応経費、バックオフィスソフト(勤怠管理、シフト管理等)等

ただし、ICT導入支援事業の支援対象や金額は、毎年見直しが行われています。次年度は限度額や、補助対象が変わる可能性も高いので、厚生労働省や地方自治体のウェブサイトで確認しましょう。

ICT導入支援事業による効果

ICTを導入した事業所における効果を見てみましょう。

厚生労働省老健局認知症施策・地域介護推進課が発表した「令和2年度ICT導入支援事業 導入効果報告まとめ」によると、ICTを導入した6割以上の事業所が、以下のような効果があったと回答しています。

  1. 直接ケアにあたる時間が増加した
  2. 支援の質が上がった
  3. 業務上の単純ミスが減った
  4. 勤務態勢が改善された
  5. 業務管理が効率化された
  6. 間接業務の時間が削減された

情報の記録・入力や各種会議などの間接業務時間の削減について、92%の事業所が削減されたと回答しました。介護などの直接ケア時間の増加については、68.7%の事業所が増加したと回答しています。

入力などにかかる事務作業が減り、介護に使える時間が増えたといえるでしょう。

補助金を活用したICT導入で介護の質を向上させよう

介護現場での業務軽減に大きく役に立つICT。導入することで、スタッフの間接業務に携わる時間が減り、本来の業務に集中する時間が増えます。それは、利用者への高品質のサービスを提供することにもつながります。

介護現場のICT化は政府も推進しているため、これから加速することが見込まれます。施設の運営責任者としては、この機会に、補助金制度を活用した導入を検討するプロジェクトを立ち上げるとよいでしょう。

なかでも、介護ソフトの導入を検討している事業所には、ICT補助金の補助対象になっている「介舟ファミリー」がおすすめです。記録・情報共有・請求業務を一気通貫で行うことができるので、転記ミスの防止だけでなく、ダブルチェックやトリプルチェックも不要になります。スタッフの間接業務の時間を短縮できるでしょう。ぜひご検討ください。

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